おはようございます。
ブログを続けてきましたが、このnoteを見て、圧倒的にボクには作業量と努力が足りないなぁと実感しているヒミツキチ森学園のあおです。
努力を続けていきます。
今日は、自分が問題と捉えている小学校の現状について、お話しします。
あお
こんなテーマで書いたことがなかったので、上手く書けるだろうか。。。
それでも書いておこうと思いますので、最後までお付き合いください。
15年続けてみて感じたことです。学校批判ではありません。最終的にはこのシステムに挑むようになると思います。
目次
問題点①:勤務時間のほとんどが授業時間であること
先生って本当に楽しい職業だ。
ボクはそう捉えてはいないが、「天職ですよね?」と保護者や同僚に言っていただくこともあった。
だけど、子どもと関わる時間が勤務時間のほとんどを占めており、その準備等は最初からそこに組み込まれていないのが現状だ。
例えば6時間の日を想像してみよう。ボクの勤務していた学校の場合だ。
勤務時間は、8:15〜16:45だ。8.5時間が勤務時間になる。一応休憩時間が45分設定されているので、およそ8時間だろうか。ただ放課後の「45分」にあてられており、休憩などせずに、せっせと仕事を片付けているのが現状だ。
6時間授業は15:00まで。その後下校は15:15に設定されている。子どもの下校をすませると15:30になっている。勤務終了まで残り75分というところ。この75分には休憩時間も含まれているため、やはり休憩時間なしで計算してみよう。
子どもと関わる時間は 8.5時間−1.25時間(75分)=7.25時間だ。
この時間が勤務時間に占める割合は、7.25➗8.5=0.8529… およそ85%だ。
85%、子どもと接していて、残りの15%に会議やらなんやらが入ってくるんだね。
まーくん
そういうことになる。
ボクの学校は下校時間が割と早めに設定されているから、他の学校では9割近くになるのではないだろうか。残り1割の中で、「会議」「授業準備」「振り返り」などなどをしていかなくてはいけない。
これは最初から無理があるのでは?そう思ってしまう。
もちろん空き時間もある。低学年は早く下校させることができるし、高学年も専科の時間等がある。高学年の担任をしていた時、専科の時間は、基本的にはその教室に一緒にいるようにしていることが多い。
高学年をやったことのある先生ならわかると思うが、ちょくちょく見ていることで、自分の学びになったり、荒れを防いだりすることができるからだ。
45分×3回ある設定だが、実質仕事できるのは、週で1時間分だろう。
9割近くが、子どもといる時間になる。
問題点②:初任者もレベル1で放り込まれる「学級」という難易度の高いダンジョン
中学校では副担任からという配慮があると聞く。
でも小学校はほとんどの場合、レベル1で放り込まれる。
ボクも初任の4月はそうだった。
1日から仕事を始めるが、全く知らない言葉が右に左に飛び交いすぎて、準備しているのか、何をしているのかわからない状態。
そして5日に子どもとご対面だ。
これはかなりレベルが高い。
授業ってどうやるの?と思いながらも、初任者もベテランもレベルは違えど、広さや深さはおんなじダンジョンに放り込まれる。武器も持たないまま。。。
あお
2日と2週間と2ヶ月で辞めようと思ったよ。
一応初任者担当はつくが、色々な学校を兼務しているため、ボクのところに来るのは、週に1度だ。週に1回は強力な武器を手に入れる。しかしながら、残りの4日は丸腰同然。
急激なレベルアップが求められていて、ここが一番しんどいんじゃないかと思う。
毎日、毎時間、不安になって隣のクラスを覗いていた。
よく乗り越えたね!
まーくん
ボクはその後なんとか武器を手に入れる。
本を読むようになったり、信頼のおける先輩に色々と教えてもらったり…素晴らしい人が周りにいてくれたことは、本当に嬉しかった。そして何とか初任のクラスもいい形で終わりを迎えることができた。
問題点③:ベテランでもプレイングマネージャー
さて問題はこれだけでは終わらない。
今度はだいぶ年齢を重ねてきて、学校における存在意義が上がってきたときを想像してみてほしい。
ベテランになったあなたは、教務主任などの役職を任されることになる。しかしながら同じ深さのダンジョンにまだいることを求められる。担任という難易度の下がらないダンジョンに放り込まれるのだ。
もちろん視野が広がり、ダンジョンの構造は何となくはわかる。
でもまだまだクリアのためには深いところに行かなくてはいけない。武器もだいぶ持つようになったが、同じように「仕事量」という重い鎧を身につけながら進んでいくことになる。目の前の敵に向かう時間は年々減っていく気がする。
他のダンジョンのことや、この世界を取り巻く構造にも目を見張らなくてはいけないからだ。しかも残りの1割の中でだ。
真の無理ゲーではないか!?
まーくん
副校長、校長という管理職にならない限りは、このダンジョンに毎年入っていくのである。プレイングマネージャーとしての未来は、あまり希望に満ちていないのだ。
ボクは教務主任をされていた方を心から尊敬していた。でも土日出勤が当たり前だし、プレイングマネージャーが抱えるダンジョンは難易度が上がるばかりだ。経験値があるので、難しいダンジョンに放り込まれる可能性が高い。
どうしていったらいいだろうか?
まーくん
攻略法①:ダンジョンを王国に変える!
