おはようございます。
ヒミツキチ森学園のあおです。
さて、今日は小学校の学級目標・クラス目標のつくり方をお届けします。
数年作ってきたけど、本当にこれでいいのかな?って悩む先生が多いって聞くよ。
まーくん
あお
わかるわかる、ボクも試行錯誤を重ねてきたからね。
次に少しでも当てはまったら、このまま読み続けてくださいね!
- 何年間か作ってみたけど、学級目標にしっくりきていない
- 初任者だけど、本当にこの作り方でいいのかな?他にないのかな?
- 印象的な学級目標をつくりたい
この記事では、学級目標完全攻略と題してまして、次の構成で説明しています!
- 作り方の基本を説明
- 低学年で実際の流れを解説
- 中学年でイラスト×ビーイングのアイディア
- 高学年で目標を問い直す発展編
- 歴代の目標でアイディアを刺激
それでは順に見ていきましょう。
まーくん
こちらは音声で、2021年現在考えていることを発信中!
学級目標×ビーイングについてはこちらに連載!
この記事は、前ブログのいくつかの連載をまとめたものです。
過去数十年、取り組んできたクラス目標の作り方、そしてその成果と課題を載せています。
「一般的な作り方」というよりかは、ボクの中での最適解を探っての実践になりますので、そのつもりでお読みください。
記事の内容については、友人や先輩との対話の中で、考えてきたものです。
あお
主にKAIさんの実践から学ばせてもらうことが非常に多かったです。KAIさん、飲み屋でたくさん語ってくれてありがとうございます!
目次
小学校の学級目標・クラス目標とは?
まずは、クラス目標をどう捉えていけばいいのか、基本方針についてご説明します。
あお
「つくり方」を知りたい人は、目次から飛ばしちゃってください!
学級・クラス目標は4月に決めない!
まず言えることが、学級目標・クラス目標を4月に作るのは早いということです。
目標はもっと後になってから決めるべきだと思うのです。
なぜかというと、子ども同士の関係性が、話し合いが深まる状況にないからです。
ボクのクラスを見ていても、4月はまだまだ関係性の中に不安がありました。新しいクラスへの期待や、早くもクラスの笑いの中心となる子がいて、それをみんなで笑いあえる雰囲気はあるものの、まだまだ関係性ができていない状態です。
まさしく「フォーミング」の状態。
チームの状態についてはこちらが、おすすめ!
そんな状態の中では、安心して自分の意見を出すことはできませんよね。
また学級会という大昔の会議の形だったらなおさらだということ。1対1で話せる安心した雰囲気、場の中で対話は進みます。一斉での話し合いより、子ども一人ひとりでの話し合いの場が必要になるんです。
多くの学校が秋より春に運動会を実施するようになってきています。うちの学校も5月に運動会があるため、この運動会に向かう体験自体が学級目標をつくる元になることもわかりました。
あお
この時期に作ろうとするのは、大半は学校や先生の都合ですね。
提出書類に載せなくちゃいけないなんてつまらないことで、子どもたちを焦らせるのは残念ですよね。
もっともっとクラスで成功や失敗の体験の数を増やしていかないと、目指す姿なんて見えてこないんです。
本当に学級目標・クラス目標は必要か
間違っちゃいけないのは、個人の成長が全てだということ。集団のために一人ひとりの子は存在してるんじゃないんです。
子どもも先生も勘違いをしやすいポイントだよね。
まーくん
あお
若い頃は、ボクも勘違いして指導していたよ。
集団でまとまるのは、あくまで必要性があるときのみ。
いつも、まとまっている必要はないと思うのです。普段は個人を大切にして過ごしていても、いざって時に力を合わせられる関係性…これがボクの理想です。
集団の成長がちゃんと個人の成長につながるように、ボクらはデザインを考えていかないといけません。
そこを間違えないようにしていくには、目標と目的の違いをしっかり理解していく必要があります。
登山に例えると、目的は山頂のゴールに、目標はその途中にある重要なポイントに当たります。
「目的」をもとに作る、数多くある道しるべが「目標」。
目的は「子どもたちの成長」であり、あくまで1年の目標は、これから先のことをぼんやりと考えて、各個人が捉えているものだと思っているんですよね。
「目標」は個人が立てるもの。
クラスが掲げる目標は、子ども同士の目標をゆるやかにつなぐものになっていて欲しいのです。決まりごとだから守るのを強いられる残念な目標になっていないか。
ボクらはそこに敏感になっていく必要があります。
そう考えると、必ずしも目標って決めなくてもいいんじゃないか。そう考えています。
でもこのクラスだけ、目標ありませんじゃ、困るよね?
