おはようございます。
GWにたっぷり休んで休養満点のヒミツキチ森学園のあおです。
さて、今日は「探究 プロジェクト学習」についてお話ししたいと思います。
よ!待ってましたー!
まーくん
あお
うちの学園の真骨頂ですからね!
小学校の「総合的な学習の時間」にも探究という言葉が入って数年、皆さんの学校では以前と変わった点はありますか?
- 何ら変わらない?
- 以前のカリキュラムをなぞっているだけ?
- 何を変えたらいいかわからない?
そんな声も聞こえてきそうです。
今日は、うちの学園で行っている探究学習「PBL」を例に取りながら、良い探究って何なんだろうを探っていこうと思っています。
あお
ボクらも試行錯誤している最中ですが、3年間で見えてきたものもありました。
早速どうぞー!
まーくん
目次
ヒミツキチ森学園のPBL
ヒミツキチ森学園のPBL(プロジェクトベースドラーニング)については、どのように歩んできたのでしょうか、まずは簡単にご説明します。
1・2年目はイエナプランでいうところの「ワールドオリエンテーション」に没頭しました。
ヤンセンの自転車に正解があるのだと、しっかりと取り組みましたね。
しかしながら、課題として抱えていたのが、子どもたちの探究が前向きになっていかないこと。
あお
これ、ワールドオリエンテーションに問題があるわけじゃなくて、目の前の子どもたちの実態とあっていないと判断しました。
ワールドオリエンテーションへの理解はボク自身深くはなかったものの、イエナプラン協会にも入り、第一任者のリヒテルズ直子さんからも直接教わった身からすると、
- 9週間で1サイクル
- 刺激や問いから始まる探究
といったスタイルを踏襲してやってみたものの、ちょっと違和感を感じるところがありました。
実は9週間で1サイクルというのは、ジェネレーターでもある市川力さんも東京コミュニティスクールで、以前実践されていたようなんです。
短い周期にたくさんの探究に触れるようにしたい。
子どもたちの探究って言っても小学生段階。多様な価値観に触れることで、自分の琴線に触れるような興味関心ごとに出会ってほしい。
その気持ちもすごくわかります。
でも、ボクはもうちょっと長期的に取り組んでいく「プロジェクトベースドラーニング」の魅力に惹かれ、3年目からは「ラーニングプロジェクト」としてPBLの実践に踏み切ったのでした。
PBLはこれ一冊
3年間のPBL探究実践でわかったこと
さて、3年間の探究に関する実践で得たものは次のところに一旦記しました。
今回は探究に関して、全国の教育現場での課題とヒミツキチ森学園での課題をあげたいと思っています。
探究的な思考はあくまでツール 探究させられてないか
全国の特徴ある学校をまわった際にも探究学習で行われているのは、思考ツールを用いて子どもたちが探究させられているというところも結構ありました。
「ボクはSDGSのことを学びました!」
あお
それって、本当にやりたいことなんですか?
いや、今後のために必要なことかなぁと言われて。。。
子ども
まだ小学校段階だから、考えた方を手渡していくことには異論はないのですが、それでも、「子どもたちのやりたい!」は大事にしていきたい。
あくまで思考ツールはツールであって、子どもたちにとって本当に必要なものかはわからないんですね。
もう少し子どもたち側のやりたい!を大事にしたい。。。
あお
ボクらの学園が全てそれを叶えられているわけではないのですが。。。
子どもたちのやりたいを最大限に尊重すると、そこにはゲームだったりyoutubeだったりも入ってくるでしょう。それもいいのですが、消費者的な活動ではなくて、生産者的な活動でありたいなぁといつも思うのです。
子どもたちのやりたい!を尊重しつつ、それが生まれるいろんな可能性を含んだPBL。この3年、試行錯誤し探究し続けています。
育てたいのは世界を面白く見る視点
1つ言えることは、ボクらは工業的な発想からは脱却するべきなんです。
人の体を物のように扱い、こういうパーツを得られたら商品としてより良くなる…そんな発想から、「能力」「才能」といったものまで定義し始めました。
でも元々そんなものなんてない。数値化なんてできないんです。
超絶おすすめ!
そうではなくて、植物的な発想、視点で世界を眺めてみましょう。
成長というものを考えてみましょう。
何か一部分を変えただけでは成長は得られません。
本質的には全体を見ながら、調和を測って成長を促していく必要があります。
そう、ボクらに必要なのは、土壌を育むことです。
探究しているような、させられているような見た目を作ることじゃないんです。
ここを間違えないでいきたいよね。
まーくん
それゆえに、探究については、本当に幅広く、根気よく見ていかなくてはいけません。
あお
次からは、ヒミツキチ森学園の探究デザインで、今考えていることを見ていきましょう。
プロジェクトコアによるデザイン
上記がボクらの「ラーニングプロジェクト」による探究のデザインです。
参考図書
あお
探究はこれ一冊で十分です!
コア・ビジョンとテーマ
ビジョンとは、子どもたちが成し遂げたい目的です。
テーマは探究のテーマです。
今回5月から始まるラーニングプロジェクトでは、「釣りを楽しみ味わうこと」が目的でありつつも、海クラス(4〜6年生)のテーマは「生き物の生態系」「道具としての釣竿」に焦点を当てていく予定です。森クラスのテーマ(1〜3年生)は「生き物の種類」になるでしょうか。
この2つがずれていることが、探究にとって大事なんだよね!
まーくん
あお
そうそう、前のめりになっていくんだよね!
そして「つけたい力」としてヒミツキチ森学園では12の力をデザインしています。
毎年アップデートされていく、ボクらに必要な力(ラーニングディスポジション)です。
今回の探究でどの力に重点を置いていきたいか定めます。
そうやっていくうちに、内容のアイディアが膨らんできます。
自分たちが大切にしたい共有ルール
こちらは、ヒミツキチ森学園でも始めての取り組みです。
自分らが共有したいルールを確認していきます。ここでのルールというのは約束ごとぐらいでしょうか。
アメリカの文献から本が成り立っているため「契約社会」である感も否めないのですが、これがあることで、フリーライダー(ただのり、自分が興味関心があることしか学ばない子ども)の発生を防いだり、学びへの責任感を育んでいけるはずです。
あお
完成したものはこちらにアップする予定ですので、乞うご期待!
評価とルーブリックのデザイン
こちらも学んだことを活かして23年度から取り入れようと思っています。自分たちの学びのゴールです。
これは評価を受けるって意味じゃないんです。点数化されたり、これがいいよ!を決められるわけではありません。
よりよく学ぶにはどうすればいい?という基準がないと子どもたちだって辛いと思うんです。
あお
良い状態って何?どう学ぶことがいいんだろう?
これがバラバラだと、子どもたちも困ってしまいます。
この基準を揃える上でも、評価とルーブリックのデザインは必須になります。
今年度から海クラスに採用している「スクールタクト」がそれをもたらしてくれるでしょう。
探究の時間を探究する!プロジェクト学習のコアまとめ
プロジェクト学習のコアを、今回の探究では次のようにデザインしてみました。
今年度はこちらをもとに、子どもたちやメンバーからフィードバックを得て進んでいければいいと思っています。
さてさて、23年度の探究もぐんぐん深めていきましょう。
ラーニングプロジェクトでは、
子どもたちが出会ったことがない課題に、自分たちの強みを生かしながら、自分に合った興味部分を中心に探究を進めていきます。
このプロジェクトについて深ぼっていく講座も、ヒミツキチ森学園で開発予定です。
楽しみにしておいてください!
あお
それでは今日も良い一日を!
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