おはようございます。
最後に6年生を持った教え子に再会して、ちゃんと高校生しててウルウルきてしまったヒミツキチ森学園のあおです。
さて、今日は「みん職のリヒテルズさんの講座」から学んだことを紹介します。
数年間、一緒に講座を開いていたもんね。
まーくん
あお
たくさんのことを学ばせていただきました!
その中でいくつかの学びは、ヒミツキチ森学園の今に向かって流れています。それをここでも紹介できたらと思っています。
早速、いってみましょう!
まーくん
目次
イエナプラン教育におけるブロックアワーとは?
今回はブロックアワー(仕事)についてです。
あお
やらなければならない学習(仕事)のうちの一つで、日本でいうところの国語・算数を中心に行う学習のことだよ。
2時間続きで取られていることが多い、毎日ある学びの時間です。
詳しくはこちらをどうぞ!
今回の講座はこのブロックアワーを中心に学びがあったんですね。いくつかをご紹介したいと思います。
一人ひとりのペース・レベルに添うブロックアワー
ブロックアワーは一人ひとりのレベル・ペースに合わせて学習をしていきます。
それぞれのレベル・ペースに合わせるから、学習の格差は縮みます。
リヒテルズ先生
ヒミツキチ森学園のことば・かずの時間を見ていても感じることが多いんです。
みんな同じ、一斉にやることで、効率がいいように思うし、みんなを助けられるように感じられるのですが、実際はそうではなくて、学習から遅れてしまう子が出てしまう。
その子を救うには、休み時間や家庭教育に頼るしかないというのが、学校の現状なんです。
先生方は懸命にやっているんです!奮闘しています。だけど、システムがエラーを起こしているからそこに立ち向かえない。
ブロックアワーは一人ひとりのペースに合わせます。一人ひとり獲得している概念が違う(現在地が違う)ので、獲得しているものなら、サッと簡単に進めることができるんですね。
じっくり苦手なところなら、何度も繰り返せばいい。
インストラクションも繰り返すし、個人の学習も繰り返す。
週単位で見ていくので、1日の遅れというのはそう簡単に気にならない。
あお
明日続きやろうよー!
って気軽に言えるのがブロックアワーのいいところ。
一人ひとりに合わせるからこそ、格差は確実に縮まるし、無理に1つのペースに合わせる必要がないという安心感は、子どもを学習に向かわせます。
ブロックアワーでは、教師の過剰な介入を避ける
ブロックアワーというか、学習の中で教師の過剰な介入は避けるべきだという話がありました。
ここ、あお先生の反省ポイントじゃない?
まーくん
あお
グサグサきました!
例えば、イエナプランのはブロックアワーでは、週の計画を立てるのですが、その立てた計画について振り返ることが大事だという話がありました。
大切なのは1週間を終えてから振り返ることです。1週終わる前に、「それで終わるの?」とかごちゃごちゃ言わないこと。
リヒテルズ先生
ぐさっときました。
ボク言っています。
「今のペースだと終わらないんじゃない?」とか。
この辺り、うちの学びの地図を改善しながら、「何を学ぶか」の計画を立てられるバージョンに変えていこうと思っています。
また先生はキャスター付きの椅子を使って子どもたちの間をまわることの良さも話されていました。威圧感が少なく回れる、それぐらい先生の目線が大事ということです。
うまく進んでいる子に対しては、無関心を装ってください。先生が見過ぎていると、先生がいるところでしか学ばない子が育ちます。
リヒテルズ先生
あお
グサリグサリ。
4年目に入って、ようやくこれができるようになってきました。ボクがいないところの学びも任せてられるようになってきています。
ブロックアワーでの先生の仕事は記録を取ること
どこでつまづいているのか、どう進んでいるのかがわからないと、指導はできません。だから記録を取ることは何よりも大事な先生の仕事です。
リヒテルズ先生
ここも4年目に入って徹底できるようになってきます。
ボク自身、学習範囲のエクセル、またはスプレットシートを作り、進捗状況や仕組みを作っていこうと思いました。
子どもたちも学びの地図を見ながら、今週のものをチェックする、ボクも全体の学びのどこに子どもが位置しているか記録を詳細に取る。
その記録って子どもと共有できないでしょうか。
子ども自身が、録音しておいた先生のフィードバックを活用したり、現在地を確認したりできるシステムを構築していくのがボクの夏の課題です。
もっと言えば、例えば児童に関する先生が持っている情報って、大きなもの(どちらかと言えばよくないことが中心)は児童の指導の記録に残されるけど、その先生が見つけたその子の良さや特徴などが書いた些細なメモは廃棄されることが多いじゃないですか。
廃棄される子ども情報をどう積み重ねて、皆が0から子どもを見なくていいシステムの構築 はするべきだと思っています。
あお
学習する学校にある「個人面談のマッピング」などがヒントになりそうです。
子どもは自立を学んでいる最中である
子どもは自立を学んでいる途中です。約束は守れないし、失敗もある。それを叱りつける必要は全くなく、それに気づかせてあげることが大事
リヒテルズ先生
「自分が苦しいことを先生が知っている」
ってことが大事で、何事についても受け止めること。
上手くできないのが当たり前なんですよね。
だからボクらはそれを受け止めて、それに寄り添う。
命の危険性がないものなら、しかる必要も全くないと思います。
わかっていてもコントロールできないのが、子ども。ここを先生はよく忘れがち。
まーくん
あお
はい、たくさんの反省点があります。まだまだです。
ブロックアワー以外の他についてもみていくよ!
