おはようございます。今日もせっせと4時に起きて、ラグビー日本代表を応援するヒミツキチ森学園のあおです。
今日は、「先生・教師のリフレクション(振り返り)」について、今感じていることを書きたいと思います。
- リフレクション(振り返り)って何?やっていない方
- リフレクション(振り返り)の手法・方法を知りたい
- リフレクション(振り返り)を一人じゃなくてやる方法を知りたい
リフレクションは、先生や教員に絶対に必要な技術です。
しかし、その方法ややり方が曖昧な点、実感として次の日に生かされていない点で、手応えを感じていない人が多いのではないでしょうか。
やり方も様々にあっていいと思うのですが、効果的な方法を毎日毎日、積み重ねていくことで、先生の成長は加速していきます。
そんなに効果があるんだー!!
まーくん
あお
子どもに振り返りをさせながら、やっていないそこのあなた、ぜひトライしてみてくださいね!
この記事では、先生がどうリフレクションをするか、どう続けていくかのヒントをお伝えいたします。
早速いってみましょう!
あるオルタナティブスクールでの振り返りの取り組みはこちら!
目次
リフレクションに他者の視点は絶対に必要
リフレクションは基本的には自分でするものですが、他者の視点は絶対に必要です。
一人ひとりみている事実は同じであったとしても、見方は違うのです。これを「マインドセット」や「メンタル・モデル」と呼んだりして、個人それぞれが別のフィルターを通して物事を見ています。
あなたは自分のフィルターを通して物事を見ています。ボクもそう。
チームでリフレクションをすることで、他者のフィルターに気付き、自分のフィルターを変えることにつながります。
今日はそのための方法を「チームリフレクション」を中心として説明していきたいと思いますが、まずはリフレクションの基本的なことをおさらいです。
振り返りの方法① エピソード記述
ボク自身は、東北福祉大の上條先生とともに1年ほどリフレクションを学ばせてもらいました。毎日、仲間とチームを組み、振り返りを読みあいます。
この考えはユヒレヒト大学のコルトハーヘンの学びが元になっています。
あお
なんじゃ、この価格!?
詳細なエピソードの中に、本質的諸相を見出すエピソード記述は、後から読み返しても様々な気づきがありました。読んだことない方は、ぜひオススメします。
あお
しかしながら、問題点は、「教師教育学」を読んだだけではわからないということです。
振り返りの方法② 岩瀬先生の振り返りの書き方
そこで、こちらの本です。
軽井沢風越学園校長の岩瀬さんと、大日向小学校に関わる中川綾さんが、以前の本を改訂で書かれた本ですが、非常に読み応えがあって、エピソードで書いていくことの実際がよくわかります。
ボクもこの本からのリフレクションを続けながら、最近では最後の部分だけアレンジした振り返りを毎日書くことを基本としています。
- 場面を選んだ理由
- 具体的にエピソード記述
- その時の感情は?(自分とこども)
- 私はどんな行動、判断をした?
- 今改めてどんなことを考えたり(自分と子ども)、どう感じたりする?
- 振り返りからの学び、気づき、モヤモヤ
- 明日に生かせそうなこと
- 次のアクションや補足
それだけではなく、リフレクションの時に持っておきたい問いとして、次のことをそばに置いています。
- プラスの感情・ワクワク・ユーモアとアソビゴコロは足りていた?
- 学びのコントローラーは子どもたちにあった?
- 心と体の安全、子どもの自己選択・自己決定の尊重がベースにあった?
- 子どもの声を聞こうとしていた?
ヒミツキチ森学園は
- 子どもの頃の自分が通いたい学校か?
- 大人になった自分が先生として通いたい学校か?
- 我が子を通わせたい学校か?
リフレクションのシートをもとに、パソコンのソフトを使って書いています。
リフレクションを読んでもらう?一緒にする?
リフレクションを一人でやっていると、考え方が広がらず、同じところを堂々巡りする可能性があります。ボクもそれを感じた時は、2つの方法をとっていました。
- リフレクションの方法を変える
- リフレクションをチームで行う
「方法を変える」でいうと、シンプルなエピソード記述に戻してみたり、座席表を使ってみんなのいいところを書き込むようにしたり‥
もちろん全部をやれたらいいのですが、先生の時間は限られていますよね。限られている中でどうやるかが、工夫しがいがあるのです。
さらには、チームで行うことで、価値はぐんと上がっていきます。
こんなサービスがあって、実はボクも、何人かの若い先生のリフレクションを毎日読ませてもらっています。
他者に読んでもらって、問いをもらう、コメントをもらう、意見をもらうってのは、非常に有意義なことです。
でも遠くの他者にお願いするよりも、一緒に働く仲間とそれがやれること‥これが一番だということを忘れてはいけません。
あお
ボクもいまだに数名のリフレクションを毎月伴走させてもらっています。
学年というチームで毎日続けたリフレクション
そこで、2019年度、教員15年目の年は、学年でリフレクションに挑戦してみました。
隣のクラスの先生たちとリフレクションしたんだね!
