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小学校での探究学習 3年の実践から見えてきたこと

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あお先生

あお先生

ヒミツキチ森学園の先生

プロフィールにもあるように新しい働き方、在り方を提案する先生|一般社団法人PLAYFUL|ヒミツキチ森学園グループリーダー|元公立小学校教諭、15年勤務全学年経験|みんなのオンライン職員室スタッフ|振り返り・ライティングスキルなど1on1 の実績多数|雑誌・書籍への寄稿等、ブログの他にも執筆活動多数

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おはようございます。

外国で先生をする後輩の写真に、自分と同じハロウィン仮装をしている方を見つけ、「グローバル!」と叫んだヒミツキチ森学園のあおです。

さて、今日は小学校での探究学習について、お話ししたいと思います。

ヒミツキチ森学園では、探究のプロジェクトを中心となり授業設計し展開していますが、その実践の中で見えてきたことをお話しします。

ヒミツキチ森学園は…
  • 小学校の年齢の子どもたちが毎日通うオルタナティブスクール
  • ラーニングプロジェクトとイベントプロジェクトが中心となり授業設計
  • 開校3年目、探究3年目の試行錯誤

うちの学園でどんなことがおこなわれているのか、小学校で探究的な学習をするときに考えておきたいことをお話しできればと思っています。

学習指導要領での探究

学習指導要領での探究
学習指導要領解説より

小学校の学習指導要領にも「探究」という言葉は頻繁に登場します

特に「探究課題」については、今回の学習指導要領では多出しています。

ここでいう探究課題とは,指導計画の作成段階において各学校が内容として定めるものであって,学習活動の中で児童が自ら設定する課題のことではない。学校なり教師が,探究を通して児童にどのような資質・能力を育成したいと考えるかを,学習対象の水準で表現したものである。つまり,単元なり1単位時間の授業において,どのような教材なり問題場面と児童を出会わせ,児童がどのような課題をもって探究的な学習活動を展開していくかを構想する基盤となるものが内容としての探究課題である。

総合的な学習の時間 指導要領解説より

児童自らではないのですが、大きなテーマとしての探究課題の重要性を挙げています。

学習指導要領解説より

またこのように、探究学習の姿も具体的に例示してあります。

この「探究的な見方・考え方」とは,各教科等における見 方・考え方を総合的に活用するとともに,広範な事象を多様な角度から俯瞰して捉え,実社会・実生活の課題を探究し,自己の生き方を問い続けることであると言える。この探究的な見方・考え方は,各教科等の見方・考え方を活用することに加えて,「俯瞰して対象を捉え,探究しながら自己の生き方を問い続ける」と いう,総合的な学習の時間に特有の物事を捉える視点や考え方である。つまり,探究的な見方・考え方を働かせるということは,これまでの総合的な学習の時間において大切にしてきた「探究的な学習」の一層の充実が求められていると考えることができる。

要するに探究的な学習とは,物事の本質を探って見極めようとする一連の知的営みのことである。

総合的な学習の時間 指導要領解説より

この探究の姿に則って、ヒミツキチ森学園の探究も進んでいます。

ヒミツキチ森学園での探究経緯

ヒミツキチ森学園での探究経緯

ヒミツキチ森学園では、主にラーニングプロジェクトで、探求学習を行なっています

イエナプランを中心に据えたカリキュラムだったこともあり、2年目まではワールドオリエンテーションを行なっていました。

ただ、テーマ設定や1ヶ月半というサイクルなど、なかなか子どもたちの実態と合わないなぁというところもありました。多様な探究課題を巡っていくよりかは、うちの子どもたちのやりたい!を大事にしながら、じっくりと3ヶ月間ぐらいかけて探究していく方が合っていると感じたんですね。

