おはようございます。
1日中子どもたちにイジられまくっているヒミツキチ森学園のあおです。やたらいじってくる校長のせいだとふんでいます(笑)
さて、今日は体育の授業で取り組んでいた「ベースボール型授業」について、クラス中の子がとっても熱中していたので、記録として残しておきたいと思います。
あお
ベースボール型授業、苦手な人も多いのではないのでしょうか?
- ベースボール型授業が子ども任せになってしまう
- 運動量が確保できない。
- どういうルールにしたらいいかわからない
そこに応えていきたいと思います!
目次
実は野球は一番の得意分野です!
あお
実はボク、高校球児でした。3年間、白球追ってました!
そうなんです、野球にのめり込んでいたんです。
しかも中学、高校は野球部のキャプテンを務めていました。
今でも草野球やっているもんね!
まーくん
あお
昨日も今年のリーグ、開幕戦でした!!
大学は準硬式野球部というマイナーな部活でしたが、15年ぶりに優勝して、関東大会に進みました。ALL〇〇にも選ばれて、グアムの大会にも出場しました。
あお先生と言ったら運動!っていうイメージが子どもたちにはあるくらいです。
サッカーも好きで、バルセロナに試合を観にいくなど、幅広くスポーツに親しんでいます。
さて、自己紹介はこのくらいで、ベースボール型ゲームの紹介に移りましょう!
ベースボール型授業は、ルールが全て!
ベースボール型授業のポイントを一つあげるとしたら、何?
まーくん
あお
それは最初のルールを決めることと、教師が見通しを持って子どもたちとルールを作っていくことだよ。
ルール作りが非常に重要です。
中学年のベースボール型授業は、正直なんでも楽しめます!でも高学年は、ルールがしっかりとしていないと、男子だけが楽しい感じになっちゃう。
そこが難しいところだと思います。
男子も女子も楽しめるためには、最初のルールを意図を持ってつくり、子どもたちの意見で変更していくことが必要です。
どの方向に変更していくかは、1つだけ。
「本物の野球になるべく近づける」
です。
子どもたちに任せりゃいいじゃん!じゃだめ?
まーくん
あお
全部のルールを子どもの発想にまかすのではなく、限りなく本当の野球に近づけるって方向性のもと、子どもたちに考えてもらいます。
6年生担任の時のベースボール型授業のルール
初期のルールはこちら!
- アウトゾーンに5人中3人が入ってボールがそこにあればアウト。
- アウトゾーンに入るまでに回ったベースが得点。
- フライでもゴロでも関係なし。
- 全員が打ち終わったら交代。
- ティーにボールを置いて打つ。
- 3回打ち損じ、ファールだったらアウト。
そこから子どもの意見やキャプテンとの話し合いで変えていったルールは次のような形です。
- フライで取ったらその場でアウト
- セカンドベースを増やす
- ホームラン以外は1アウト、3アウトでチェンジ
- アウトゾーンにある時に、ランナーがベース上にいないとアウト
- 仲間のトスでも打ってもOK。男子は同じ回に一周りしたら、全員トスなど制限
さて細かくなりますが、一つ一つ見ていきましょう!
初期のルール
アウトゾーンは、1塁と2塁(後の3塁)を結んだラインより少し前に設置します。ちょんと当ててヒットを狙うのを防ぐために少し前にしてあります。
そのアウトゾーンに3人以上いて(片足を入れる)、そこにボールがあることが条件です。大きめのフラフープをアウトゾーンとしましたが、少し滑って危ないので、○をラインカーで書いてあげたほうがいいですね。
3人としたのは、運動量の確保のため。ここでボールを持っていないときの動きを鍛えたいなぁと思ったからです。
ベースボール型授業の課題は、運動量の確保です。
まーくん
第2段階 セカンドベースを増やす
子どもたちの声でセカンドベースを増やします。
本物の野球に近づけるという方向性と合っていますよね。
アウトゾーンにボールが行くまでに回った分が得点になります。打ち方にも慣れてくると、かなり打てるようになるため、25対24とか乱打戦になってきます。
点数入りすぎ!
子どもたち
ということで第3段階、「スリーアウトで交代」を採用しました。
第4段階 ランナーは残る、そして1周回らないと1点にならない
打ったランナーも残りたいよね!
