おはようございます。ヒミツキチ森学園のあおです。
今日は教員・先生側の振り返りについて書きたいと思います。
CLUBHOUSEで岩瀬先生と中川さんが話しているのを聞きながら、いろんなことを考えました。
ボクのリフレクションの方法を見てください!ではなく、まだまだ発展途上ですが、今までの記録を書き残して、今後のリフレクションの充実につなげていこうと思います。
あお
それでは早速見てみましょう!
目次
上條先生と学んだ濃い1年間
4年前、年間に何度か東北福祉大学の上條先生にお話をうかがいながら、オンラインで仲間二人とリフレクションを続けてきました。
そんな走り続けてきたリフレクションを読み合う価値について、上條先生と仲間と最後に振り返った時に感じたことをメモに残していました。
他者の視点によって立体的に自分を見る
これは自分が一番考えていたこと。
自分一人だと、振り返りをしていても点と点をつなぐ作業。深く掘っていっても平面で終わっているイメージがあります。
ここに他者の視点が入ってくると、
「これってどういうこと?」
「つまりはこうなんだよね?」
といったフィードバックが入ってきます。
また、仲間の振り返りを読むうちに、理解できていなかった点や、忘れていた大事にすることの感覚が自分の中に入ってきます。
また一つ自分の考え方が平面から立体へとふくらむようなイメージを持つことができたんです。
一つそういう視点が加わることで、自分自身や自分の行為が立体的に拡がっていく…これがボクにとってすごく大きかった。
もちろんそれが教室で生かされるからです。
いいところを見つけるのは解消法
仲間の言葉
「ポジティブなところに目が行ったのはいいけれど、やっぱりネガティブというか問題そのものにアプローチしていきたいんですよね。。。」
それに対して上條先生は、
「ネガティブなところを全く見ないんじゃなくて、両方見た上で、アプローチするべきはポジティブな方」という話をしていました。
当時読んでたこの本を重なるね!
まーくん
たとえる なら、「 ケガ や 病気 を どう( H o w) 治す か」 は、 解決 アプローチ。 「なぜ( Why) ケガ や 病気 が 発生 する のか」 を 考える のが、 解消 アプローチ です。 トラブル が 起き た とき、 対処 の 手法 ばかりに こだわる と、「 解決」 は でき ても「 解消」 には 至り ませ ん。 その 結果、 また 同様 な トラブル が 起きる こと も。 問題 の 根本 を 洗い出し、 それ を チーム が 共有 する だけでも、問題 の「 解消」 に つながり ます。 その 上 で 解決 に 向け ての「 H o w」 を 話し合え ば、 メンバー の みんな が 納得 できる、 ベスト な アイデア が 生まれる でしょ う。
長尾 彰. 宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。 (Kindle の位置No.591-592). 株式会社 学研プラス. Kindle 版.
「エピソード記述によるリフレクション」はまさにポジティブから探っていく解消アプローチなんだろうと思いました。問題自体をいくらほじくり返しても、大きな解消にはならない。その背景にあるもの、そこにポジティブなことがに向き合うことで、問題を「解消」することができる。ボクはそういうアプローチだとも思っています。
ネガティブに目をつぶるのではなく、両方見た上で、問題を解消できる方法をポジティブから探る…それはただのポジティブシンキングとは違うだろうなぁと。
さらに、創造的思考性というのが非常に大切な考え方で、問題解決に目を向けていても問題が解消して終わってしまう。元通りに戻るのがゴールになってしまう。そうじゃなくて、望む姿をデザインすることで、問題も問題ではなくなっていく…
自分の創造的思考のスイッチを入れるための、ポジティブへの注目なんだ!と今ではわかります。
個人でのリフレクションをペア・チームへ拡げる
さて、ここからは昨年度、そして今のことへと繋がっていきます。
個人でのリフレクションは今も書き続けています。
昨年度公立小学校での最後の年は、
あお
一人でやり続けているリフレクション、この時間を学年の仲間と共有できたら、どんなことが起こるだろうか?
