おはようございます。
今年も海の運動会を開催することが決まったヒミツキチ森学園のあおです。
さて、今日は運動会が迫ってきている先生のためのリレー指導の話。
こんな先生に読んでほしいと思って、リレー指導について書いておきます。
- 運動会初めてのリレー担当!どうしたらいい?
- リレー指導しているんだけど、あまり手応えをつかんでいない。
- 運動会本番で、子どもたちの輝く姿が見たい!
10年ほど体育主任として運動会をまとめてましたが、リレー担当を兼任しながら進めることが多かったです。
その経験から、リレーに関する記事を書いてみました。
バトンパスの指導を中心として取り組む練習法についてご紹介します。
今日の概要はこちら!
この記事について、音声では「補足」を話しています!
運動会についてはこちらの音声も
目次
なぜ、リレーではバトンパスの練習に力を入れるのか
短期間で走力を向上させるのは、非常に難しいです。
例えば、体育大会のように長い練習期間があれば、そこにもチャレンジしていきます。
情熱大陸にも出ていた杉本龍勇さんのトレーニング法、こういったことを試していくことも、長期間であれば可能です。
体育大会のリレー指導はこちら!
では、短期で行うときには、何を指導するか。
それはバトンパスです。
いつも最初に次の話をします。
あお
ウサインボルトの100 m 世界記録 × 4と、400 m リレーの世界記録、どちらが速いと思いますか?
子どもたちは大抵、こう答えます。
絶対にウサインボルト!
ボルトより遅い選手でリレーはやってるんでしょ?
子どもたち
あお
ボクが現役の頃ということで、今では「ボルトって誰?」かもしれませんね。
さて、答えを比べてみましょう。
ウサインボルトの世界記録
9秒58(2009年)×4 = 38秒32
2012年ジャマイカのリレー記録
36秒8
えーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
子どもたち
こんな反応が必ず返ってきます。
タイムの差の理由を予想させてから、説明します。
タイムの差の理由はバトンパスによるものです。
トップスピードのバトンパスができれば、腕を伸ばした分だけ、走る距離は短くなるはず。
0からスタートする100メートル走より、走りながらもらえるリレーの方が、タイムは速くなります。
水泳のリレーのバトンパスもおんなじ原理だね!
まーくん
急激に足が速くならなくても、バトンパスなら練習次第で上手くなるんです。日本は他の国があまり練習しないバトンパスに力を入れて、今まで世界でも戦ってきたんですよね。
ブルーオーシャンに力を入れた素晴らしい戦略だったと思います。
こんな話から始めると、子どもたちが、「バトンパスやるぞー!!」ってなるはずです。
そうやって、子どもの心に火を灯すこと…
ボクはそれが一番大切なことだと信じています。
リレー指導におけるバトンの渡し方(小学生の場合)
1周走るタイプのリレーの場合は、「右でもらって左で渡す」が基本になります。
外側、内側のことは次の図でわかるでしょうか。上に走る場合の図です。
これが逆だと、走ってくる姿が見やすいのですが、スペースを空ける必要があります。
この空けるという技術が、小学生段階では難しいため、「右でもらって左で渡す」ことが基本になります。
リレー指導におけるバトンパスのポイント
大事なポイントはいくつかあります。
- 徒競走と同じフォームでスタートする。
- 全力で走り出してのバトンパスを目指す。
- 走る順番は、損得で考えない。
まずは、スタートの仕方です。
極力、徒競走のスタートと同じようにすることが大切です。
野球の盗塁のような形(足を横にして)でスタートしたい男子が圧倒的に多いので、そうではなくて、理論も踏まえて教えていきます。
これは全力で走り出すためです。
全力で走る減速の少ないバトンパスに近づくために、練習を計画していきます。
トップスピードに乗ってバトンを受けとれれば、1秒近く縮める事ができます。減速の少ないバトンパスができている場合には、みんなで拍手をするなど、自分の姿が見えない競技ならではの工夫も大事です。
また、走順については「損得で変えないこと」を話しています。
抜いた抜かれたの度に変えるんじゃなくて、バトンパスを重視させて、1秒でも早く次に繋げる事をよく話しているもんね!
