おはようございます。
先日の運動競技大会では、クラスで301回の記録を出すことができました。
301回に到達しました!
交流級2名も一緒に今までの最高記録を25回も上回ることができました。
子どもたちの力の凄さを感じ、感動しました。泣いている子も多くいました。
これだけ本番に強いクラスも初めて。本番でベストが出たのもこれが初めてです。あー嬉しかった。https://t.co/kGbLdI9eVW pic.twitter.com/Lzp3dg5Si3— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
これは見る人から見ると平凡な記録かもしれません。でもボクらのクラスにとっては、サイコーの記録だったんです。
今日はそれを生み出すまでのプロセスについて、記録の意味も込めて書いていきたいと思います。
目次
関係性の充実が生み出す、長縄への気持ち

クラスとして、関係性が充実してきているなぁと感じていました。
全体の一体感というよりは、個々のつながりあって、いい雰囲気を生み出している感じ。普段はバラバラしているけど、こういう何かの目的がある時には、ぎゅっと固まる感じ。今の状態がボクは理想だと持っています。
長縄やろー!!

子どもたち
っていう雰囲気が自然に流れていました。「やりたくないなぁ」が見え隠れすることが少なかったのです。
根底には、今まで積み上げてきたものが間違いなくあるはず。
途中、順番が遠いペアと見合うことになった時も、誰しもがお互いの良さをフィードバックし、アドバイスをすることができていました。
長縄の技能だけを追究しても、意味がないんだよね。

まーくん

あお
長縄を通して、何を達成したいのかが大事じゃないのかな。大人になって長縄の技能は必要ないからね。
誰とペアでもコミュニケーションの一定の水準を保てることは、ペアづくりの積み重ねが生んでいるのです。
そこが根っこにあるから、記録自体も伸びていくということは、ボクはいつも忘れないようにしたいと思っています。
価値のある振り返りが、長縄への意欲を高める

練習期間を通しての、長縄を行なった後の振り返りが充実していました。
個別にジャーナルで振り返りを行なっていても、一人で2ページ、3ページなんて書く子が増えてきました。ものの5分そこらで、みんながぎっしり。こっちが驚かされます。
体験が大きければ、振り返りも充実する。それはわかっていたけれど、ここまで書くとは…
サークルになっての全体の振り返りでもいい雰囲気で、次への一歩がたくさん出てくる。
それを長縄プロジェクトの面々が上手く活かしながら、練習を進めていました。
昨日は長縄について、熱くなるあまりもめる事があった。みんなの前で感情を吐露する子。
それについて、「こうすればいいんじゃない?」と全体に提案する子。
ジャーナルに2ページ以上書く子。そん時も話したけど、「こういうぶつかり合いはあってもいい」と思う。不満や不安が爆発するのも必要。
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月16日
長縄に本気で向き合っているからこそ、起こることだなぁと思って、嬉しくなった。
大事なのは、こういうことを先生が解決しないで、一人ひとりが「どうするか」を考えていくこと。
昨日は実行委員が考えた結果、「一回練習やめて、みんなで遊ぼうー!」ということ。ステキな案だ!と思った。
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月16日
時にはこんなこともあったけれど、それすらも、さらっと乗り越えていった子どもたち。
こうやって振り返りによって、次jへのステップが決定されていく。先生も振り返りのアイディアを出す一員です。
また、実行委員が回数の記録と、コツと、目標をまとめたものを、作ってくれました。コツは技術的なことと、心構えを書きながら、ここにためていく感じです。

ここで出てきた心構えは日常のビーイングとつながっています。また終了後にビーイングに入れるものとして、残しておきたいものを選択します。

今回は、終了後にたくさんのビーイング候補が出てきました。それだけ大きな体験だったということです。

あお
コツを先に載せなかったのは、長縄で必要なのは、技術だけじゃないからです。回数が上がったって子どもの気持ちがそこにないと、なんら意味はありません。
長縄八の字跳びのコツや練習方法


