素敵な素敵な一冊をご紹介します。
[rate title=”この本の評価”] [value 4]読みやすさ[/value] [value 5]活用の価値[/value] [value 5]お買い得感[/value] [value 4.5 end]総合評価[/value] [/rate]
目次
実は、若手の頃は、かなり喜怒哀楽が激しくて、「よく笑うけどよく怒る」そんな先生でした。自分でもどうして、イライラが出てくるのかがわからなくて…
[say img=”http://ao-labo.com/wp-content/uploads/2017/12/cropped-me 修正!.png” name=”青ちゃん”]子どもたちには、たくさん嫌な思いをさせてしまっていました[/say]
今は、イライラしそうになると、自分でどんなことをすればそれがおさまるか、よくわかっていて、「言わなくてよかった!」と思うことがたくさん増えました。
アドラー心理学を初めとするいろいろな心理学にふれたことが、大きいのかなぁと思っています。
先日読んだこの本も、そういうイライラしちゃう人に超オススメです。
私たちの体は、約37兆個の細胞からできており、その一つひとつの細胞に栄養と酸素を送り届けることが健康の要です。そして、その機能を担っているのは血流であり、血流をコントロールしているのが、自律神経です。
たとえば、自律神経の働きにはこんなものがあります。 ・眠っている間の呼吸をコントロールする ・暑い時に発汗し、体温を下げる ・寒い時に鳥肌を立てて、体温が奪われるのを防ぐ ・まぶしい時に目を閉じる ・熱いものに触れた時、瞬時に手を離す ふだんの生活ではあまり意識しない、縁の下の力持ちのような働きを数多く担っているのです。しかし、最も重要な役割は、全身にはりめぐらされた血管すべてをコントロールしているということです。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。 交感神経は、車にたとえるとアクセルのようなものであり、血管を収縮させ、血圧を上げる働きがあります。 副交感神経は、ブレーキのようなものであり、血管をゆるませ、血圧を低下させる働きを持っています。
若いころは、副交感神経の働きが高いため、自分や他人の「言い方」によって自律神経が乱れても、即座に副交感神経がリカバリーを図ります。そしてすぐさま自律神経のバランスは調整されます。しかし、男性は30歳、女性は40歳を境に、副交感神経の働きがガクンと落ちてしまうのです。
なかでも最も驚いたのは、私たちの抱く感情が、自律神経の数値を大きく左右しているということです。
自分の感情次第で自律神経に影響があり、全身の血流をコントロールしているこの神経が不安定だと、さらにイライラしたり、体調不良になったり…様々なことを引き起こしてしまうのです。
だから、大切なのは、自律神経を安定させること。
ではどうやったらその自律神経が安定するのでしょうか。
箱をつくって自分を客観的に眺める
自律神経が安定している時は、基本的に正しい言い方ができるので大丈夫です。しかし、自分の自律神経がどのような状態にあるのかは、自分ではなかなかわかりません。そこで編み出したのが、事前に「箱」を作ることです。箱を作るというのは、自律神経が乱れる要因と、その時の自分の状態を照らし合わせて、自分が今どのような状態にあるのかを客観的に把握することです。
具体的には、言葉を発する前に次の8つのことを意識します。 「体調」「予期せぬ出来事」「環境」「自信」「天気」「相手の様子」「時間」「感情」
多くの人は、「箱」を作らず、「自分が乱れている」という意識がないまま発言してしまいます。そして、「あの時はイライラしていたから仕方がない」「ムカつくことを言われたから、つい言い返してしまった」など、気分や状況に責任を押し付けて、言い方で失敗した本質に目を向けていません。だから、失敗を繰り返してしまうのです。
「箱がある」ことで客観的に分析できて、自分が乱れやすいのかが客観的にわかりやすくなります。
ボクの場合は、「時間」に弱く、「予期せぬできごと」にやや弱いでしょうか。「天気」とかには全く左右されません。
最初は8つの角を意識するのに時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば誰でも自然とできるようになります。それぞれの角がどんどん遠くへ離れていって、丸みを帯びていき、最終的には球に変化するイメージです。私は、こうしてできあがる「球」こそが、「人の器」だと思っています。8つの角を意識することなく、大きな球体の中で正しい言い方ができる。これが、真の器の大きい人ではないでしょうか。
[say img=”https://ao-labo.com/wp-content/uploads/2019/04/IMG_3638.png” name=”まーくん” from=”right”]器の大きい人、8つの角をまずは意識して、そこを目指していきたいですね![/say]
ゆっくり話す
まず、最も大切なポイントは、ゆっくり話すということです。ゆっくり話すということは、しっかり呼吸をしながら話ができるということです。
反対に、早口な言い方では、呼吸を深くすることができません。浅く速い呼吸は、交感神経の働きを高めます。瞬間的には、やる気を上げることはできますが、それが長く続くと血管が収縮し、血流が悪くなり、パフォーマンスが下がってしまいます。そのうえ、話を聞いている相手の副交感神経まで下げてしまうのです。あなたが早口でまくしたてると、チーム全員のパフォーマンスを下げることになるのです。