まーくん
なぜ他者と触れ合う必要があるのか
「なぜ他者と触れ合う必要があるのか?」
この問いから講座はスタートしました。
あお
みなさんはどう考えますか?
ボクは自分以外の他者の考えを受け入れ、響き合いながら、自分の考えというのは構成されていくものだからだと思っています。他者がいなければ、自分の枠は超えることがありません。
では、どうやったら他者から学べるのか…
同じことをするのが良いのではない、先生も子どもたちもそう思えるシステムを作ることが大事です。
それが異年齢学級で行うということです。
リヒテルズ先生
そうか、先生も異年齢だったら最初から一人一人違うって見方ができるよね!
まーくん
あお
何で、この子だけできないんだっていうのは、先生の中の「○年生ならこれぐらいはできる」っていうバイアスによるものだってことだね。
リヒテルズさんが
「3月生まれと4月生まれが一緒のクラスにいる。それって11ヶ月もの差がある。それだけ考えても同年齢はナンセンス」
と言った言葉に、ガツン叩かれた気分です。
確かに3月の早生まれの子は、幼少期から小学校高学年までは、11ヶ月差に苦しむことになります。これが異年齢なら、下の学年の4月生まれの子と一緒にいることができて、あまり変わらない中で過ごすこともできます。
日本のずっと同じ学齢で過ごすっていうのは、社会のシステムと乖離していて、少し怖くなりました。
ファミリーグループで自分たちのルールを決める
民主社会では自分たちのルールは自分たちで決めます。
それは、自分たちで決めるから守る責任が生まれるというなんです。
リヒテルズ先生
これは本当にこの通りなんですよね。先生が決めちゃうものが多いと、子どもたちは自分自身で責任を負わないんです。
だって、「ボクが決めたんじゃない」ってなりますもんね。
本来は掃除や給食当番だって、みんなで話し合って決めることができる。決めることで「責任」の意味を知るんだと思います。
たくさん遊び、たくさん信頼しているからこそ、話し合いになるということも話しておられました。
ちなみに前年に作られたルールは、新しい学年でメンバーが3分の1入れ替わったときも、継承されるの?
まーくん
あお
継承はないみたい。
「前にこうしていたけどどう?」はあっても「え、でもこっちのほうがいいよね」って新しいアイディアが生まれることを大事にしているんだって。
一から作ることが大事です。時間はかかるけど、ボクもそのほうがいいなあって思いました。
「前のクラスでこうだったから次も同じ」では、きっと自分の責任に基づく行動を生まないからです。
このルールについては、ヒミツキチ森学園では実際には決めていません。言葉の関係で、もしかしたら「ルール」じゃなくて、「決まりごと」「ビーイング」ぐらいのニュアンスがいいのかもしれません。
取り組んでみたことがまたあったら、お知らせしますね。
マルチプリインテリジェンスについてのポイント
続いてマルチプルインテリジェンスについてです。
マルチプル・インテリジェンス(多重知能)は、ハーバード大学のハワード・ガードナーの理論です。人はどれくらい優れているかではなく、どんなふうに優れているかと考えるべきかという、インテリジェンスの見方です。
wikipediaより
ボクもこの講座でマルチプルインテリジェンスの診断をやってみました。
意外にも音楽スマートの点数が高かったんですね。
どれくらいスマートかではなく、どんなふうにスマートかで人を見ていくってことなんだね。
まーくん
あお
言われたらそうなんだけど、ボクら先生もどれくらいに捉われているよね!
