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教員・先生の学びにつながる振り返り・リフレクションの書き方と方法

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あお

あお

あお先生です。よろしくお願いします!

「あおやまーくん」です。3年目に担任した女の子がキャラクターとして作ってくれました!

まーくん

まーくん

3冊目の著書、重版決定!

ASJ ラーニングキャプテンアカデミー開講

あお先生

あお先生

ヒミツキチ森学園の先生

プロフィールにもあるように新しい働き方、在り方を提案する先生|一般社団法人PLAYFUL|ヒミツキチ森学園グループリーダー|元公立小学校教諭、15年勤務全学年経験|振り返り・ライティングスキルなど1on1 の実績多数|「先生が知っておきたい仕事のデザイン」出版。雑誌・書籍への寄稿等執筆多数

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おはようございます。ヒミツキチ森学園のあおです。

今日は教員・先生側の振り返りについて書きたいと思います。

読んでほしい!
  • 先生として1日をどう振り返っていいのかわからない。
  • 振り返りの仕方について悩んでいる。
  • 自分や他者とできる振り返りの仕方を探している。

この記事を読むことで、振り返りの仕方がわかることを目指していきます。

あお

あお

がんばります!

先生の振り返り、「エピソード記述」の取り方

先生の振り返り、「エピソード記述」の取り方

基本となっているのは、教えていただいた東北福祉大学上條 晴夫先生が考案したものです。

あお

あお

ボクなりのアレンジも加わり、上條先生の方法とずれていたら、ごめんなさい。

  1. エピソード‥いくつか挙げて、その中からno1を決める
  2. 背景…その説明に必要な背景を考える
  3. 考察…どうしてそれにビビッときたのかを考察する(本質的諸相への気づき)
  4. 転用…日常の中にそれをたくさん生み出すにはどうするか考える。

書くときは1と2を逆さまにして背景から書いていきます。

あお

あお

これに沿って、4月7日の「ナンバー1エピソード」の振り返りを書いてみました。

1 背景

リレー選手の選考を行った。各クラス2名ずつ選出。
ここは気を使うんですよ。子どもにとって大切なリレー選手決めだから、公平に決めなくてはいけません。
何度も学年で話し合って、時間との相談の元、選出方法を決めました。

簡単にいうと、

  • 50m全員記録を取る。(体力テストのため)
  • 上位2名は、決勝レースに自動選出。
  • 他に希望者が100mを走り、上位2名は、決勝レースに出ることができる。
  • 4名で100mを走り、上位2位がリレー選手、3位が補欠。

2 エピソード

走り終わったあとの、リレーの選手の誇らしげな表情。それをたたえるみんなの拍手。
みんなの信頼があるからかな。納得した、力強い表情に見えた。激しい激戦を勝ち上がってきたからかもしれない。

お互いに根っこで信頼しあっているという関係性、それが見て取れた。そこを大切にしていきたいし、他の二人の先生もそのことを認めて、褒め称えていた。

どのクラスの子も、決戦レースで上がってきた4人が最高の走りを見せてくれたことが嬉しかった。
50メートルの記録で4番目の子がリレー選手を勝ち取る予想外の驚きや、転入生のリレー選手選出もあった。

3 考察

グッとくる感動があったから。不満がなく、お互いを讃え合う姿にスポーツマンらしさを感じた。このスポーツマンシップに、自分は興味があるのかもしれない。
体育の授業の中でも、この正々堂々とした勝負、真剣な表情の一瞬。そういったところに素晴らしさを感じる。
日常の体育にどう活かすか、これをたくさん生み出すには。。。
楽しいだけじゃダメ。真剣さがほしい。ボクはおそらくリレー担当なので、リレーだったら、最後まで真剣に走ることの大切さだ。

運動会では、ビーイングを取り入れたり、振り返りの時間を多くしたり、ただ走るだけではない部分をどう取り入れていくか。

またそれを若い先生にどう伝えていくか。

真剣さを生み出すため、スポーツマンシップを生み出すため…いかに工夫してくか。その競技の真髄を考えるか。そういう意味で、体育というよりスポーツを研究していきたい。

これ、振り返りになっている?