あお
長縄って自分だけが跳べてもダメ。自分の後ろ3人がスムーズに連続跳びができていればOK!
最初のうち、口すっぱくして言っていた言葉です。長縄ってそう言う競技だと思っています。
個人競技ではなく、他の人にほんの少し気遣いや協力できるかどうかにかかっている…
クラスづくり、そのものなんです。
技術的に確認したことも多いです。
今回はiPadのスロー映像で自分たちの動きを撮影しながら、振り返りの際に見るようにしました。
また良いイメージを見せるために、youtubeから動画を引っ張ってきて、見せました。
この動画はよく見せて参考にしたなぁ。とっても上手でいくつか子どもたちがコツを見つけることができました。
子どもたちが見つけたコツに加えて、指導することは次のことです。
- 縄の真ん中で跳ぶ
- 回し手(ターナー)のすぐ横から入って、すぐ横を抜けていく
- 跳んでいるときになるべく縄に当たらないように、90度体を回転させる
- 1周りしたら反対側から跳ぶため、ターナーが少し移動して、跳ぶ人の入射角を大きくする
- 跳ぶ時はなるべく片足跳びで、着地の後すぐに抜けるようにする
これらのことは、youtubeの動画を見るとよくわかるかと思います。
先生が教え込むことではないんだよね。子どもに気付いてもらいたいこと。

まーくん
また練習も3分間を毎回測るのではなく色々なバリエーションで行なっていました。
- 1分間で100回を目指す
- 連続跳びが3回途切れるまでの回数をあげる
- 連続跳びの最高記録を目指す
- ノーミスで1周(35人)が跳ぶのが、3回できるまでのタイムを縮める
様々な練習方法があります。子どもたちのアイディアをもらいながら、練習の練習にならないように工夫していくことが大事です。
練習の種類が豊富ということは、子どもたちにとってもいいことですよね。この練習とそれがなぜ行われているのかを共有していくことが大事かなと思いました。
低学年の場合も考え、長縄への指導はこちらにまとめました!
長縄跳び、本番までのモチベーションの保ち方

子どもたちの感情面も非常に大切になってきます。
学習や競技において、「感情」によって大きく左右されることをボクは実感しているんです。
学習における子どもの感情や、児童同士の関係性による効果に言及している本や資料はあるのだろうか。読みたいなぁ。
この時期、関係性が深まり、授業の質が向上してくる。
逆に関係性を放っておいたり、力で指導すると、この時期息切れが起きて、問題行動が頻発する。 https://t.co/WlOHe3nqhy— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月28日
長縄におけるモチベーションをどう保つかは今回、たくさん考えました。
同じ市町村で開かれる体育大会、3分間で8の字跳びを何回跳べるかについて、挑戦しました。長縄の最初の記録は150回ほど。これまでの学年の積み重ねの低さも感じていました。ただ、子どもたちのやる気はすごーくあって、「やりたくないなぁ」という雰囲気にならない、そんな不思議なクラスでした。
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
最初は、誰かのモチベーションが下がるかと思ったのです。
でも、連続跳びができない子に声をかける子が多くて…技術的なことや振り返りを紹介するうちに、誰もが長縄に前向きに取り組んでいたのには驚かされました。

あお
こんな方法もあるんだと最初に6年生を担任した時の自分に教えてやりたい!
【週次レビュー②】
モチベーションの上げ方。
長縄の回数がググッと上がった。早いスピードに慣れるまでの記録が出ない期間を乗り越えた。今までのクラスの中で長縄への取り組み方は一番な気がする。
第一目標と最終目標を達成したら、何かみんなでやろうということになった。また一つテンション⤴️
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月14日
速いスピードに慣れるまでの時間は長かったけど、慣れたら一気にモチベーションが高まりました。記録が上がることは、当然ながらモチベーションアップにつながっていきます。
今回、今までで初めて、ご褒美をあげたいなぁと思ったのです。「もので釣る」ことは徹底的に避けていたボク。
今回そう思ったのは、この子たちの長縄に対する気持ちがまっすぐで、やる気に満ち溢れていたからです。
達成できたらそれ相当なものがあってもいいんじゃないかとってこと?

まーくん

あお
モチベーションがすり替わることはないと思ったんだよね。
子どもたちと相談して、第一目標の250回達成で「宿題なし1日間+PA1時間」。第二目標の300回達成で、「宿題なし3日間」。
宿題いいから、先生の家にみんなで行く!!