いくつかのテーマでは子どもたちの前のめりな姿もあったね。

まーくん

まーくん

1・2年目のワールドオリエンテーションでも、いくつか手応えを感じたテーマがありました。

通算3個目のテーマだった「ヒミツキチの植物」では、ヒミツキチ森学園の庭にある植物を学ぶことからスタートしました。

植物研究家の鈴木純さんにお越しいただき、色々なことを教わりました。

そこから、庭の植物のことを知りながら、遊び方、食べ方、活かし方(染物など)をみんなで探っていきます。

図鑑の読み方は「ほんの時間」、柿を使った染め物はアートの時間、庭の植物でテラリウムを作ったり、畑をみんなで耕したり、ホンモノから学ぶことで、教科間を超えて広がりを見せるということを学びました。

さらには、通算6個目のテーマだった「海とプラスチック」です。

これは非常事態宣言と重なり、中断期間が入りながらも初の長期的に行なったプロジェクトでした。ヒミツキチのみんなが海にたくさん遊びに行っていること、そして1本の映画から、一人の女の子の

「みんなも観てみて!」

が大きくプロジェクトを動かすエンジンとなっていきました。

長期的なプロジェクトにも手応えを感じ始めていたこともあり、3年目の今年度からはラーニングプロジェクトとして、3ヶ月に1つのテーマを持った探究課題にチャレンジしています

今年度は、

  • 「島と半島 土地が及ぼすもの」
  • 「広告 認知と人気」
  • 「式典をつくる 学校のシンボル」

の3テーマを予定しています。

探究課題「テーマ」をどう決めるか

探究課題「テーマ」をどう決めるか

これはいろんなところでよく聞かれることです。

探究課題というのは子どもたちが設定するのか、先生が決めるのかということですね。

小学校では先生が決めていると思います。

あお

あお

例外はあると思いますが。。。

結論から言うと、ヒミツキチ森学園では、

子どもの興味関心からスタートして、一緒に決めている

となります。

ある程度のデザインを先にするんですが、子どもたちの考えや意見を聞きつつ、一緒に決めています。

これだよ!と提示するんじゃなくて、アイディアが降ってきたら、「こうなんだけどどうかな?」と、ボクも学び手の一人として参加しています。

先ほど挙げた「プラスチックと海」では、一人の子の映画に、みんなが食いつき、テーマが決まっていきました。

子ども発信のものを生かしながら、みんなで決めている感じなんだね。

まーくん

まーくん

あお

あお

1年の予定もデザインしますが、変わることが多いですね。

ただ、テーマは年間3つは決まっていることです。

イベントプロジェクトなど多数のプロジェクトがあるので、ラーニングプロジェクトは年に3つ。5月〜7月、9月〜11月、12月〜2月の3回でデザインしています。

小学校で探究学習をする際のコツ

過去2年、そして3年目の進化から、見えてきたいくつかのコツがあるので、丁寧に説明します。

問いを探究するけど、目的とずらす

一番大事だなぁと思っているんですが、問いの探究を目的にしないということです。

イエナプランではヤンセンの自転車というのがあって、途中に問いを子ども自らが出すことを大事にしています。

しかし、問いを探求することを目的にしてしまうと、途端にこの学習がつまらないものに変わるのです。

あお

あお

実感値としてあります。

それよりかは、目的は別のところにあって、その目的に向かうために、問いを探究する形にすると、子どもたちが前のめりになっていきます

具体的なエピソードを挙げると、

「海とプラスチック」では、「どうしたらプラスチックを減らせるのか」について問いを出しました。

あお

あお

でも目的は、その問いを探究していくことじゃなくて、「大好きな海を守りたいから」なんですね。

たくさん遊ばせてもらっている海が危機にあることを知ったから、その海を守るために何ができるかを一生懸命考えました。問いはその副産物です。

今年に入ってやった「島と半島の地形がもたらすもの」では、伊豆大島の地形について問いを出し合いました。

出てきた問いを1つひとつ探究しようね!じゃつまらなくて、目的は「いい修学旅行にすること」にあります。そのための探究が、伊豆大島のことなんです。

この目的と問いの探究がちょっとずれていることで、子どもたちは探究にグッと前のめりになります。探究させられていると感じることなく、自ら目的に向かって必要だから探究する勢いが生まれてきます。

