おはようございます。
保育園でサンタ役を任命されたヒミツキチ森学園のあおです。娘にバレないように頑張ってきます!
さて、本日12月23日から全国の書店やamazonで、自身初の単著が発売になります。
おぉ、おめでとう!!ついに!
まーくん
あお
嬉しい気持ちでいっぱいです。
今日は発売を記念して、「終わりに」を公開させてください。
もちろん、明治図書出版さんには、OKをいただいております。
目次
先生の仕事、やりがいは何にある?
先生の「仕事」のデザイン、いかがだったでしょうか。
自分の中で経験してきたことを中心に、仕事をデザインすることについて書いてきました。若手の先生が、前を向けるきっかけになれば心から嬉しいです。
世の中の多くの人が、簡単にできること、成果が上がることに引っ張られている気がしているのはボクだけでしょうか。明日に使えるものが知りたい。すぐに簡単にできることが知りたい。短い単位での発信にいいね!が集まるのも、当然の流れだと思っています。
だけど、先生としては、本当にそれでいいのでしょうか。
先生という仕事は、子どもたちの『未来』を願い、自分の『過去』(経験)を生かして、 子どもと一緒に『今』を創り出す仕事です。そんなボクらが明日できること、すぐに効果が上がることに奔走していていいのでしょうか。
仕事をデザインする必然性を感じたのは、例外なく教室がうまくいかなくなった時です。うまくいった時は、流れを変えずに打っている手を続けていけばいいのですが、うまくいかなくなった時に、本気で考え出すんですよね。
辛かった日々を思い出すと、踏ん張ったときに新しい何かが生まれてくるんです。
自分の在り方を変えないと、何かを変えないといけないなと感じる。先生としての成長はそんな時に起こります。
充実した「今」をつくるためには、願っている未来をイメージし、シンプルな打ち手を続けなくてはいけません。
そこには短期的なものの見方ではなく、中・長期的な見方が必要になります。体にいいものを食べて健康に過ごしたいと思ったら、今日のランチだけ変えてもしょうがないのです。未来の健康な姿を思い描きながら、毎日続けられる食事として何がふさわしいかを真剣に考えるでしょう。
教育もそれと一緒だと思っています。長期目線が大事。短期的に効果が上がることは、クラスが変わり先生が変わると、効果が落ちてしまいます。
時間を味方につけること、それでこそ子どもたちに効果があることがデザインできます。 子どもたちに中・長期的に意味があるものを、子どもたちと一緒につくっていく…先生の仕事のやりがいはここにあるのではないでしょうか。
子どもたちにベクトルを向けて居場所をつくる
もう1つお伝えしたいことがあります。
ボクは2020年の3月に公立小学校の教員を退職し、オルタナティブスクール「ヒミツキチ森学園」のグループリーダーとなりました。
教員を退職するのに、教員の仕事が辛かった、嫌だったということは一切なく、新しい場所へと挑戦してみたかった、先生をずっと続けていくのに、一度外に出てみたかったというポジティブな理由からでした。
中には、素直に想いをぶつけてくれた友人もいました。
「公立からいなくなって、正直違う場所の話で残念です」と面と向かって言われたことも。確かにその友人の気持ちもわかります。
でもね、ボクは思うんです。教員じゃなくなったとしても先生であることには変わりはないと。
外で違うことをやっているという感覚も全くないのです。
教員の時に培ったスキルは今でもたくさん生きているし、目の前の子どもたちのために全力を尽くしているのには変わりありません。
「分断を生んでいるのは人」、そう思うんです。
子どもは先生がどうとかは関係ありません。子どもたちは居場所に飢えています。
ボクが教員をし始めた15年前より、学校という場所に居づらさを感じている子どもたちは増えています。それは学校が悪いのではなくて、社会が変わってきているからです。
変化に対応しようと学校が努力を重ねているのももちろん知った上で、ですが、子どもたちの居場所は多くあった方がいい、ただそう思うのです。