まーくん

まーくん

あお

あお

実は、かなり甘いなぁって。そしてブログだから、詳細な個のエピソードが載せられないのも残念。

2020年に振り返ること

スポーツというのはつながりがあってこそ成り立つもので、そうした上での勝負に深い感動を覚えている。決して一人で成り立つものではない。

「つながりがある中で行われる競走」には価値があるのかもしれない。共創も価値があるけれど、純粋にスポーツに取り組んできた身としては、競走自身の価値も探りたい。

体育は学級経営が出る。普段のクラスでどの程度のつながりや深い相互信頼があるかで、体育の場が全く変わるからだ。この学年には元々、その相互信頼が備わっていた。

じゃ、それを生み出していたのは何?

きっと低学年の先生たち。

次のアクションとしては、

  • 低学年を担当していた先生たちに大切にしてきたことを聞いてみる
  • 日常的に教室に生み出していくにはどうしたらいいか考える

2つめはこの学年を受け持つ上であお先生のテーマになったね!

まーくん

まーくん

あお

あお

実際に振り返りが行動につながっていたと思う!

上條先生の言葉を元に「振り返り」を考察する

上條先生の言葉を元に「振り返り」を考察する

10年ほど前、年間に何度か東北福祉大学の上條先生にお話をうかがいながら、オンラインで仲間二人とリフレクションを続けてきました。

そんな走り続けてきたリフレクションを読み合う価値について、上條先生と仲間と最後に振り返った時に感じたことをメモに残していました。

他者の視点によって立体的に自分を見る

これは自分が一番考えていたこと。

自分一人だと、振り返りをしていても点と点をつなぐ作業。深く掘っていっても平面で終わっているイメージがあります。

ここに他者の視点が入ってくると、

これってどういうこと?

つまりはこうなんだよね?

といったフィードバックが入ってきます。

また、仲間の振り返りを読むうちに、理解できていなかった点や、忘れていた大事にすることの感覚が自分の中に入ってきます。

また一つ自分の考え方が平面から立体へとふくらむようなイメージを持つことができたんです。

一つそういう視点が加わることで、自分自身や自分の行為が立体的に拡がっていく…これがボクにとってすごく大きかった。

もちろんそれが教室で生かされるからです。

いいところを見つけるのは解消法

仲間の言葉

「ポジティブなところに目が行ったのはいいけれど、やっぱりネガティブというか問題そのものにアプローチしていきたいんですよね。。。」

それに対して上條先生は、

ネガティブなところを全く見ないんじゃなくて、両方見た上で、アプローチするべきはポジティブな方」という話をしていました。

当時読んでたこの本を重なるね!

まーくん

まーくん

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 たとえる なら、「 ケガ や 病気 を どう( H o w) 治す か」 は、 解決 アプローチ。 「なぜ( Why) ケガ や 病気 が 発生 する のか」 を 考える のが、 解消 アプローチ です。   トラブル が 起き た とき、 対処 の 手法 ばかりに こだわる と、「 解決」 は でき ても「 解消」 には 至り ませ ん。 その 結果、 また 同様 な トラブル が 起きる こと も。  問題 の 根本 を 洗い出し、 それ を チーム が 共有 する だけでも、問題 の「 解消」 に つながり ます。 その 上 で 解決 に 向け ての「 H o w」 を 話し合え ば、 メンバー の みんな が 納得 できる、 ベスト な アイデア が 生まれる でしょ う。

長尾 彰. 宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。 (Kindle の位置No.591-592). 株式会社 学研プラス. Kindle 版.