まーくん
バトンパスのことだけを考えると、二人の走力には差がない方がスムーズです。
運動会本番に向けてのリレーの練習メニュー
ボクがよく用いていた運動会本番へ向けての練習メニューです。
- 試しのリレー
- ランニングバトンパス (バトンパスの基礎)
- 1対1のバトンパス練習
- コーナートップについて
- バトンパス ルパン練習と鬼ごっこタッチ
- チーム練習
- チーム練習
- 入退場練習
- 本番同様
- 本番同様
※毎回の練習の最後にリレーのタイムを測ります。
大体このようなメニューで行っていました。
❷のランニングバトンパスはこのような感じです。
一番前の走者まで行ったら、バトンを地面に置くと、最後の走者が拾う形になります。もう少しゆっくりとしたスピードで、ウォーミングアップに使っていました。
低学年はこんな練習も入れていました。
❺はなぜルパンというかは謎なんですが、初任校で受け継がれてきた練習です。
バトンパスでバトンを持っている前の走者の横に、バトンを持たないチームメイトが併走して走ってきます。このチームメイトはバトンパスをしないで、真っ直ぐ走り抜けます。バトンをもらって走った後の走者がこのチームメイトより前に行っていればバトンパスが上手い、遅れていればバトンパスが下手というわけです。
バトンパスの上手い下手を可視化する練習方法です。
隣をバトンパスをしない人を走らせて、比較するわけだ!
まーくん
あお
走力がおんなじぐらいなことが前提だけどね。。。
鬼ごっこタッチは後述します!
リレーのバトンパス練習法は、分解が基本
複雑な動きは分解していくのが体育の基本。
バトンパスもしっかりと分解していきます。
バトンパスの動きは次の3つ。
- 次の走者が全力で走る。
- 前の走者が「はい!」ということで、次の走者が腕を出すタイミングを指示する。
- バトンを渡す。
2と3は、全メンバーでゆっくりランニングしながら、バトンパスを行なっていくアップ方法(練習メニュー❷)で練習することができます。このとき全力ではなく、まずはゆっくりと走る中でおこなうことが大切です。
1の全力で走ること、これがバトンパスの大切なポイントです。
指導要領にも減速の少ないバトンパスという言葉で書いてあります。
ここは、「鬼ごっこタッチ!」という練習を取り入れています。
「バトンを渡す」という動きはせずに、「走る」に特化した練習です。
- 前の走者がバトンを持たずに全力で走ってきます。
- 次の走者は、バトンをもらうタイミングで前を向いて全力で走り出します。
- 全力で走っていても肩にタッチされたらOK。追いつかれなかったら、タイミングが違う。
こういう練習方法です。
鬼ごっこのように逃げながら、タッチされればOK。全力で走っても追いつかれる感覚と、その位置を確認するための練習です。
これでかなりバトンパスの感覚がつかめます。
まっすぐタッチしようとすると、足がもつれて危険です。バトンパスのように、左手で次の走者の右肩をさわるのは徹底してください。
努力の視覚化、リレーのタイムを毎回測ろう!
毎回、しっかりとタイムを記録していくこと、視覚化することは指導の基本です。
タイムを告げて、自分たちの伸びを可視化していきます。どうしても順位が気になるのですが、順位ではなくタイムの伸びに目を向けさせることです。
しっかりと子どもたちの中で体験学習サイクルを回るように進めていくことを意識します。
体験学習サイクルについてはこちら!
順位の上がり下がりが自分たちの成果の基準では、子どもたちは伸びていきません。タイムでほんのわずかな伸びも可視化していきます。
それによって、「全体で1秒でも速くすること」に子どもたちが目を向けるようになります。
当日にもタイムをとっておきます。ちなみにほぼ毎年、全チーム、当日が最高タイムになります!
あお
1位になったことを喜ぶ子の中には、「最高のタイムだったこと」を喜んでいる子も多かったです。
まとめ 小学生のリレー指導はバトンパスが全て!
運動会におけるリレー指導を書いてみました。
しかし、一番大切なことは、あなたの学校の先生に聞くことです。
君の学校、運動会ないしね!
まーくん
あお
子どもたちが希望したら、あるけどね。
ボクの学校はこんな学校です!
バトンパスに絞って書いてきましたが、子どもたちの満足度やタイムの上達のためには、バトンパスが一番だと思っています。ぜひトライしてみてください!
あお
それでは今日も良い一日を!
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