おはようございます。
昨日の朝、海でアートの材料の追加分を拾っていて、SUPを楽しむ大人を眺めながら、「今年こそは絶対マリンスポーツやろ!」と心に決めたヒミツキチ森学園のあおです。今もamazonのSUPページ眺めています(笑)
今日は「授業で生かせる質問・問いづくり」をテーマにお話しします。
指導主事の先生に会って、総合の学習活動案を見ていただく。
結局、想い×手立てが合っているかに話が向かっていった。子どもの想いと先生の想い、最終的にどうなって欲しいのか。
総合は重点研が初めてなため、わからないことだらけだが、そういう部分をDesignするのは楽しい。
がんばろー!
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年7月24日
「質問づくり」については、今回の授業を通して、あれこれと悩んでいるところです。
あお
こちらの本を参考に進めていました!
3年前、友人を呼んで「質問づくりのワークショップ」を開きました。今日はその時の気づきも含めてお伝えしようと思います。
あお
前半が理論で、後半が授業の中で扱った事例です。
目次
質問づくり・問いづくりについて
この時、ボクはいくつかの課題をもってのぞみました。
- 児童が問いづくりを身につけるには時間がかかる?
- 質問を作った後が大事ではないか?
- 本に何度も出てくる「質問の焦点」はどう絞る?
「質問づくり」の一連の流れは、次の通り。
再読するとわかるのですが、一つ一つのステップに大きな価値があります。
質問をつくることは価値観をすり合わせていくこと
特に(4)の「質問に優先順位をつける」ことでそれがよくわかります。
優先順位をつけるには、価値観のすり合わせが必要になります。
どれを残すのか、どれに付け加えて新しい質問をつくるのか…価値観をすり合わせていく必要があるんですね。
そのためには(3)の改善するステップも重要です。閉じた質問と開いた質問の行き来が自在にできないと、「どれを残すか」に終始してしまいます。
質問を書き換える中で、深い思考ができるようになってきますし、書き換える質問を足していくことで、思考が広がっていくことがわかりました。
その行き来が自在にできることによって、質問の価値が変わります。書き換えは、良い質問を作れるかの鍵となることがわかりました。
やっぱ、実際に質問づくりしてみるとわかることが多かったんだ!
まーくん
あお
実際にやらず、子どもたちにだけさせるのは、ダメなことだね。大人もやる価値を感じていないと、意味がないと思います。
質問づくりの授業の中で、教師の意図を出すところ
「グループで重要だと思う質問を3つ選んでください」
「個人が重要だと思う質問を3つ選んでください」
この2つでは問い方が違う。次に個人の活動につなげていくなら個人のものを問えばいいんです。
また別の問い方もできます。
- 「自分がクラスにとって大切だなぁと思う質問を選んでください」
- 「自分が答えを得たい質問を3つ選んでください」
そして次の3つに教師の意図が出てくるはず、その意図をしっかりと持っておくことが大切だということもわかりました。
- 質問の焦点
- 優先順位のための質問
- その後の行動
タスクの前にどんな情報があるか
質問が絞れた後は、このようにして、次のステップを話していくことがわかりました。
- 何を知っている必要があるだろう?(情報3つ)
- 情報を得るために何をする必要があるだろう?(タスク3つ)
あお
この流れがめっちゃ大切。
先にどんな情報が得たいかがあって、その後にそのためのタスクがある。これを逆にしちゃうと限定的になってしまいます。
大人でもそうですよね、タスクは最後に決めるもの。得たい情報をはっきりさせることで、次のタスクは無数にある行動から1つに絞ることができます。
いよいよ、ここからは授業の中でやってみたことです!
まーくん
実践授業例① 社会科見学の質問
5年生の社会科見学で、自動車工場に出かけるときのこと。質問づくりを実際に行ってみました。
社会科の授業では、「自分が10年後に乗りたい自動車」の機能を発表した上で、教科書で自動車工場の工程を確認し、質問づくりを行いました。
自ら学習へ取り組んでいく意欲、そして自ら学びの質問を考えることが、学習の価値を高めていきます。
質問の焦点を用意した上で、基本的なルールは4つ。
- できるだけたくさんの質問をすること
- 疑問形の形で書くこと
- 質問は発言どおりに書くこと
- 話し合ったり評価したりしないこと
4が一番難しく子どもたちは質問が出されるたびに「それは〇〇だよ」「そうじゃないんじゃない?」「でもさ…」などと、評価したり話し合ったりしがち…でもそれは排除して、ちょっとしたアイディアが繋がっていく可能性も含め、「質問のみを発言」していきます。
シーンとしている沈黙も、大事な塾考の場。
すごくスムーズに、たくさんの質問が出てきました。
その後、赤ペンで書いたように、優先順位をつけます。
この優先順位をつける過程も非常に重要で、話し合いのもとで一人一人の納得感をもって決まっていくことで、自らの課題となってくることがわかりました。
ただ、焦点が「工場見学で知りたいこと」では、弱いと感じました。
あお
この焦点こそ、深掘りしていく必要があります。
思えばこの頃のボクは深掘りの仕方も、要素分解なども全く知りませんでした。今だったら、別の焦点にしていると思います。
実践授業例② 総合的な学習の時間
6年生の総合的な学習の時間で、質問づくりを行いました。
インタビュー前の質問づくりです。
事前にその方にインタビューをした時の「事実」を質問の焦点としました。数回の練習の後、実際に授業研で質問づくりを行いました。
どのグループも7分という時間の中で、たくさんの質問を出し、一つ一つについて吟味しながら質問を作り出すことができるようになってきました。
普段の学習中に、黒板でみんなで質問づくりをしたり、自主学習で質問づくりをしてから調べ学習をしたりと、質問づくりが学習の中の一つの道具として根付いてきています。
ヒミツキチ森学園でも問いづくりを
実はヒミツキチ森学園でも、この問いの作り方は役立っています。
問い作りのルールとして、全体のサークルで共有したあと、問いを作ります。
低学年が中心のボクらの学園でも、溢れるように質問が出てきます。
あれから、学び気づいたことはある?
まーくん
あお
質問の焦点の作り方かな。
質問の焦点の作り方が少しずつわかってきました。
それは、言葉以外の状況を作ること。
新型コロナウィルスについて学んだ最初のワールドオリエンテーションでは、
「コロナさんが目の前にいたとして(実際オンライン授業でコロナ役になってもらって)、聞きたいこと」
を出したら、思考がわーっと溢れ出しました。
先月の「働くということ」の時にも、
「働いている人に聞きたいこと」とするのではなく、
情熱大陸の映像(仕事をする人)を見せて、「この人に聞きたいこと」としたら、
思考が止まらず、問いが溢れてきました!
焦点とは、文字通り絞ること。質問をする相手が見えることや、対象によっての情報が変わることは、非常に大切なだなぁと思いました。
ホンモノをイエナプランが大切にする理由がここにもあります。
ぜひぜひチャレンジしてみてください!授業作りの根っこになりますよ!
あお
それでは今日も良い一日を!