この構造の攻略法として、いまだにこの方法をとり続けてしまう人が多いのではないだろうか。
昔から使われている手法は、自分が王様として君臨し、ダンジョンを王国に変えることだ。
「先生が絶対」を作り上げ、他を考えず子どもの興味関心を引き、ナンバー1であり続ける。
そうすることで、ダンジョンの中が居心地の良い場所に変わり、その居心地の良さで、全ての構造的欠陥のことなど忘れてしまう…そんな中毒性を持った手法である。
ボクも、昔ここに陥りかけていたことがある。
でもこの方法は良くない。
- 他のダンジョンのレベルを極端にあげてしまうことがある。
- 王国にならなかった時の壊れっぷりが凄まじい。
自分のクラスばかり考えていると、他のクラスの先生が困る。これは昔から言われていることで、「足並みを揃える」のが学年で良しとされている。
また、王国を築こうとしてもそうならないケースが近年増えているのだ。子どももいろんな子が出てきて、簡単に王国は築けなくなっている。
攻略法②:ダンジョン攻略に、心強い味方をつける!
この方法が現実的だと思う。
一緒にダンジョンを攻略する方法を見つけるのだ。
「学年の先生を味方につける」のが、最も有効ではないだろうか。
一人で冒険するより、二人、三人の方がずっと心強い。同じ敵(何かの問題)にたち向う時、一緒の方向を向いてくれた方がありがたい。ボクはそんなふうに考えている。
そんでもって同僚の結婚式準備に忙しいボクなんか完全に放っておかれて、ドッジボール大会は優勝候補を破っちゃった。そんな不思議な力がある。
しかもボクのクラスだけじゃなくて、ちゃんと学年も育っているのが嬉しい。みんなでやってるからこそできること。 https://t.co/PsvxEzuGQr
— あお@先生をアップデート (@aosenn) 2018年12月22日
「子どもたちを味方につける」ことができれば、最高だ!
ボクはそういう学級経営を心がけていたので、もしよかったら見てほしい。
子どもは時に敵(何らかの問題を生む)になりうることがある。一緒にダンジョン攻略する側に巻き込めれば、毎日が楽しくなる。ダンジョンに明るさが灯ったような気分だ。
攻略法③:自分のレベルを最高クラスに引き上げる!
自分自身をより高めていくことも必要だ。
時間がないのなら、時間を作り出す!
ボク自身もいろいろ考えて取り組んでいる。
【今日も仕事の終わりが見えないあなたへ②】
①仕事の速度を上げる
②仕事に打ち込むマインドをコントロールする
③仕事でやらないことを決めるただやがて①は限界がくる。意外と②が大切なことに気がつく。「やりたくないな」をどうやったらコントロールできるか、ボクもそこを追求してきた。
— あお@先生をアップデート (@aosenn) 2019年1月8日
ボクは仕事に打ち込むマインドの方を研究してきた。GTD、たすくま、手帳…そういったものは、楽しみながらマインドを鍛えるものだと思っている。
そして日々の振り返りから実行に移していくこと。目の前の子どもたちに合わせて実践を展開していくこと。
こういったことの繰り返しが、先生としてのレベルを確実に上げていく。そこから目を背けないで欲しい。
攻略法④:市町村、国よ、頼むから動いてほしい!
②③と有効な方法を挙げてきたかが、正直それでも足りない。
このままだと教員の減少が続くだろうと思われる。市町村、いや国規模の改革は絶対に必要だ。
どうか教員の人数を増やしてほしい。
各校にプラス5名を配置すれば、およそ学年全体を見る教員を置くことができる。そうすれば児童指導の問題など、だいぶ先生の負担も減るのではないだろうか。
ダンジョン攻略に、常に2人いるような感じは、心強い。
さらにプラス10名以上を配置することができれば、クラスを二人で見ることもできるかもしれない。もう一人でダンジョンでいることが、無理ゲーになってきている。
複数担任制、大いに進めてほしい。
二人で見ることで、子どもへの視点が増えるし、子どもの精神的なケアになる。最初は難しいかもしれないが、同じ子どもたちを複数で見て、その見方をすり合わせていくことは、これからの教育に絶対に必要になる。
あお
ヒミツキチ森学園にきて、そこができているから、子どもたち一人ひとりの育ちを見ることができていると感じています。ケアの精神って大事。
プレイングマネージャーもなくなり、より学校全体を見ることができるようになる。育児や介護に忙しい人には、午前午後の交代勤務もできるかもしれない。
予算はなかなかないだろうが、もうそこに割かないと、いずれ未来を担う子どもたちが育たない。どうか、市町村や国は、真剣に検討してほしい。
どこかの誰かにこの声が届き、教育のあり方が変わっていくことを願っている。
終わりに 学校現場の外へ出てみて
今年からヒミツキチ森学園というオルタナティブスクールで働いている。
そうやって外に出てみて感じることは、学校現場の中の先生の忙しさだ。
この記事を書いたのが2019年の2月。6年生担任をしていた一番忙しい頃。
今が2020年の11月。毎日定時退勤をしている。娘たちのお迎えを毎日行くことができている。
残業がデフォルトになってしまっている現場。定時退勤を誇ってしまうような現場。
そこにメスが入らないと、先生たちが倒れてしまう。先生たちが倒れたらそのクラスの子どもたちに影響が出てしまう。小学校は多くの子が通う大事な場所だ。
保育園もそうだと思うが、子どもたちをケアする役目を持った先生たちが、ケアされない構造をなんとかしていきたい。
- 学年全体を見る先生、各クラスの授業に1日1時間でも入ってくれる先生がいて、複数担任制度をとる
- 時間割のやりくりをして、水曜日だけは、全部午前授業。
- 給食の時間をランチルームに食べるようにして、休憩や会議をそこに入れられるようにする。
アイディアはあるが、「それは無理だ」で止まってしまう。
ボクの学園がそのモデルになろうとは思っていないが、実際に上の3つができていて、働き方は確実に変わっている。
これからもその道を探ってみたい。
あお
それでは今日も良い一日を!