おはようございます。
ヒミツキチ森学園のあおです。
今日は、「先生・教師のリフレクション(振り返り)」について、今感じていることを書きたいと思います。
- リフレクション(振り返り)って何?やっていない方
- リフレクション(振り返り)の手法・方法を知りたい
- リフレクション(振り返り)を一人じゃなくてやる方法を知りたい
リフレクションは、先生や教員に絶対に必要な技術です。
でも、どうして必要なのかが語られていないため、なかなかやる価値を見出せない人が多いのだと思います。
しかし、その方法ややり方が曖昧な点、実感として次の日に生かされていない点で、手応えを感じていない人が多いのではないでしょうか。
やり方も様々にあっていいと思うのですが、効果的な方法を毎日毎日、積み重ねていくことで、先生の成長は加速していきます。
そんなに効果があるんだー!!

まーくん

あお
子どもに振り返りをさせながら、やっていないそこのあなた、ぜひトライしてみてくださいね!
15年以上振り返りを毎日続けていながら、先生の振り返りの伴走も行わせていただいているボクが解説させていただきます。
この記事では、先生がどうしてリフレクションをすることが必要か、どう続けていくかのヒントをお伝えいたします。
早速いってみましょう!
目次
なぜ先生に、振り返りが必要なのですか?

毎日振り返れないとしても、週に1回、少なくても月に1回は、先生が自分自身を振り返る機会は作るべきです。それが40代、50代になった時に、効いてきます。
ただ、どうやって振り返ればいいか、一人でやるのはなぜ限界なのかについてはあまり語られていません。
ユヒレヒト大学のコルトハーヘン教授のALACTモデルが詳しいです。
この「本質的な諸相への気づき」について、ボクは長年考えてきました。
これを「1番の気づきを見つけること」だと表現した方もいます。「本質に気づくことだよ」とそのまんまで、表現された方もいます。
ボクは、長年考え続けてきて、本質的な諸相への気づきを促すには、「振り返りの中に他者を入れる」ことだと結論づけました。
- 他の人からその状況はどう見えているか、どう考えるのか
- 書籍(理論)と目の前の現実とを合わせてみると何が生まれるか
- 過去の自分と今の自分を繋げてみると何が見えるか
そう、振り返りのサイクルの中に「他者」を組み込むことで、堂々巡りになりがちな思考は回避できるのです。
ボク自身10年以上、先生としての振り返りを続けています。「他者を入れる」時の「他者」には2つのポイントがあります。
1つは、同じ景色を見ていること。もう1つは、経験や視座に差があること。
同じ職場の、同じ学年で振り返りができればいいのですが、なかなかそれを許さないこともあるでしょう。
そんな時は、外部の人にお願いすることもあるかと思うのですが、ここで大事になってくる条件が、もう一つの「経験や視座の違い」です。
一緒に振り返りを始められる人は大抵、自分と仲が良かったり、同期だったり…同じような経験をしている先生たちです。でもそれだと、思考が似通い、振り返りが深まっていかないのです。まさに堂々巡り。
だから「自分とは違う経験をしている人」との振り返りが有効になります。
リフレクションに他者の視点は絶対に必要

リフレクションは基本的には自分でするものですが、他者の視点は絶対に必要です。
一人ひとりみている事実は同じであったとしても、見方は違うのです。これを「マインドセット」や「メンタル・モデル」と呼んだりして、個人それぞれが別のフィルターを通して物事を見ています。
あなたは自分のフィルターを通して物事を見ています。ボクもそう。
チームでリフレクションをすることで、他者のフィルターに気付き、自分のフィルターを変えることにつながります。
リフレクションを読んでもらう?一緒にする?
リフレクションを一人でやっていると、考え方が広がらず、同じところを堂々巡りする可能性があります。ボクもそれを感じた時は、2つの方法をとっていました。
- リフレクションの方法を変える
- リフレクションをチームで行う
「方法を変える」でいうと、シンプルなエピソード記述に戻してみたり、座席表を使ってみんなのいいところを書き込むようにしたり‥
もちろん全部をやれたらいいのですが、先生の時間は限られていますよね。限られている中でどうやるかが、工夫しがいがあるのです。
さらには、チームで行うことで、価値はぐんと上がっていきます。
他者に読んでもらって、問いをもらう、コメントをもらう、意見をもらうってのは、非常に有意義なことです。
でも遠くの他者にお願いするよりも、一緒に働く仲間とそれがやれること‥これが一番だということを忘れてはいけません。
学年というチームで毎日続けたリフレクション

そこで、2019年度、教員15年目の年は、学年でリフレクションに挑戦してみました。
隣のクラスの先生たちとリフレクションしたんだね!