そして、リヒテルズさんの言葉で、ボクが一番ビビッときたのは、
「スマートさは常に変わる」
ってことです。
ボクは音楽スマートだから、これができるんだ!
もしくは、あの子は音楽スマートだから、きっとこれなら得意だよねっていうレッテル貼りのためのものではない。そうではなくて、スマートさは常に変わっていくものなんです。
そうなんだ!じゃあ先生はそれをどう捉えて、どう活かせばいいの?
まーくん
ここには、マッチングとストレッチという考え方があります。
オランダにも、スマートさを端的に表すようなカードを使うことがあるようですが、そんなものがなくてもグループリーダーがじっくり観察をすれば、どのようなスマートかは見えてきます。そのために自由にやれる時間や遊びがあるんです。
でも、30人相手にそれを一人ひとり見るのは、大変。だからストレッチ(伸ばされる)ように、テーブルの座り方を違うスマートさを持つ子と座らせることもあります。
リヒテルズ先生
今、この子はこういうところが強いが、それを活かした学び方は何だろうと、どれにマッチするかを常に考えていく必要があります。
教師の仕事は「引き出すこと」(educationの由来)。他のスマートを引き出すのが先生の役目だと思います。
リヒテルズ先生
リヒテルズさんはこんな風にも話していました。
マルチプルインテリジェンスはこちらが詳しいです!
コア・クオリティとしての先生の資質
イエナプラン実践ガイドブックには、コア・クオリティの紹介が次のようにされています。
- 自分自身との関係
- 他者との関係
- 世界との関係
そのコア・クオリティにも通じるのですがという前置きで‥
自分なりに自分をストレッチしている人に先生をやってほしい !
リヒテルズ先生
言葉が自分に刺さります。自分はストレッチできているだろうか、先生として自分自身を伸ばそうとしているだろうか。
悪い点を指摘しない。違いに自分で気づけば、子どもたちは自分で伸ばそうとするからです。
リヒテルズ先生
15年経っても、ここは抜けないところがあります。ただ12月、1月の自分のあり方に猛省して、大日向に行って帰ってきてからの1ヶ月はここを大事にしています。
見ていてください。1ヶ月で自分を変革させて見せます。変えられるのは自分だけ。
この辺りはヒミツキチ森学園にきても自分の課題ではあります。ただ、ようやく自分も納得できるあり方でストレッチできている感覚はあります。
強みを活かす土壌 テーブルグループ
自己選択が大事。テーブルグループでの学びにも自己選択があります。
オランダにはゴールブックという学びのための本があり、「何を学ぶか」までも自己選択できるようになっているんです。
what/when/how/whereどの要素でも、自己選択していくことです。
リヒテルズ先生
テーブルグループの座席は、先生が決めていい!でも、形にこだわるべきではないとリヒテルズさんははっきりとおっしゃいました。
形だけ入れても、きっとうまくいかない。
まーくん
あお
そう、大事なのは、ビジョンに照らして、なぜ導入するのかを考えることが必要だと思う。
テーブルグループのあり方もきっと多様だから、ボクらはそこに根差して進めていきたいです。
社会(学校)の中で自分の強みが発揮できると価値を持つ。それが自己肯定感につながります。
リヒテルズ先生
ここはすごく共感です。
自己肯定感こそ、ずっとボクらが気にかけていかなくてはいけない要素なんですね。
その後、テーブルグループの実践は、見事にヒミツキチにハマり、今やなくてはならないものです。
未来を見た時に、学校ほど遅れているものはない
リヒテルズさんの言葉
未来を見たときに学校ほど遅れているものはない。
この言葉がズシンと重く胸に落ちました。ボクが今、ワクワクしながらも不安を抱えて、こうやって学んでいるのも、ここへの危機感から来るものです。
子どもにとって「意味がある」場としての学校、そこにこだわっていきたいです。
一緒に学びを作っていきたいし、発展させていきたいなぁと思います。
イエナプランの全国大会はこちらから!
あお
それでは今日も良い一日を!
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