まーくん
あお
うん、だから目標は作るけど、子どもたちの希望に合わせていろいろな形をつくっているんだ。
この間、特別活動の権威ある先生の話を聞いて、この部分について触れていました。
「学級目標の目標は従来の目標ではなく、方向性のようなもの。学級目標という言葉がよくない。」
ボクも同感です。この言葉だと目標の定義がブレざるを得ない。
柔らかく考えていきたいですね。
学級目標・クラス目標の作り方の基本
この章では、基本的なつくり方についてお話します。
- 集める
- 絞る
- メタファーを使う
- 制作し掲示する
基本的にはこの4つでいいと思います。
どのくらいの時間数をかけるの?
まーくん
あお
しっかり授業の時間をとるなら、各工程で1時間ずつ合計4時間だけど、朝の会などを使いながら、実際は2時間で作ることが多いよ。
この辺りは難しいですね。実際にカリキュラムで定められているのは1時間だと思いますが、1時間では作れません(笑)
慣れると勘所をつかめるのですが、そう簡単ではないと思います。
朝の会や帰りの会、時には全体の話し合いを少なくして、実行委員などを使いながら柔軟につくりましょう。ボクは短期のプロジェクトを立ち上げる場合が多いですね。
低学年のクラス目標・実際の作成過程から考える
ここからは、5月末からの作成のプロセスを順に見ていきましょう。
あお
時間軸に沿って書いていきます!
低学年の学級目標の決め方① 集める
「3月25日にどうなってたい?」
いつも、ゴールの姿を問うところから始めます。具体的なイメージを誰かが発言しだすと、みんなも描きやすいはずです。
でもなかなか話しにくい子もいるんじゃない?
まーくん
あお
ちょっと発展だけど、次のようなカードを使うこともできるんだよ。
言葉だけじゃ難しかったので、今回も「しるらないカード」を使いました。
振り返りに使うカードですが、こうやってイメージを持たせるときにも大変有効です。
自分で「3月の姿に近いカード」をじっくりと選びます。
そのカードを持ちながら、ペアで聞き合うところからスタートしました。今年度も毎日のペアはすごく有効で、子どもたちの関係性をググッと広げてくれています。
ペアで話した後、カードを使いながら発表してくれました。
さてこの段階で、想いと言葉が集まりました。
カードを使ってイメージを持たせることは、低学年にとっては有効でした。
あお
語彙が少ないので、イラストで補うイメージです。
どの子も選びやすそうにしていましたし、価値の高い言葉が出てきました。
低学年の学級目標の決め方② 絞る
続いて、出てきた言葉を、短い言葉に集めていきます。
あお
この中で、どうしても残しておきたい言葉、たくさん出てきている言葉って何?
問いから子どもたちは考えます。
いくつかの言葉に絞りながら、数を聞いて、理由を聞いて決めていきました。
決まった学級目標は
みんな
かつやく・ともだち・せいちょう
あお
「友達」のところは、「仲良し」も出ていたので、それにしたかったのですが、子どもたちは「友達」の方が子どもたちがしっくりきていたので、この3つでいくことにしました。
ここまで一般的には2時間かかると思います。慣れてくると、うまく時間をやりくりして1時間でも大丈夫かな?
低学年の学級目標の決め方③ メタファーを使う
そして学級目標の肝となるのが、「メタファー」です。
メ、メタファー??
まーくん
あお
相変わらず横文字弱いなぁ。
メタファーとは比喩のことです。
目標自体を何かに例えることです。これを使うことで、掲示物が格段につくりやすくなります。また学級で何かを作るときには、そのメタファーで作るので、子どもたちがイメージしやすくなるんですね。
例えば、「ひまわり」だったり「宇宙船」だったり…
よくやるのが、「成長デザイン」です。メタファーを成長できるものにすると、クラスの成長と共に重なるため、掲示物などに発展させやすいのです。
ひまわりだったら伸びていったり、宇宙船だったら他の星に行けるようになったり…ですね。
あお
ボクのクラスの場合を話しますね!
この年は、初めてのビー玉貯金をおこないました。この5月末より前に、ビー玉貯金はスタートしていました。
目の前の子どもたちにピタッとはまった実践だったので、楽しみながらやっています。転入生歓迎パーティーや長縄やドッジボール大会の成功を祝って、たくさんのパーティーを開いてきました。
そのビー玉は「クラスにとって、どんなもの?」という問いから、メタファーを考えることにしました。
- 音符(音楽家)
- 星(スペースパイロット)
- コイン(トレジャーハンター)
- ハート(お医者さん)
上の4つに絞りました。
ボク個人としては、ハートだったり音符だったりすると、この後の展開が面白かったのですが、子どもたちはコインを選択しました(笑)トレジャーハンターとなってお宝を探す旅に出発することに…。
あお
違う方向に動き続ける面白さが、この子たちの特徴です。子どもが納得して進むのが一番です
もちろん、子どもたちと宝探しに夢中の1年でした!ビー玉はお宝のコインとなっています。
みんなでいいことして、お宝を貯めよう!