まーくん
あお
はい!めちゃくちゃ効果がありましたー!
昨年、この時の学年メンバーが、ヒミツキチ森学園に見学に来てくれました。その話題でも、「チームリフレクション」が出てきました。毎日繰り返したことの効果やその価値を熱く語ってくれたんですね。
実は、ボクが退職する茶話会の時にも二人はリフレクションについて熱く語ってくれていて、本当にやってよかったし、価値があったんだなぁと実感しています。
全国に強く広まってほしい!というほど、効果があったので、こちらに紹介します。
学年でのチームリフレクションのやり方
詳しくはこちらの記事をお読みください!
ここでは、よく聞かれた質問をまとめておきます。
Q
本当に毎日続けるのですか?
A
基本的に毎日です。出張日や面談期間など、難しい時はのぞきます。無理をしないことと、常にやろうとすることのバランスが大事ですね。
Q
時間をどうやって作るのですか?
A
当時は2年生なので5時間授業だったことが大きいと思います。6時間フルにある場合も休憩時間が45分設定されているはずなので、そのうちの20分を使います。下校時に素早く帰すなどの工夫をすれば、できないことじゃないです。あと、これを続けると逆説的ですが、時間が生み出せます。
Q
一緒にやりたい‥でも断れそうで怖いのですが?
A
まずは1ヶ月やってみませんか?と提案してはいかがでしょうか。ボクも最初は自分から率先して「やりましょう!」と声をかけていました。しかし後半は「あおさんやりましょう!」と言ってもらえるようになりました。価値を感じると人は動きます。やったことがないことには誰しもが懐疑的なんです。
「1ヶ月やってみて、しっくり来なかったら辞めましょう」はいい提案だと思います。
学年でのチームリフレクション メリットとデメリット
ここでは、メリットとデメリットを整理します。
- 毎日の時間を使いつづける
- 実際にその場面を見ていない
- 学年の仲が深まり、対話がしやすく相乗効果が生まれる
- 話題に置きづらい些細なことでも場があると話しやすい
- 学年の子をみんなで見る感覚が生まれる
書いてみたのですがデメリットが思いつきません。
1年やってみると、その価値しか感じないのです。
毎日の時間を使い続けますが、実は時間を生み出すことにもつながっています。
単純に、学年研で「子どもの実態」をまとめて共有する時間が減りました。
「え、そん時言ってよー!」
みたいなこともなくなります。
そして学年同士の対話が増えること、仲が深まり互いの欠点を補い合いチームとして動くことで、学年全体に時間が生まれます。
それぐらい力を入れていいことなんです。時間を生み出せることなんです。
デメリットの2つ目については、見ていないからこそやることに価値があるのですが、これは今のヒミツキチ森学園での振り返り方法に生かされています。
その時間がないんじゃない、先生たちには。。。
まーくん
あお
このリフレクションに時間をかけることで、結果的に時間が生まれるんです。そこに気づけたら、大きいのですが。。
目先じゃなくて、本質に目を向けたいなぁといつも思います。
ヒミツキチメンバーとのチームリフレクション
ボクは今、ヒミツキチ森学園というオルタナティブスクールで先生をしています。
その中でもチームリフレクションをしているので、ご紹介します。
試行錯誤中のチームリフレクションのやり方
最初に、放課後に向き合って話し合うという方法を取りました。
教員時代はいつも教室に一人でしたが、ここではボクが担任(グループリーダー)という立場ですが、一人で教室を見るのではなく、必ず複数で見ています。
だから同じ場面を複数の目で見ている上でリフレクションをもらうことができます。
あお
この価値が大変素晴らしく、ボクにない視点をいつももらっていました。
オンラインでの授業開始でもその後に濃密なリフレクションの時間がありました。他者の視点をもらうことで、一人の子に対する見方が広がり、自分のマインドセットをも変わっていきます。
チームで振り返ることの価値をすごく感じたんだね!