そんな発想から、学年でのリフレクションを毎日入れてみました。
その結果、当時問題と考えていた学年内での子どもの行動、職員間の雰囲気、学年でみるという視点が、グッと変わったのです。
利害関係がないから書くことができる他者という視点も大事なのですが、それを校内で作れたらよりいいなぁって思うんです。学年内でリフレクションができたら、子どもたちの情報も共有されるし、自然と学年の子を見合う視点にもつながるし、後輩を育てるというボクの苦手なこともできるかと。。。
実際に、そんないい結果をもたらしてくれました。
チームでリフレクションする価値と手応えを感じた1年でした。
課題としては話しながらだと、書き残せないこと。ボクはノートを取ることで、出てくる新しい発想だけは書き留めておいて、あとはひたすら聴き役に。喋りながら考えをまとめるということが少しずつできるようになりました。
他者の振り返りに伴走してみて感じること
今年ご縁をいただき、夏以降、ボクが以前勤めていた市町村の若い先生の伴走をさせてもらえることになりました。毎日の振り返りを読ませたもらっています。
チームリフレクションでも、2年目の若手の先生から学ばせてもらうことが本当に多かったんです。
他者の視点って大事。
まーくん
5ヶ月目に入りますが、感じていることは次のことです。
- 返す問いに悩む
- 自分の振り返りがチューニングされる
- 教室の中がイメージできる
「問いに悩む」というのは、ボクのスキルの問題だと思っていて、ついつい考えを書いてしまうこともあって、もっと問いを返すべきだなぁと思っています。
「子どもは?先生は?」
そういう問いの形も大事にしていきたいのですが、文字ベースのやりとりだと、ストロークが長くなってしまう(書いてコメントして、書くだと時間的なラグが生じる)ことが多いので、このあたりに困っていますね。
あお
とはいえクラブハウスだと個人的なことすぎて…話すことでもないですし。
自分の振り返りがチューニングされるについては、いろんな発想を若い先生からいただいています。
特に今は学校じゃない現場にいるので、改めて外の視点から感じることを返しつつ、それは自分への振り返りにもなっているなぁって思うんです。
他者の振り返りを読む際に、常に
自分のクラスはどうだろう?
どんなことができて、どんなことができていないんだろう?
と必ず、自分のクラスや目の前の子どもたちを通じて読むことになります。
それ自体が振り返りを振り返ることになっていて、学びになっているんだと思います。
最後に、若い先生の振り返りの解像度が上がっていて、「教室の中がイメージできる」んです。
これはもう、書き方が上手くなっているんだろうなぁと。解像度が上がってきているのと、いろんな姿を毎日読み深めている中で、先生の達成感も困り感も伝わってきているので、詳細にイメージすることができます。
あお
1ヶ月に一度、対面やzoomで振り返る時間もとっているので、解像度については、今度聞いてみよう。
システム思考と振り返り・リフレクション
そしてそれに大きな影響を与えているのが、継続的に学んでいる、システム思考というツールです。
昨日も学習する学級2期のフォローアップ講座の中で、「推論のはしご」について学んでいました。
人はつい「推論のはしご」というのを上がってしまって、そのメンタルモデル自体が悪いんじゃなくて、そこに気づいた時に何ができるかっていうこと。
- 推論のはしごをかけあがっちゃう自分自身の思考のくせ
- クラスで起こっていることのシステムに目を向ける
- メンタルモデルに気づくために、対話する
そんなことをシステム思考の中で学び、リフレクションと繋がっているなぁというのは実感する日々。
ツールとしてというか考え方として学んでいくと、リフレクションの精度を高めてくれているのがわかるので、こういう考え方をインストールするのもおすすめです。
とはいえ、これは学ぶのが難しいので、みん職「学習する学級3期」も4月から開催予定です!
まーくん
あお
どさくさに紛れて、番宣…。
ヒミツキチ森学園でのリフレクション
最後に、今のリフレクションについて、現状、こんなことをやっているよ!というのを置いておきます。
- 個人でのリフレクションをランチや放課後の時間に書いて共有
- 放課後の時間や帰り道で対話しながらリフレクション
- ラーニングストーリーとして個人の成長にフォーカスした記録を親、メンバーと共有
- ラーニングストーリーの返信や定期的な振り返りで親目線のフィードバック
主にこの4つです。
個人でのリフレクションをランチや放課後の時間に書いて共有
個人では、ランチの時間や放課後の時間に20分ほど時間をいただいて書いています。
上條先生や、岩瀬先生の振り返りをもとに、シートを作って書いています。
1場面を選んだ理由
2具体的にエピソード記述
3その時の感情は?(自分とこども)
4私はどんな行動、判断をした?
5今改めてどんなことを考えたり(自分と子ども)、どう感じたりする?
