おはようございます。
家庭菜園も充実してきたヒミツキチ森学園のあおです。
今年度は、ヒミツキチでも生き物を飼う予定。
さて、今日は「教科が無い小学校」の挑戦をお届けします。
昨年度から、徐々に枠組みは無くしてきていて、今年度からは完全に教科をなくすというチャレンジしています。
さて、教科が無くなったけれど、学習指導要領の内容はしっかりとやっている…そんなヒミツキチ森学園がどういうふうに回っているかをご紹介します。
早速いってみましょー!
まーくん
目次
ブロックアワーとプロジェクトアワー
1年目の時間割は下のようになっていました。
ヒミツキチ森学園開校当時は、5時間の時間割に、びっしりと教科が並んでいます。
当初は40分授業×5でスタートしました。
しかしながら、ブロックアワーというものの本質を探っていくうちに、40分という枠組みが不要になってきました。
あお
もっと子どもたちは、自分の裁量権で学んでいれば、休憩だって自分で取れるんじゃないのかな。
そう思ったのがきっかけです。
3年目からは、遊ぶ休憩をしっかり取りながら、午前中にブロックアワーで1時間×2、午後にプロジェクトアワーとして1時間半を取るようになりました。
ここで専門用語を解説!
まーくん
ブロックアワーとはイエナプランでの自立学習の時間。本人たちが自立的に学ぶ時間と先生がインストラクションする時間を融合させています。
プロジェクトアワーとは、ヒミツキチ森学園が作った造語です。探究するための時間で、主にヒミツキチでは、
- ラーニングプロジェクト
- イベントプロジェクト
- クラスプロジェクト
の3つがあります。
さて、23年度はその中で、ブロックアワーの中身を刷新しました。
今まで、ことば・かずや理科・社会としていたものを、次の3つに分けました。
あお
実はネーミングがまだしっくりきていないのですが、この3つに分けています。
さらに、理科や社会は、家庭科、図工、音楽などいろいろな学びを組み合わせて学ぶ「まなびぃ」にパワーアップ。まなびぃのビーは、ハチのようにいろんな学びを行き来して学ぶということでネーミングしています。
ここもしっくり来てないから、仮なのね!
まーくん
主に年間1、2つのプロジェクトに5・6年、3・4年で分かれて行います。
自分たちがやりたいことも入れますが、このまなびぃは、主に先生手動で進めていく予定です。
5・6年生のプロジェクトで例を挙げると、スタートは「食まなびぃ」です。畑での野菜の苗を植える体験からスタートし、植物の発芽を学び、日本の農業や野菜の自給率なども学習していきます。さらには、植物の成長を通じ、家庭科でいうところの調理は、夏野菜の収穫でカレーを作ります。
これら一つ一つの学びを横断的に学んでいくのが「まなびぃ」です。
まなびぃもブロックアワーの学習のうちの1つです。
壮大なことをやろうとしているのね。
まーくん
あお
ちゃんとエビデンスと経験をもとに、組み立ててはいるのでご安心を。
ルーブリックなどの評価も使いながら、学びを充実させていく予定です。
教科をなくしたからこそ見えてきた相乗効果
ヒミツキチ森学園の3年間は、先生にとっても学びの連続でした。自分の根底から覆させられるような子どもたちの姿を得て、今確かな手応えと可能性を感じています。
あお
先生としての絶対的な成長があるから、ボクは今この場所にいます。
さてこの3年間で見えてきた可能性についてお話します。
インストラクションの有効性
ブロックアワーの時間の中には、インストラクション(先生による説明等)が入ります。
インストラクションとは、先生と子どもとの対話を通じて、学習を組み立てたり、必要な内容を教えたりする部分です。
必要な子全員に集まってもらう場合と、数人を取り出して行う場合、そして希望者を募る場合の3種類があります。
これを日々のブロックアワーの中に計画していくんです。
あお
つまり先生の役割は教科とその学習内容を決める(なぞる)のではなくて、このインストラクションを子どもたちに合わせながらどう組み立てるかにシフトしています。
この流れはもう変えられないね、きっと。
まーくん
先生には見とることも必要ですが、1授業の中でどう子どもたちを見とるかではなくて、長期的な目線に立ち、子どもたちに何を任せて何をリードするか。その子の学びや育ちに必要なのは何か、包括的な視点が必要となります。
子どもたちは自立学習をしていると、個人で学習をしています。だからこそ集団でのインストラクションについては、ワクワクしているんです。学ぶの楽しい!って言いながら誰かと一緒に学ぶことを楽しみにしています。
もちろん学習者が孤立しないようなシステムの取り組みは果たした上でだね!