「エピソード記述によるリフレクション」はまさにポジティブから探っていく解消アプローチなんだろうと思いました。問題自体をいくらほじくり返しても、大きな解消にはならない。その背景にあるもの、そこにポジティブなことに向き合うことで、問題を「解消」することができる。

そもそも、自分が願っていること=ビジョンにどう向き合うかをボクらは忘れがちになります。問題解決ばかりすることを先生の技量だと思っている人もいるぐらい…

それじゃ教育は良くならないよね。。。

まーくん

まーくん

ネガティブに目をつぶるのではなく、両方見た上で、問題を解消できる方法をポジティブから探る…それはただのポジティブシンキングとは違うだろうなぁと。

さらに、創造的思考性というのが非常に大切な考え方で、問題解決に目を向けていても問題が解消して終わってしまう。元通りに戻るのがゴールになってしまう。そうじゃなくて、望む姿をデザインすることで、問題も問題ではなくなっていく…

自分の創造的思考のスイッチを入れるための、ポジティブへの注目なんだ!と今ではわかります。

仲間と読み合って続けていくことの価値を、当時の自分はこのように捉えています。

  1. 振り返りの時間を意図的に作れること
  2. 互いの振り返りを読むと、大切にしたいものが明確になり、それについて考える機会が得られること
  3. 一等賞を探す視点が得られること

振り返り・リフレクションの時間を意図的に作れること

これをやる前は、なかなか振り返りの時間がつくれず翌朝に持ち越しになっていました。

読み合うようになってからは、子どもを下校させて、すぐに書けるようになってきました。教室で今日やったことをじっくりと振り返り書くこと。やはりすぐが一番記憶が残っていることを再確認できました。

今はiPhoneの音声入力で書いています。これとAirPodsの組み合わせは最強です。

あお

あお

ブツブツ言っているとおかしく思われるため、今はまたキーボードに戻しています(笑)

互いの振り返りを読むと、大切にしたいものが明確になる

これが大きい効果かかなと思います。

要するに、人は大切なことを色々と忘れているんですよ

仲間のを読むと、「サークルで集まる意義やその効果」を思い出せたり、「ワークショップ型で授業するときにミニレッスンで大切にしたいこと」を思い出せたりする。

一度学んだことを書き留めてはいるのですが、人間忘れてしまうもの。

他者の視点というのはものすごく大切で、そういったものを思い出させてくれるトリガーになるということが挙げられます。

一等賞を探す視点を得られること

これもボクにとっては大きいのですが、見つけようとフィルターをかけた視点を持つことができること。つまり、子どもの良さや良い状況を再現しようという視点を持つことができるんです。

一等賞はプラスの出来事であることが一番!それを毎日得るためにはどのような心の状況であるのか…そこを問い直すことができるのです。

最近、忘れがちな視点だね!これからも持っておきたい。

まーくん

まーくん

個人でのリフレクションをペア・チームへ拡げる

個人でのリフレクションをペア・チームへ拡げる

さて、ここからは5年前のことへと繋がっていきます。

個人でのリフレクションは今も書き続けています。

公立小学校での最後の年は、

あお

あお

一人でやり続けているリフレクション、この時間を学年の仲間と共有できたら、どんなことが起こるだろうか?

そんな発想から、学年でのリフレクションを毎日入れてみました。

その結果、当時問題と考えていた学年内での子どもの行動、職員間の雰囲気、学年でみるという視点が、グッと変わったのです

利害関係がないから書くことができる他者という視点も大事なのですが、それを校内で作れたらよりいいなぁって思うんです

学年内でリフレクションができたら、子どもたちの情報も共有されるし、自然と学年の子を見合う視点にもつながるし、後輩を育てるというボクの苦手なこともできるかと。。。

実際に、そんないい結果をもたらしてくれました。

チームでリフレクションする価値と手応えを感じた1年でした。

課題としては話しながらだと、書き残せないこと。ボクはノートを取ることで、出てくる新しい発想だけは書き留めておいて、あとはひたすら聴き役に。喋りながら考えをまとめるということが少しずつできるようになりました。

現在のあおのリフレクションの方法「振り返り対話」

現在のあおのリフレクションの方法「振り返り対話」

最後に、今のリフレクションについて、現状、こんなことをやっているよ!というのを置いておきます。

  • 個人でのリフレクションを音声で入力する
  • 振り返りをVoicyで話したり、翌朝ジャーナリングして深く振り返る
  • ラーニングストーリーとして個人の成長にフォーカスした記録を親、メンバーと共有