6振り返りからの学び、気づき、モヤモヤ
7明日に生かせそうなこと
8次のアクションや補足
プラスの感情・ワクワク・ユーモアとアソビゴコロは足りていた?
学びのコントローラーは子どもたちにあった?
心と体の安全、子どもの自己選択・自己決定の尊重はベースにあった?
子どもの声を聞こうとしていた?
ヒミツキチ森学園は
- 子どもの頃の自分が通いたい学校か?
- 大人になった自分が先生として通いたい学校か?
- 我が子を通わせたい学校か?
こんな問いを毎日自分に投げかけながらです。
まず第一に、自分のアンテナが感じた部分は詳細に書き残しておこうと思っています。
それをメンバーへは社内のクローズドSNSで共有しています。ボクが書いた時点で学園に残っていないメンバーもいるので、そこへの共有のためです。
放課後の時間や帰り道で対話しながらリフレクション
書いたリフレクションを元に、帰り道メンバーを車で送りながら、リフレクションをしています。
この時間ってすごく大事で、ボクと同じ場面を見てくれているメンバーからの問いや気づきの共有はすごく学びになります。
あお
授業では自分以外にも必ず一人見ていてくれて、その振り返りがすごく学びに繋がっているんです。
学校現場では教室の中に一人だったので、あくまでチームリフレクションをしても情報が一方的に伝わってしまうこと、変わって伝わることがあったんですね。
それが今は、同じ場面に対して他者視点を持つことができていて、毎日学びになっています。
貴重すぎる時間です。
ラーニングストーリーを、親・メンバーと共有
Storyparkというアプリを通じて、毎週1回ずつ全員の個人ストーリーを送れるようにしています。
学園全体で見ている子どもたちの成長や、自分のどまんなかで生きる姿を、写真やグループリーダーの記録を通じて親に伝えるためです。
いろんな形を試行錯誤しながら、今の形に落ち着いていて、そのストーリーは学園にも掲示したり、子どもたちの姿として朝のサークルで話すことによって、子どもに共有されるようになっています。
個人の記録なので自分の親しか見れませんが、こうやって学園内で読むこと、掲示することで柔らかく広がっていく感じです。
そこでのコメントから、ボクらも常にフィードバックをもらっていて、子どもの姿を知ることにつながりますし、学期末のヒミツキチレターの材料にもなっています。
あお
リフレクションに親目線が加わることで、振り返りはさらに磨かれていくのだと思っています。
これを書くのは家に帰ってからです。帰りの車の中で、音声メモしつつ、家に帰ってから整える感じですね。
最近、CLUBHOUSEで、この音声メモ、滞ってない?
まーくん
あお
うぅ。。。
定期的な振り返りで親目線のフィードバック
さらに2週目は任意で、4週目は必ず親目線のフィードバックをいただいています。
毎回長文で書いてくれるので、深く考えさせられることが多いのです。ぼくもそこからのメモをノートにぎっしりとっています。
ご意見をもらうこともあり、なるほどなぁと振り返ります。
個人で先生同士でのリフレクションの中に、こういう親目線のフィードバックが混ざっていくことで、また視野が広がり、子どもを見る自分のフィルターが変わり、そういったことの日々の繰り返しが、先生の学びを作っていく…。
あお
この循環がありがたく学びに繋がっている日々です。
他者の目を入れることが、振り返りの絶対条件
長文、書いてきました。
リフレクションに関しては、まだまだ学ぶことが多いと感じつつも、試行錯誤しながら取り組んでいるところです。
他者の視点やフィードバックが混ざることで、より深まり、自分よがりにならないリフレクションになっていくのではないでしょうか?
とはいえ、自分のやれることは限られるので、今ヒミツキチでやっているように、リフレクションの二次活用、三次活用ということは考えていかなくてはいけません。さらに音声メモと組み合わせるなど、ツールを使って限られた時間を有効に使うのも、試行錯誤中です。
やろうと思えば、いくらでもやってしまう…悪いくせだね(笑)
まーくん
大きな価値をリフレクションに感じているので、毎日いろんなことを続けられるのだと思います。
またさらに学園がより豊かになり、自分自身が先生としても成長するためのリフレクションの方法を考え、取り組んでいきたいと思います。
もし、伴走等のご相談があれば、メール等でおっしゃってください。
力になれるように頑張ります!
あお
それでは今日も良い一日を!