おはようございます。
1回目の卒業生を送り出したヒミツキチ森学園のあおです。ステキな式でした。リフレクションしながら春休みに入ります。
さて、今日は「オルタナティブスクールの教科」についてお話しいたします。
ヒミツキチ森学園1年目が終わりました。
たくさんの方々のおかげで、新しい学校の1年をつくってきたわけですが、そこには試行錯誤もあって…今日はそんな現在地と未来構想のお話です。
あお
ついてきてくださいね!
目次
ヒミツキチ森学園のカリキュラムにおける教科
ヒミツキチ森学園の教科は、上の通りです。
上記の中で「ことば・かず」は、3学期からは、「ブロックアワー」となっています。ヒミツキチ森学園の基礎の学びを作る時間です。毎日1時間程度ありますが、曜日によっては時間の割合が変わることもあります。
ことば・かず(学校教育の中で国語・算数)以外にも、ワールドオリエンテーションの個人の探求学習や、作家の時間なども、自分の計画の中で、この時間に入れることができます。
個人の裁量で、このブロックアワーの時間は調整できるんだ!
まーくん
あお
1週間の計画を1年生でも自分たちで立てています。
また「ごかんのじかん」には、こころの教育のための時間もちょっとずつ入っていましたね。サークルで取り上げたり、プロジェクトアドベンチャーで取り上げたり、日常のことからいろんなことを学ぶ時間でもありました。
ねえねえ、教科って言える時間と、そうじゃない時間が混ざっている気がするんだけど。。。
まーくん
あお
そうだね、サークルタイムや、週間計画などは、教科なのかって思うよね?
もちろん、これも教科なんです。
違和感を抱くのは当然だと思います。
それは、ヒミツキチ森学園の教科は何を学ぶかではなくて、どう学ぶかでわかれているからです。
どう学ぶかでわかれている教科のカリキュラム
ヒミツキチ森学園のカリキュラムでは、教科はどう学ぶかでわかれています。
これは意図的にそうしているんですね。
本来の学びって、1つの事象を、いろんな方法で学ぶはずです。この時間にだけ学ぶってわけではなく、いろんなことを通して学んでいきます。
人に聞いて学ぶのが好きな子がいれば、自分でじっくり動画から学ぶ子もいるはずです。体を使って学び取ることもあれば、みんなで探究しながら学び取っていく…そんなことだってありますよね??
それを自分で選び、拡げていける感覚こそ、これからの社会で必要な力ではないでしょうか。
だから、どう学ぶかでわかれているんだね!
まーくん
教科の中に習慣計画や、よはくのじかんが入っている理由も少し伝わったでしょうか?
あお
それでは、どう学ぶかでわかれていることで、何が生まれるのかを見ていきます。
教科がどう学ぶかでわかれていると起こること
ここでは、どう学ぶかでわかれている教科が何をもたらすのかを3つの要素から、見ていきます。
- 教科同士の融合によって価値が生まれる
- ワールドオリエンテーションが中心になる
- 個人の得意を生かした学びの調整
教科同士の融合によって価値が生まれる
何を学ぶかだとしにくかった教科の融合が、どう学ぶかだとしやすくなるということが挙げられます。
結局、何を学ぶかでは、融合しているようで融合していない、今思うと非常に中途半端な形なんですよね。でもどう学ぶかだとそれがしっかりと融合する。
例えば、図鑑の索引の引き方(本の時間)を学んだ子が、図鑑に載せたい絵をごかんのじかんで作り、その図鑑の表紙の装飾をマイプロジェクトの時間に学び、作り上げる…なんてことが至るところで起こるんですね。
図鑑の学びは、国語の時間のみに規定されている従来の学びと違って、どう学ぶかによって、こんなにシームレスに繋がるんです。
だから、時間割を自分で作る意味が生まれてくるんだ!!
まーくん
教科の構造と、自分で時間割をつくるということは、深くつながっているんですね。
ワールドオリエンテーションが学びの中心になる
そして、どう学ぶでわかれている教科によって、身の回りの世界を探究するワールドオリエテーションが中心になることも、たくさんの意味をもたらします。
先程の例で言うと、図鑑を作る意味は、3回目のワールドオリエンテーション「植物の恵み」が中心となることで広がっていきました。
いちにち先生で、植物観察家の鈴木さんが来てくれたワールドオリエンテーションで、庭の植物を観察した子どもたち。庭の植物をさらに調べるために、図鑑を用いました。そこで索引を学びます。
ごかんの時間で、植物を使って染め物をしたり、香水を作ったり、アートを楽しみます。作家の時間では、ヒミツキチの植物を図鑑にしようと、自分たちで植物図鑑を作ります。ここでまた、図鑑を見たり、植物に触れたりする必要性が出てくるんですね。
植物の長さを測るために、ブロックアワーで「長さ」を学習する森クラス(低学年)の子どもたち。
そうやってできた植物図鑑、そして植物をマトリックスに当てはめ、分類することを学びます。(ワールドオリエンテーション)
おぉ!ワールドオリエンテーションが中心となって、教科がつながっている!?
まーくん
そこに大きな価値を見出しているのです。
ホンモノに触れるワールドオリエンテーションの時間だからこそ、学ぶべきものが繋がっていくんですね。
1つのことを中心に広がる学びというのは、社会に出ても価値があることだと思っています。
あお
個別に分けられてパッケージ化された学びは、存在しないですよね。
個人の想いを生かした学びの調整が生まれる
各教科をどう学びに使うかは、週の計画する時間に、個人の裁量によって決めることができます。
自分が何で学びたいのかを計画で調整できるわけです。
書くことで学びを深めたい子は、自然と作家の時間を多く入れるし、ごかんの時間で香水の続きをやりたい子が出てくるかもしれません。
そうやって個人の好きや得意を生かしながら学んでいくことが、自分のどまんなかの発見につながります。
教科がこうなっていることで、自分の好きなこと、嫌いなこと、得意なこと、不得意なことがはっきりしています。
嫌いなこともボクは自分のどまんなかを探す大きな材料だと思っています。
嫌いという感情は、行動に大きく左右されるので。ただ、嫌いで止まるのではなく、どうして嫌いか、避けて通るのか克服するのか、見えている角度によって違うのかなど、深く掘っていく必要はありますよね。
そこは人と共創し、対話し、リフレクションしながら少しずつ見つけていきます。
遊ぶように学び子どもたちへ
教科というのは1つの大きな枠です。
学びについてこの枠に左右され過ぎてしまう子どももいます。「教科」によって拒否反応が出てしまうんですね。
あお
本当は、大きな枠やラベルの中で大雑把に見なければ、いいのですが。そこは子どもなので。
でも、教科同士が緩やかにつながっていることで、見方を変える子が多いのも事実です。
やってみたら、好きになったー!
子どもたち
これがヒミツキチ森学園では、非常に多い。
自分1つのことを見つめる角度を変えられることが非常に価値があるなぁと思っていて、ものを見つめる目、人を見つめる目を変えながら学ぶことを大切にしています。
遊ぶように学ぶへ…
その道のりは遠く長いですが、少しずつ学園の中でそんな時間が生まれるように、ボクは教科をつくっていっています。
少しでも何かの参考になれば!
見学は、ヒミツキチ森学園の見学フォームから受け付けていますので、新年度にでも、ぜひその学びの場を見てもらえたら嬉しいです。
あお
それでは今日も良い一日を!