まーくん
ブロックアワーとインストラクションを融合し始めたのも、3年目からのチャレンジ。やはり知っていることとできることの間には年月が必要です。
あお
ここを焦ってはいけませんね。
ブロックアワーとプロジェクトアワーの相乗効果
そして昨年度ぐらいから感じているのが、こちらの2つの時間の交わりによって生まれる価値です。
以前は、「ワールドオリエンテーション」として行っていたプロジェクトアワーですが、この時間がたくさん増えてしまうことが課題でもありました。
ブロックアワーを午前中の時間として2時間固定したことによって、プロジェクトアワーの中でも一人や少人数で行う探究の学びは、ブロックアワーで行えるようになってきました。
みんなでやる探究はプロジェクトアワーの時間に、個人でやる探究はブロックアワーの時間に。
探究の時間が1日の中のいろんな場所に散りばめられている感じです。
それが、またブロックアワーにいい影響を及ぼしています。
どういうこと?
まーくん
ブロックアワーは一人で学べる基礎的な学びがメインですが、プロジェクトアワーの学びの一部が入ってくることによって、子どもたちはいい気分転換にもなるようです。
基礎ばっかじゃ辛いですよね、自分たちのやりたい探究がブロックアワーでもできるので、学びが充実していくんです。
いい相乗効果を生んでいるんだね。
まーくん
もちろん、ブロックアワーで学んだことが、プロジェクトアワーで生かされることは多々あるので、こちらの相乗効果も生まれています。
あお
お互いの学びが交わって、いい効果を生んでいます。
『学びあい』、自由進度学習のその先に
『学び合い』や「自由進度学習」ってのは、全て自立学習に向かっていくためのプロセスだと思っています。
進度が自由なんてのは当たり前で、子どもたちが自分の学びを自分で作っている状態が、「自立学習」なんです。
いまだにここで止まっている人、それが目的な人が多い。
まーくん
あお
実は教員時代でも肌感覚で感じていたことでした。
10年以上前に『学び合い』を実践(全単元をやってみるなど本格的に)したときに感じたのは、これはゴールじゃないということ。この先に理想の状態があるのに気づきました。
さらに7年前ぐらいから「自由進度学習」を実践し始めましたが、これもプロセスの途中だというのを感じました。
あお
ここで終わってちゃダメ、満足できないという感覚です。
そして今ヒミツキチで実践しているブロックアワー「自立学習」こそが、現時点では、学び手にとって理想の状態だと思っています。
子どもたちが自分で学びを組み立て自立して学んでいる。それでいて他との関わりがあり、インストラクションで必要なことを学び吸収している。
個人の学びが他との学びとをシンクロさせながら学んでいる状態。
あお
そんな学びがあるヒミツキチ森学園、ぜひ見学に来てくださいね。
教科がない小学校の挑戦 まとめ
あお
今日は教科がない中でどのような学びを展開しているかをお伝えしました!
- ブロックアワーとプロジェクトアワーの相乗効果
- 『学び合い』や自由進度学習で終わるな
- まなびぃなど、強化の枠を超えた学び
いかがだったでしょうか。
年中、学園は公開していますので、よかったら見学にいらしてください。
今回の発想のもとになっている参考文献
あお
それでは今日も良い一日を!
併せて読んでほしい記事はこちら!