主にこの3つです。

個人でのリフレクションを音声で入力する

個人では音声による入力で振り返りをしています。

上條先生や、岩瀬先生の振り返りをもとに、シートを作って書いています。

  1. 場面を選んだ理由
  2. 具体的にエピソード記述
  3. その時の感情は?(自分とこども)
  4. 私はどんな行動、判断をした?
  5. 今改めてどんなことを考えたり(自分と子ども)、どう感じたりする?
  6. 振り返りからの学び、気づき、モヤモヤ
  7. 明日に生かせそうなこと
  8. 次のアクションや補足
あお

あお

2025年度現在は、こちらは別の問いを使っています。詳細は、一番下にある案内に!

まず第一に、自分のアンテナが動いた・感じた部分は詳細に書き残しておこうと思っています

振り返りをVoicyで話したり、翌朝ジャーナリングして深く振り返る

話したリフレクションを元に、翌朝、ジャーナリングでじっくりと振り返ります。

振り返りの後の対話するフェーズですが、この時の対話の相手は、

  • 自分以外の誰か
  • 本や信頼できる情報
  • 自分自身

振り返ったことを対話する時間がすごく大事になってきます。

学校現場では教室の中に一人だったので、あくまでチームリフレクションをしても情報が一方的に伝わってしまうこと、変わって伝わることがあったんですね。

それが今は、同じ場面に対して他者視点を持つことができていて、毎日学びになっています

こういったことを合わせて、自分自身とじっくり対話していきます。

ラーニングストーリーを、親・メンバーと共有

Storyparkというアプリを通じて、毎週1回ずつ全員の個人ストーリーを送れるようにしています。

学園全体で見ている子どもたちの成長や、自分のどまんなかで生きる姿を、写真やグループリーダーの記録を通じて親に伝えるためです

いろんな形を試行錯誤しながら、今の形に落ち着いていて、そのストーリーは学園にも掲示したり、子どもたちの姿として朝のサークルで話すことによって、子どもに共有されるようになっています。

個人の記録なので自分の親しか見れませんが、こうやって学園内で読むこと、掲示することで柔らかく広がっていく感じです。

そこでのコメントから、ボクらも常にフィードバックをもらっていて、子どもの姿を知ることにつながりますし、学期末のヒミツキチレターの材料にもなっています。

あお

あお

リフレクションに親目線が加わることで、振り返りはさらに磨かれていくのだと思っています。

これを書くのは家に帰ってからです。帰りの車の中で、音声メモしつつ、家に帰ってから整える感じですね。

他者の目を入れることが、振り返りの絶対条件

他者の目を入れることが、振り返りの絶対条件

長文、書いてきました。

リフレクションに関しては、まだまだ学ぶことが多いと感じつつも、試行錯誤しながら取り組んでいるところです。

他者の視点やフィードバックが混ざることで、より深まり、自分よがりにならないリフレクションになっていくのではないでしょうか

とはいえ、自分のやれることは限られるので、今ヒミツキチでやっているように、リフレクションの二次活用、三次活用ということは考えていかなくてはいけません。さらに音声メモと組み合わせるなど、ツールを使って限られた時間を有効に使うのも、試行錯誤中です。

やろうと思えば、いくらでもやってしまう…悪いくせだね(笑)

まーくん

まーくん

大きな価値をリフレクションに感じているので、毎日いろんなことを続けられるのだと思います。

またさらに学園がより豊かになり、自分自身が先生としても成長するためのリフレクションの方法を考え、取り組んでいきたいと思います。

そんなこと可能なの?一人で?

まーくん

まーくん

あお

あお

もう少し詳しく知りたい方、自分一人でリフレクションを続けるのが難しい方は、こんなサービスもあります。

または、FacebookやInstagramでDMください。お待ちしております。

こちら、述べ20人以上の振り返りに伴走してきました。よかったら、ご相談ください。

あお

あお

それでは今日も良い一日を!

「どうして振り返りをするのか」はこちらへ!

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