まーくん
1つの場面を複数の目で見ることは本当に価値があります。
いつもリフレクションは時間との勝負である!
しかしながら、じっくりやってしまうと、放課後の時間を全部(15時半〜17時)使ってしまうこともありました。それぐらい尽きなかったので。。。
2学期からはちょっとやり方を変えてみました。
ボク自身が個人でやるエピソード記述の時間をもらいながら、駅までの移動時間も含めてリフレクションをするようになりました。
ボク自身も学園のことは学園で全て終わらす!を基本としているので、次の日の用意も教材の準備などもできた上でリフレクションができるようになり、大変助かっています。
その場にいなかったメンバーについては、1月からは振り返りを学園内のツールで共有するようになりました。
この方法はまだ試行錯誤中ですが、チームでリフレクションする価値を高められるように、前段階の時間の使い方を意識しています。
「何話そうか?」
ではなく、最初から焦点を絞ってリフレクションができるようにしたいのです。
あお
試行錯誤を許してくれるメンバーに感謝です!
「複数の目で教室を見る」がスタンダードになってほしい
複数の目で教室を見ること、振り返ることは多くのメリットがあります。
- クラスの状況を他の誰かに知ってもらえる
- 自分では気付かない子どもたちの良さがわかる
- アンガーマネジメントなど、危機管理につながる
一人で見なくちゃいかなくて先生が潰れてしまうこと、多々あると思うんです。
教科担任制だったり、子ども対応の専任を置くことももちろんありがたいのですが、基本的には人が増えないと苦しいですよね。
現場では本当に多大な努力をされているので、学校現場こそ人が増えるべきだと思うのです。
個人の先生に魅力を発信させる前に、やるべきことはたくさんあると思います。
2023年現在のリフレクション
さて、2023年現在のリフレクションについて、この見出しで語りたいと思います。
こちらは、個人でのリフレクション×間接的なチームリフレクションが現在地です。
個人でのリフレクション
ボク個人のリフレクションの仕方として、
- 帰りの車内で音声でリフレクション
- 翌日の朝、ノートにリフレクション
この流れで行っています。
あお
音声でのリフレクションの仕方などは、問い合せください。
これによって、毎日の記録をすることができます。そして、そこからリフレッシュしている翌朝に再度振り返ることで、冷静な頭で解決策を考えることができます。
さらには、学園全体が良くなることを大事にできています。
翌日には振り返ったことから、執筆や音声配信が生まれているんだね。
まーくん
チームでの間接的なリフレクション
ボクはグループリーダー(担任)という立場なので、もちろんグループリーダー感での振り返りの共有は行います。
あお
帰りの車の中で送りながらやることも多いです。
そしてそれ以上に間接的な振り返りの共有になっているのが、storyparkでのラーニングストーリーです。
ラーニングストーリーとは、子どもの学び・育ちを先生目線で書く個別のストーリーのことです。
あお
ヒミツキチ森学園では子どもそれぞれに2週間に1回は、このラーニングストーリーが送られるようにしています。
一人ひとりの濃厚な学級通信というイメージでしょうか。
決して長くない文章ですが、それぞれの育ちにフォーカスを当てて、保護者とやりとりもしています。
このラーニングストーリーは、グループリーダー一人一人が書くのですが、これを他のメンバーが読むことが価値があるのです。
他者の振り返りの眼差しを読むことで、
- 他のグループリーダーが何を考え、どう育ちを見ているかまなざしが共有される
- 自分にない視点を学ぶことができる
- 学園全体の子どもたちを見ていく視点を養う
などなど良いとこづくめです。
間接的に見るということは、働き方にも良い影響があります。
あお
直接にこだわりすぎると時間だけが過ぎていくんですね。
こうやって直接と間接の両方で、チームでの振り返りを深めています。
先生・教師のリフレクションまとめ
話がそれました。今日のまとめです。
- リフレクションには、他者の視点が必要。
- 一緒に働く人で毎日続けることで価値が生まれる。
- 1つの場面を複数で見ると、さらにその価値が広がる。
個人でのリフレクションもチームでのリフレクションも両方大事です。でも、チームでリフレクションをすることは、関係性を構築したり、より深く子どもを理解したり、たくさんのメリットがあります。
いま、できることからスタートしていきませんか?
きっと最適なチームでのリフレクションの方法が見つかるはずです。
あお
それでは今日も良い一日を!
リフレクションを習慣化するまで伴走しています!
振り返りについては、詳しくこちらに書きました!
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