子どもたち

あお
それ、却下!
笑い合いながら、またモチベーションが高まっていきました。
あとは、ペアクラスである1年生の応援かなぁ。
前日、1年生の前で披露したら、最高記録の273回が出ました。「いいところ見せる」ことは、大きなモチベーションになるっていうことが、子どもたちの凄さです。
いざ本番!当日の最高記録は??
練習を重ねるたびに全員が連続で入って跳ぶことができるようになりました。そんな中、「交流級の児童」がうちのクラスには2名いました。1名は上手くなったのですが、もう1名はなかなか練習に参加できません。それでも実行委員を中心に練習に誘い、声をかけ続けました。 https://t.co/pTCyuvyxcF
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
最後の3日間でなんとか来れるようになりました。でも数回跳んだだけで逃げ出してしまいました。連続跳びはできていませんし、引っかかっていました。その子が休んだ日に出した276回が本番前の最高記録でした。
その時の振り返りで、「やっぱり全員で一緒に跳びたい」って声が上がりました。 https://t.co/951bhX6R0l— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
ボクのクラスの目標は250回、それは超えていたので、第2目標である夢の300回を目指していました。「交流級の子が入って全員での最高記録は235回、今日はそれを超える!でもそのさきの全員で300回いけたらいいね!」と話しました。その子も「今日は全部参加する」と話してくれました。 https://t.co/JqWZaupEQd
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
本番前に円陣を組みました。
「悔いのないように」「落ち着いて」「絶対にやりきる!」「みんな一緒に跳ぶ!」たくさんの声がかけられました。いざ本番!その子のためにその部分では、ペースを緩めてあげながら、懸命に跳ぶこと3分。 https://t.co/fM0NoygMSf
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
301回に到達しました!
交流級2名も一緒に今までの最高記録を25回も上回ることができました。
子どもたちの力の凄さを感じ、感動しました。泣いている子も多くいました。
これだけ本番に強いクラスも初めて。本番でベストが出たのもこれが初めてです。あー嬉しかった。https://t.co/kGbLdI9eVW pic.twitter.com/Lzp3dg5Si3— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
交流級2名とも、縄の回し手とも、喜び合いました。
最初に6年生を持った時には、グイグイ引っ張り、『長縄やだ…』の声が響いていました。「どうしたらいいんだろう」と悩んだ時もありました。気持ちがバラバラで、最高記録が出てもイマイチ盛り上がらない6年生も経験しています。 https://t.co/5Q8o0fYDvK— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年10月25日
ボクが嬉しかったのは、ずっと練習には入れなかった交流級の児童と共に、ベストの記録(301回)が出たこと。 その子にとって大きな自信になったし、クラスにとっても大きかった。
終了後、ビーイングに入れたい言葉には、本当にたくさん出てきました。それぐらい子どもたちにとっては大きな体験だったのです。
まとめ 夢のようなサクセスストーリー

子どものジャーナルに書いてあった言葉より。
なんか、このままドラマになりそうなくらい、長い長い「ロングサクセスストーリー」がありました。ケンカしたり、協力したり、努力したり、時にはきつくなったりしたけど、301回いったときは、言葉にできないくらい嬉しくてたまりませんでした!
児童の振り返りジャーナルより
ボクも本当に同じ気持ち!これはドラマになる!
この振り返りを書いた子は、大好きな漫画に長縄物語としてまとめて、学級通信に連載をしたのでした。卒業前に書ききった漫画は本当に素晴らしく、今でもこのクラスの宝物です。

あお
いかがだったでしょうか?
この年の6年生の1年間でも、長縄がターニングポイントだったと思います。この一体感、成功体験があったからこそ、卒業式までみんなで進んでいけたのだと、ボクは思うんです。
1つの行事にすぎないのですが、そこにどう力を入れ、子どもの力を信じ取り組んでいけるか…
この仕事の醍醐味の1つではないでしょうか。
記録だけじゃない、クラスの気持ちの団結だけじゃない、その両方が生まれた時にすごく喜びに変わるんだなぁと思いました。正直どちらかなら簡単です。記録だけ出てクラスがバラバラ、気持ちが一致してるけど記録は出ない…でもそこを超えていくことにこそ価値があるんだなぁと思っています。
ぜひ、挑戦してみてください!

あお
それでは、今日も良い1日を!
2 件のコメント
すごい!まだ300回行ったことがないな〜。
参考にさせてもらいます!!
ありがとー!泣いている子も多かった。6年生やるときはぜひ!