そう仮説を立てた私は、それ以降、ゆっくりした言い方を心がけました。 たとえばスタッフがミスをしても、怒鳴りたい気持ちを飲みこみ、あえてゆっくりした言い方をするのです。すると、自分も相手も心が落ち着き、起きてしまったミスに対して、冷静に対処できるようになりました。
ゆっくり話すメリットはまだまだあります。ゆっくり話すと自然と呼吸が深くなるので、末梢の細胞一つひとつにまで、酸素と栄養を供給することができます。心身のパフォーマンスが高まるのはもちろん、肌や髪など、見た目も若々しくなります。 人は年齢を重ねると、記憶力が低下したり疲れやすくなったりしますが、実はこれらの多くは、「年齢」よりも「自律神経の乱れ」が原因のことが多いのです。自律神経が乱れているせいで、末梢の細胞にまで血液が届いていないのです。
ボクら先生は基本的には早口になってしまいます。僕なんか特にそう。だからこそ、あえてゆっくり話し、呼吸できるぐらいのスピードで話していきたいと思います。
姿勢を正す
自律神経を整えるためには、背筋をしっかり伸ばすことが大切。歩いている時のほか、デスクワークや食事中などにも、自分の背筋が伸びているか意識してみてください。
こちらの本で姿勢について勉強中。だいぶよくなってきました。
さらに具体的に先生が自律神経と関わっているところを挙げていきたいと思います。
先生の叱り方
もし私が、「何やってんだよ。道くらい覚えておけよ」と、相手を罵ったとします。すると相手の自律神経はとたんに乱れだし、血圧が上がり、判断力が低下します。相手はひどく動揺した状態で運転をすることになるので、さらに道を間違えたり、最悪、事故を起こしたりしかねません。
一般的に、怒りによる自律神経の乱れはだいたい3時間から4時間は持続します。こんなことで、自分の大切な一日のパフォーマンスを下げるのは大損です。
したがって、叱らなくてはいけない際は、相手の自律神経のバランスを保つために次の3つのことに気をつける必要があります。 ①時間を空けずに叱る ②短く叱る ③1対1で叱る
人前で叱っては絶対にいけません。怒られるということ自体がすでにストレスなのに、さらに人前で叱られた場合、緊張はさらに高まり、ストレスはより一層ふくれ上がります。それが原因で寝つきが悪くなり、翌朝に疲れを持ち越し、どんどん体調が崩れていくという健康被害を招きかねません。
「しかる」と「怒る」の違いとよく言われますが、副交感神経で行うのが「しかる」だと思っています。もうしかる前に十分な効果があるのに、交感神経でがっと怒鳴るのはやめましょう。
自分もその子も、周りで聞いている全ての人の自律神経を乱す、最悪な行動です。
子どもと親のつながり
それではなぜ、子どもの自律神経は乱れてしまっているのでしょうか。 実は、親の自律神経の乱れが伝染している可能性が高いと言えます。
しかし、心に留めておいていただきたいのは、「子どもを叱る時は、副交感神経で叱る」ということです。 「イラッとして、叱る」という行為は、交感神経が優位な状態で起きています。血管が収縮し、脳や体に充分な量の血液がめぐらないため、頭がカーッとして、時には手が出る事態に陥ってしまうのです。
親としてもここは大切。ボクが安定していれば、子どもも安定します。これは間違いない。
朝の挨拶
正しい言い方は、「おはようございます!」と、一語一語をしっかり発音し、ゆっくり、尻上がりを意識したイントネーションで言うことです。 ゆっくりした言い方をすることで、呼吸が安定しますし、末尾のトーンを上げることで、ハツラツとした印象を与えることができます。すると、自分はもちろん、周りの人間の自律神経も整えることができるのです。
あえて朝、少しゆっくりめに言ってみる…実践してみようと思います!
最後に取り入れたい習慣です。
一カ所を片付ける
そこで役に立つのが、仕事を終えて退社する前に、1か所だけ片づけるということです。実は、片づけという行為には、副交感神経を高め、気持ちを落ち着かせる作用があるのです。 片づける際は、引き出しの一番上やデスクの上の書類など、「1か所」だけというのがポイントです。
ボクはこれは読んでから毎日実施中。とっても良いですよ。1カ所というのがすごく大切。教室でも職員室でも進めてみようと思います。
日記を書く
日記は決して、長々と書く必要はありません。私が日記につけていることは、たった3つです。 ①その日一番失敗したこと ②その日一番感動したこと ③明日の目標 この書き方は、アイルランドで働いていた時に、同僚の医師から勧められた方法です。最初に失敗したことを書くのは、自分のしたことの中で、一番冷静に振り返らなければいけないことだからです。そして、自分の失敗を反省したら、明日からまたがんばる気持ちを持つために、感動したことを書きます。
しばらくこれでtweetしてみます!
[say img=”https://ao-labo.com/wp-content/uploads/2019/04/IMG_3640.png” name=”まーくん” from=”right”]学びが多い一冊だったね。[/say]
[say]新しい視点が得られたね![/say]
「自律神経の安定」という視点に立つと、先生として一人の大人としてどう振る舞うべきかが見えてくると思います。
オススメの一冊です。
[say img=”http://ao-labo.com/wp-content/uploads/2017/12/cropped-me 修正!.png” name=”青ちゃん”]自律神経を整えて、良い一日を![/say]
読書についてのまとめページはこちら!
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