教育に関わるすべての人が、手を取り合いながら子どもたちを支えていけたらと心から願っています。
自分にベクトルを向けるのではなくて、子どもたちにベクトルを向けたら、どこで何をやっているかなんてこだわらなくていい。
そう子どもにベクトルを向けている人とは、今でも関係なく付き合いが続いています。
そして子どもたちにベクトルを向けながら、自分自身も変に人と比べることなく、自分の強みを生かし、先生をしていく…。そんな軽やかに先生をする人を全国に増やしたい、
ボクはいつもこのビジョンに戻ってきます。
この本は、そのビジョンに向かっていくための大切な一歩だと思い、必死にもがきながら、一字一字を書いてきました。ボクは公立という現場が好きで好きでたまらなかった。現場が今も大変なのはわかっています。でも出たからこそ、見えることがあります。変わらないものもあります。
そんな経験をこれからも誰かに届けられたらいいと思いますし、そういう活動を続けていきます。
謝辞
この本を執筆する上で、お世話になった方がたくさんいます。
みんなのオンライン職員室で「先生のためのライティング講座」を2期にわたっておこなったのですが、その受講生のみなさんには、いつも明治図書さんの連載の相談に乗っていただいていました。そこでの理論の構築がこの本の土台になっているのは間違いありません。みなさん本当にありがとうございました。
そして「あるといいながある 横浜 shares」のみなさん、みなさんと切磋琢磨した10年があるからボクは先生としても成長させてもらいました。
一緒に仕事をした同僚のみなさん、貢献よりも迷惑が多かったかもしれませんが、たくさんのことを学ばせてもらい、感謝しています。いつかこの本が届いたら嬉しいな。
そして明治図書の新井皓士さんには、大変お世話になりました。連載から今回の出版まで全く未経験のボクの悩みに、根気よく寄り添ってくださいました。フィードバックも的確で、最後まで信じて下さっているのが伝わってきて、新井さんのおかげで書き上げることができました。
さらにはヒミツキチ森学園のちほやん、みっちゃん、まみちゃんには、いつもお世話になっています。最高の仲間と巡り会えたおかげで、ボクはいつも楽しく先生をしていることができるし、この本も一定のペースで書き上げることができました。本当にありがとう。
本書には、本文中にも書いてあるので割愛させていただきましたが、担任をさせてもらった子どもたち、本当に本当に感謝しています。間違いなく子どもたちがいなかったら、この本はできあがらなかった。
あお
ボクはつながりのある方に、本を直接届ける企画をしているのですが、その中には教え子の数人に届ける機会も。本当嬉しいです。
そして、ヒミツキチ森学園の子どもたち…いつも真っ直ぐ人生を楽しみ、自分のどまんなかを生きるみんな、たくさんのパワーをもらっています。大好きなみんなと過ごす日々のおかげで、この本を書き上げることができました。
子どもたちと共に、たくさんの保護者にも出会いました。時に厳しく、時に優しく、大事なことを教えていただきました。ヒミツキチ森学園の親チームの皆さん、「保護者」とは違ったスタンスでいる皆さんのおかげで、子どもたちと共にボクも成長させてもらっています。
本当に本当にありがとうございます。
最後になりますが、家族にも伝えさせてください。
いつもボクの連載が載った本を手に取り嬉しそうに読んでくれる両親、貴重な夏休みに執筆に篭っていても、あたたかく応援してくれた娘たち。そして現職の教員でありながら、迷った時はいつも相談相手になってくれる妻。家族がいるから、筆が進まない時も、あと一歩を踏ん張ることができました。
そんな家族に初の単著を届けることができて嬉しいです。
「30歳で単著を書く」と、手帳に書いたいつかの夢は、15年遅れましたが、形にすることができました。これもデザインした結果、生まれたものです。多くの人に感謝しながら、また丁寧に前へ前へと進んでいきたいと思います。
青山 雄太
本日発売です。良かったらどうぞー!
はじめに・目次も公開中!