子どもたちがやりたいことを一緒につくる

年間6テーマをやって興味関心を次々と浴びせるという方法もあると思いますが、ボクらはその手段をとっていません。

つの探究の中に、どの子も刺さるポイントが必ずあって、そこで貢献したり、探究したりができたらいいと思っています。大きく取って、その中で子どもに刺さるポイントを一緒に見出すか、テーマごと頻繁に変えるかの違いです。

あお

あお

でもボクが思うのは、やりたいことじゃないと伸びないということです。

ある場所で、探究している子どもたちの様子を見学したことがあるのですが、思ったのは、

「それ本当にあなたがやりたいことなの?」

です。

「本当にやりたいことなんて見つからないぞー!だから色々やってみる」もありだとは思うのですが、それでもやりたいことで探究していてほしい。

SDGSのここを調べたいんです!!

子どもたち

子どもたち

そこにどれだけの子が熱中していると思いますか???

あお

あお

SDGsが悪いわけじゃありません。

本当に子どもたちがやりたいことはなんですか、それに向かって探究学習はつくるべきです。

教科との連携を徹底して考える

ヒミツキチ森学園の時間割をもう一度見てみましょう。

実はこれ、何を学ぶかではなくて、どう学ぶかで分かれています

そうです、学ぶ手段ごとに教科が分かれているんです

こうすることで、あらゆる教科が結びつきやすくなります。

「ヒミツキチの植物」では、庭の植物を知りたい!が目的だけど、問いは庭の植物でできることを探すというものでした。

ここで庭にある柿の木が食べられないのかに注目した子たち。クッキングの時間を利用しながら、渋柿を干している効果を料理長に教わりました。また柿の葉を使ってアートの時間に染物をすることもしました。

本の時間で図鑑を使い、作家の時間で、ヒミツキチの植物図鑑を作りました。

各教科がつながりを持つことで、一つひとつの教科にやる意味が深まってきます。

価値が深まる探究学習の振り返り

価値が深まる探究学習の振り返り

最後になりますが、振り返りについても触れておきましょう。

ボクはいつかのリヒテルズさんの講座で教えてもらった振り返り方にアレンジを加え実践しています。

あお

あお

主にこんなことを聞くようにしています。

  • この単元を通して何を学んだ?
  • うまくできたのは何?
  • もっとうまくやりたかったのは?
  • 何が簡単で、何が難しかった?
  • それはなぜ?

これが基本ですね。

プロジェクトによっては、特有のことも聞くようにしています。

ちなみに今年度1回目、5月の海クラス(4〜6年生)の振り返りでは、「この単元を通して何を学んだ?」という問いには次のような答えが返ってきています。

  • 一企業相手には初めて。発表よりプレゼンだった。大人を相手にする。好きな人、本気な人にどう伝えるか。自分もまず本気にならないと。
  • スライドを使うプレゼンでは、自分で好きに作れる。困ったところに助けてくれる仲間がいる。相手に任せることが、大事。
  • 細かいところが好きなんだけど、全体的にわかるようにするのが苦手。全体的にリードするのが嫌い。
  • やる気スイッチがくるのが時間がかかる。やる気スイッチが入ればグッといける。猿島に体験に行ってから、ホンモノを見るとスイッチが入る。スイッチが入ると全てが入る。

いかがでしょうか。こういった個人での振り返りをみんなで聴き合いながら、少しずつ自分を理解する力を高めて、前に進んでいきます。

小学校での探究学習、できることはたくさん

小学校での探究学習、できることはたくさん

いかがだったでしょうか。

小学校の探究学習について、みてきました。

ヒミツキチ森学園の探究学習は、今後も進化していく予定です。

今は、横須賀にある無人島猿島の冬の集客の難しさをなんとかしようと、運営会社さんと一緒にイベントを立ち上げ集客に貢献することに取り組んでいます。

あお

あお

こちらも非常に楽しみです!

ヒミツキチでの探究が気になる人は、ヒミツキチラボにてその中身に触れることができます。

良かったらどうぞー!

あお

あお

それでは今日も良い一日を!

併せて読んでほしい記事はこちら!

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