まーくん

あお
はい!めちゃくちゃ効果がありましたー!
昨年、この時の学年メンバーが、ヒミツキチ森学園に見学に来てくれました。その話題でも、「チームリフレクション」が出てきました。毎日繰り返したことの効果やその価値を熱く語ってくれたんですね。
実は、ボクが退職する茶話会の時にも二人はリフレクションについて熱く語ってくれていて、本当にやってよかったし、価値があったんだなぁと実感しています。
全国に強く広まってほしい!というほど、効果があったので、こちらに紹介します。
学年でのチームリフレクションのやり方
詳しくはこちらの記事をお読みください!
ここでは、よく聞かれた質問をまとめておきます。
Q
本当に毎日続けるのですか?
A
基本的に毎日です。出張日や面談期間など、難しい時はのぞきます。無理をしないことと、常にやろうとすることのバランスが大事ですね。
Q
時間をどうやって作るのですか?
A
当時は2年生なので5時間授業だったことが大きいと思います。6時間フルにある場合も休憩時間が45分設定されているはずなので、そのうちの20分を使います。下校時に素早く帰すなどの工夫をすれば、できないことじゃないです。あと、これを続けると逆説的ですが、時間が生み出せます。
Q
一緒にやりたい‥でも断れそうで怖いのですが?
A
まずは1ヶ月やってみませんか?と提案してはいかがでしょうか。ボクも最初は自分から率先して「やりましょう!」と声をかけていました。しかし後半は「あおさんやりましょう!」と言ってもらえるようになりました。価値を感じると人は動きます。やったことがないことには誰しもが懐疑的なんです。
「1ヶ月やってみて、しっくり来なかったら辞めましょう」はいい提案だと思います。
学年でのチームリフレクション メリットとデメリット
ここでは、メリットとデメリットを整理します。
- 毎日の時間を使いつづける
- 実際にその場面を見ていない
- 学年の仲が深まり、対話がしやすく相乗効果が生まれる
- 話題に置きづらい些細なことでも場があると話しやすい
- 学年の子をみんなで見る感覚が生まれる
書いてみたのですがデメリットが思いつきません。
1年やってみると、その価値しか感じないのです。
毎日の時間を使い続けますが、実は時間を生み出すことにもつながっています。
単純に、学年研で「子どもの実態」をまとめて共有する時間が減りました。
「え、そん時言ってよー!」
みたいなこともなくなります。
そして学年同士の対話が増えること、仲が深まり互いの欠点を補い合いチームとして動くことで、学年全体に時間が生まれます。
それぐらい力を入れていいことなんです。時間を生み出せることなんです。
デメリットの2つ目については、見ていないからこそやることに価値があるのですが、これは今のヒミツキチ森学園での振り返り方法に生かされています。
その時間がないんじゃない、先生たちには。。。

まーくん

あお
このリフレクションに時間をかけることで、結果的に時間が生まれるんです。そこに気づけたら、大きいのですが。。
目先じゃなくて、本質に目を向けたいなぁといつも思います。
ヒミツキチメンバーとのチームリフレクション

ボクは今、ヒミツキチ森学園というオルタナティブスクールで先生をしています。
その中でもチームリフレクションをしているので、ご紹介します。
試行錯誤中のチームリフレクションのやり方
最初に、放課後に向き合って話し合うという方法を取りました。
教員時代はいつも教室に一人でしたが、ここではボクが担任(グループリーダー)という立場ですが、一人で教室を見るのではなく、必ず複数で見ています。
だから同じ場面を複数の目で見ている上でリフレクションをもらうことができます。

あお
この価値が大変素晴らしく、ボクにない視点をいつももらっていました。
オンラインでの授業開始でもその後に濃密なリフレクションの時間がありました。他者の視点をもらうことで、一人の子に対する見方が広がり、自分のマインドセットをも変わっていきます。
チームで振り返ることの価値をすごく感じたんだね!

まーくん
1つの場面を複数の目で見ることは本当に価値があります。
いつもリフレクションは時間との勝負である!
しかしながら、じっくりやってしまうと、放課後の時間を全部(15時半〜17時)使ってしまうこともありました。それぐらい尽きなかったので。。。
2学期からはちょっとやり方を変えてみました。
ボク自身が個人でやるエピソード記述の時間をもらいながら、駅までの移動時間も含めてリフレクションをするようになりました。
ボク自身も学園のことは学園で全て終わらす!を基本としているので、次の日の用意も教材の準備などもできた上でリフレクションができるようになり、大変助かっています。
その場にいなかったメンバーについては、1月からは振り返りを学園内のツールで共有するようになりました。
この方法はまだ試行錯誤中ですが、チームでリフレクションする価値を高められるように、前段階の時間の使い方を意識しています。
「何話そうか?」
ではなく、最初から焦点を絞ってリフレクションができるようにしたいのです。

あお
試行錯誤を許してくれるメンバーに感謝です!
「複数の目で教室を見る」がスタンダードになってほしい
複数の目で教室を見ること、振り返ることは多くのメリットがあります。
- クラスの状況を他の誰かに知ってもらえる
- 自分では気付かない子どもたちの良さがわかる
- アンガーマネジメントなど、危機管理につながる
一人で見なくちゃいかなくて先生が潰れてしまうこと、多々あると思うんです。
教科担任制だったり、子ども対応の専任を置くことももちろんありがたいのですが、基本的には人が増えないと苦しいですよね。
現場では本当に多大な努力をされているので、学校現場こそ人が増えるべきだと思うのです。
個人の先生に魅力を発信させる前に、やるべきことはたくさんあると思います。
先生・教師のリフレクションまとめ

話がそれました。今日のまとめです。
- リフレクションには、他者の視点が必要。
- 一緒に働く人で毎日続けることで価値が生まれる。
- 1つの場面を複数で見ると、さらにその価値が広がる。
個人でのリフレクションもチームでのリフレクションも両方大事です。でも、チームでリフレクションをすることは、関係性を構築したり、より深く子どもを理解したり、たくさんのメリットがあります。
いま、できることからスタートしていきませんか?
きっと最適なチームでのリフレクションの方法が見つかるはずです。
リフレクションの方法については、次の記事をお読みください。

あお
それでは今日も良い一日を!