おはようございます。
娘の9歳の誕生日を乗っ取ろうと企む次女のかわいい暴走っぷりに「誰に似たか」を妻と押し付け合ったヒミツキチ森学園のあおです。いつも笑わせてくれる娘たち(笑)
さて今日は、学びの記録の付け方です。「学習評価の記録」と言い換えることができそうなので、副題もつけてみました。
※ブロックアワーはイエナプランにおける基礎的な学習の教科です。それ以外にもたくさん言いたいことはあるのですが、それはまた別の記事書きますね。
- 学習記録ってどうつけるのがいいんだろう。
- オルタナティブスクールではどうやってつけているの?
- 教員で普段つけている評価に違和感がある
なんてことが気になる方は読み進めてもらえたら嬉しいです。
あお
早速いってみましょ!
目次
教員時代の学びの記録(学習評価)
教員時代には学習評価はどうしていたかというと、主に数字でつけざるを得なかったです。
だって、成績表があるもんね。
まーくん
あお
そうなんです。ただそこにはずっと違和感を抱えていました。
子どもたちが学習しているときに、もしくは学習後にいろんなものを数値化しておきました。
- テストの点数
- ノートの記録
- 子どもたちが書いたもの
- 子どもたちが作ったもの
あるとき、ふと思ったんですね。学期末の成績のためにこうやって毎日いろんなものを数値化しているんだけれども、これってなんの意味があるんだろう。
子どもたちと共有されないものはあまり意味ないよなぁと思って、共有してみたりもしたんですが、高学年になるとなかなか伝えるのも難しいし、毎回自分が書いたものがAとかBとかされるのもどうなんだろうと、上手い方法が見つからずにいました。
他者評価や自己評価ももちろん取り入れましたが、目の前の子どもたちがやっていることがしっくりときていないかったのです。表情、熱中度…「評価されている」と感じると、子どもの学びへの熱は下がっていくんですよね。
先生として、学びの記録をどうつけるか
そんな考察から、学びの記録(学習評価)については、「こうしたい!」が見えてきました。
- 子どもと共有されているもの
- 先生の指導・支援に役立つもの
- その子の強みを生かす視点があるもの
子どもと共有されているというのは、数値化ではなかなか成し遂げられませんよね。
数値を共有するというのは、他者との比較が生まれたり、マイナス面に働くことの方が大きいのです。プラス面に働く子はちゃんといますが、決して多くはありません。
そういった意味で、数値ではない評価の共有が鍵になります。
また、記録・評価は、先生の指導・支援に役立つものでなくてはいけません。
ある子がAでという数値の記録は先生の支援にはあまり役に立ちません。むしろ、Aの見方を強めてしまうなど、指導・支援の打ち手を制限してしまうことも多いでしょう。
最後に強みを生かすものかということです。
数値化の怖いところは、子どもたちを何かに当てはめて数字という対象にしてしまうところ。でも本来子どもたちの持っているものは、数字になんて表せないんですよね。
あお
いろんな強みを持っているんですから。
オルタナティブスクールでの学びの記録
あお
さて、ヒミツキチ森学園ではこれを踏まえて、どのように記録をしているかをご紹介します。
ブロックアワーの時間の学習記録
ブロックアワーでの学びの記録については、現在地の把握を主に置いています。もちろん数値化はしません。記述で記録しています。
- その子が今何をしているのか
- 何を望んでいるのか
- どんな学び方を試しているのか
- 学びは順調か困っているか
などなど、学習記録を毎日残しています。これはブロックアワーの最中に打ち込むこともありますし、その後の休み時間に入力していることもあります。
ブロックアワーの最中なら、その学びを子どもたちと共有しながらできるね!
まーくん
また、子どもたちは毎週「学びの地図」という計画表を書いていて、自分で何を学ぶかを計画しています。週の終わりに振り返りますが、その時の記録も一緒にしておくことで、翌週の記録の立て方がスムーズになることがわかりました。
eboardからの学習履歴による記録
また、タブレット学習も進めています。「かず」についてはeboardでの学習を1年生の後半から行っています。
eboardでは、その子の学習の記録を次のような形で見ることができます。
- いつ進めたか、進んでいるか
- どこでつまづいているか
- 正答率はどのくらいか
- チェックテストの出来はどうか
自動的に集まってくるのがデジタルの強みだね。
まーくん
あお
それをどう生かすか、先生が考えるってところが大事だね。
デジタルデバイスは学びの記録が集まってきますが、それで止まっていたら意味がなく、そこからどういう打ち手が子どもたちに有効かを考えていくのが、ボクらの大きな仕事です。
結構ここは悩みどころなんですが、全部AIに任せるより、人が入る隙間があることが大事で、そこに可能性を見出しています。
デジタルと人間の頭で考えることとの併用が、子どもたちの学びを加速させていると感じています。
Storyparkでの保護者との共有
ドキュメンテーションとして、保護者と学びの記録は共有しています。
ここでは、どのような取り組みをしていたかが主ですが、その学びを保護者や学園メンバーと共有することで、視点を変えるフィードバックをもらえることもあるのです。
今年度からは、「デジタルポートフォリオ」もこのStoryparkではじめました。「その子の強みを生かす視点」に大きく役立ちそうです。
学びの記録を丁寧に取り続けること
学びの記録を毎日毎日、丁寧にとっていきます。子どもたち全員がどんなふうに取り組んでいるか、そこでの気づきを共有しています。
それをすることで、複数の目で子どもたちを見ることが成り立ちます。
ヒミツキチにもメンバーの他に、子どもサポーターとして多くの人が入ってくれています。
その人たちとも記録を共有することで、できることも増えてくるなぁと実感しています。
あお
学習中や学習後にやりとりを確認する時間が、ボクは好きです。
また、担任(グループリーダー)がいなくてもシステムが回ることを非常に大切にしています。これは、先生の働き方にも関わるからです。
月に何度か水曜日はリモートにしていただいて、その時間に他の学校に学びに行ったりを計画しています。今はコロナで行くことができていませんが、学校を離れることは子どもたちのプラスになることもたくさんあるなぁというのが、昨年度試してみての実感です。
ボクが学園から離れても回っていくように、学習の記録をとっています。
担任がいなくてもシステムが回ることを、これからの先生の働き方のスタンダードにしたいのです。
教室から離れると、新たな視点が得られる!プラスの面が多いっていつもいってるもんね!
まーくん
【まとめ】学習記録・評価への取り組みは改善中
- 評価・学習記録は、子どもと共有されているもの
- 評価・学習記録は、先生の指導・支援に役立つもの
- 評価・学習記録は、その子の強みを生かす視点があるもの
- 担任がいなくても回り続けるシステム
この評価や学習記録への取り組みは、ボクらは改善の途中です。日々向き合いながら、ベストを探っているところです。そしてこれはずっと続いていけそうです。
先生のための記録から、子どもたちのための記録・共有に変わりました。次は、その価値を高めること。日々取り組んでいこうと思います。
あお
それでは今日も良い一日を!