子どもたち
この頃になると必ず言い出します。打って一塁に行ってもアウトになってしまうので、ランナーとして残るほうが野球に近づいてくるからです。
そしてまだまだ得点が入りすぎたため、いよいよ「ホームに帰ってこないと1点にならないようにしていこう」となりました。
ランナーが塁に残ります。
しかし、野球と同じように、守備が塁に向かって投げるのは、極度に難しいんです。だから守備は基本的に変えずに、アウトゾーンを採用し続けます。
アウトゾーンにボールがあるときに塁にいない場合はアウトになるようにしました。
あお
この方法は体育の教科書にも書かれています。
ここで、ランナーの判断が必要になるのです。この打球で次の塁を狙うのか、ストップするのか。そういうヒリヒリする判断が必要になってくるんですね。ランナーコーチャーもこの頃から必要になります。
ちなみにフライの場合は、打者はアウト。アウトゾーンにボールが入るまでに、いた塁に戻らないとアウトになります。この辺りも本物の野球のルールと同様です。
また塁が詰まっている場合は、必ずゴロの打球は次の塁に進まないといけません。
入る点数は少なくなりましたが、打順が意味を持つようになりました。
第5段階 ティーではなく、トスバッティングのボールを入れる
この頃になると6時間目ぐらいですので、男子のバッティングの良さがかなり上達します。ホームランが止まらなくなるのです。
点数の入りすぎを防ぐために、子どもたちと相談して「トスバッティング」を男子は取り入れることになりました。
打者一巡してしまったら、次からトスバッティングにしたり、その回でティーで打っていい男子の人数を制限したり、この辺りは実態によって変えるといいと思います。
あお
6年生であれば、味方がトスしたボールを打つまではいきたいなぁと思っています。実際の野球は、動いているボールを打つので…
ベースボール型授業の指導のポイント
ルール以外のいくつか指導のポイントをあげたいと思います。
攻撃については、どう打つかということ。
右バッターだったら、おへそのあたりでバットを振ります。
しかし、子どもたちがよくやってしまうのが、ティーとおへその位置が合ってしまうこと。体の中心でボールを叩こうとするんですよね。
そうではなくて、右バッターなら左足の前にティーを置くように立つこと、これが大切です。
ボールのミートポイントは、体の中心線より少し前になるんです。前でボールを叩くとかなり打てるようになります。
また腕で打つんではなくて、腰を回して体の回転で打つのが基本です。でも腰の回転で打つってすごく難しいため、足を回すことも指導します。
あお
足が回ると、自然と腰も回るんです。回りやすいように、重心を少し下げるように、足を曲げます。
足の回転が綺麗だと、こんなフォームになります。
続いて守備です。
守備は、自分のところにボールが飛んできていないときにどう動くかを中心に指導します。
中継プレイも教えたり、ボールが外れた場合の対処についても指導します。
慣れてくると、アウトゾーンから動かない子は減ってきます。動いてアウトゾーンに入る方が、最初の守備位置を下げられるからです。
ベースボール型授業で、使用する道具について
バットは、4年生でも6年生でも共通で作製しましょう。
細いバットはなかなかミートできないので、梱包材を巻き、その上にガムテープでぐるぐる巻くとこのようなバットが出来上がります。
6年生は自分たちで作ることもできます。
飛距離も出るし、女子も安心だね!
まーくん
ミートポイントが広がり、断然打ちやすくなります!
みんなが体育の授業に参画する!
新学習指導要領に向けての体育科の文言の中にこのような言葉があります。
運動やスポーツにおいて、その価値や特性に着目して、楽しさや喜びとともに、その体力の向上に果たす役割の視点から捉え、自己の適正等に応じた「する・見る・支える・知る」の多様な関わり方と関連づけること。
スポーツの見方を広げて捉え、生涯スポーツに親しむ子どもたちを育てていきたいなぁと思います。
特にこの「支える」っていう視点が新しいと思います。ボクはあらゆる形で子どもたちが参画していくことで、より体育の学習って楽しくなると思っています。
ベースボール型授業でいうと、
- 道具の準備をする、より良い試合になるように、協力して準備。
- リーグ戦の表を書く。
- 打率や打点の高い選手を記録から計算して張り出す。
- チーム名やビブスの色などを決めて、チームに愛着を持つ。
- お互いに応援し合うチームを設定して、他のチームからも学ぶ。
思いつくのはこの辺りでしょうか。
ボクは、チーム型の体育の授業では、必ずチームを張り出し、チーム名を決めて、時にチームで給食を食べながら作戦会議をするようにしています。そうすることで、体育の授業が楽しみになる子が増えるからです。
できる・できないだけじゃなく、どんな子も、ちょっぴり体育が楽しみになる授業…そういう授業を展開していました!
あお
それでは今日も良い一日を!