子どもたち
積極的に宝探しをしています。メタファーがあることで掲示物も作りやすくなりますので、毎年作っていますね。
低学年の学級目標の決め方④ 制作し掲示する
合計3時間の話し合いでしたが、無事に決まった学級目標。それをみんなで飾りました!
達成したことをコインにして宝箱にためていっています。
そして学級目標と日常をブリッジする役目として今年度も「運動会で大切にしてきたこと」からスタートした「ビーイング」を使っています。
ビーイングは宝の地図として、貯めていっています。
「学級目標や個人の目標達成のために、クラスで大切にしたいこと」を書いてあります。これを日常、行事の場面で使うことで、さらに増やしながら充実させることができるんですね。
あお
クラスに一言言いたいときに、ぐっと我慢して、ビーイングの言葉を使って話すことは大事です。
ビーイングに沿って話すことで、この地図を「だいじなもの」だと思ってほしいなぁと。
そう考えながら、地図に言葉を貯めていきました!1年間でだいぶたまりました。
ビーイングは発展的な内容なので、この後の章で説明するよ!
まーくん
中学年 学級目標をイラストで作る!?
さて、中学年の場合はどう作った?を話したいと思います。
2016年度、そして2017年度は「イラスト×ビーイング」で学級目標を作りました。
イラスト!斬新!!
まーくん
イラストの力ってすごい。なんかクラスの雰囲気を柔らかくしてくれるんです。見てると嬉しいような。ボクはあらためてその力を実感しました。
言葉じゃないって色々な人の想いを込められる…
そういう点でふわっとしていて、ボクはすごく好きでした。
その分ビーイングをしっかりとたてます。
ビーイングとは、「個人の成長のために、クラスで守る必要がある決まりごと」だと、ボクは思っています。
次の本が非常に参考になりますが、詳しい話はこの記事の最後に。
集団での1年間の大きな目標については無くてもいいと思います。ただし行事になら話は別です。
その行事に向けて、個人も集団として突き進むからです。うちのクラスは行事ごとにがっつり目標を立てていきます。(全校・学年のスローガンを元にです。)
行事には「ビーイング」から取り出して言葉を選んで全体や個人の目標を立てます。そして、またそこからクラスのビーイングを更新していくようにするんです。
あお
この辺は2022冬発売の本に書きました!お楽しみに!
ぜひ手に取ってみてください!
まーくん
目標は個人、集団はビーイングの活用。
この個人と集団をブリッジさせることが、両方を相互的に高めていくことにつながるのです。
まずは運動会に向けての目標づくりと仮のビーイング作り。その後、学級目標をイラストベースでつくりました。
あお
ここからは2017年度のクラス目標作成のプロセスをご紹介します!
中学年 学級目標のつくり方① ソロで意味を考える
学級目標に関しては、この年も、あのカードを使うことからスタートです。
しるらないカード。PAJにいる友人である「ゆきさん」が描いた素敵なカードです。
カードによる振り返りは、言葉という枠に左右されず、幅広い振り返りが出てくるので、大切にしています。
PAJのホームページにはたくさんの学びが!
今回も、
「3月にどういう状態になっていたいか?」
「具体的なゴールはどういうイメージ?」
でカードを一人一枚選んでもらいました。
この時、言葉から入ると、「協力」「大切」とか、より平均的なものに収束してしまうんです。しかもそういう体験を十分に積んでいるか、そうじゃないかで、出てくる言葉もだいぶ影響されてしまう。前の学年までの子どもたちの力関係も微妙に見え隠れしたりなんかして…
4月に目標を作らない理由は、運動会もあるのですが、体験の不足が最も大きな原因です。
十分積んだと思っている6月のこの時期でも、注意しないと単調な言葉に流されます。
だから、絵で入るのです。
絵だとその人の見方がまず影響を及ぼします。「あぁ、そういう見方をしたんだ」っていう一人ひとりの捉えがあります。
また、他の人のイメージを擦り合わせていくときに、言葉以上にいろいろなものを含むことができるのも大きい。お互いの思いを絵の中に込められる。
似たような意味でも言葉だとどっちかにする必要があるもんね。
まーくん
あお
片方を削るよりかは、含めることを大切にしたいね。
言葉だと「違うもの、はっきりしたもの」になってしまうから、こうはいかないのです。
ボクらは少し言語に頼りすぎかもしれません。
選んだカードについての想いを、一人でジャーナルに書いてもらいました。
- みんなと一緒に成長する。3月にはそれが一人一人の成長につながっていてほしい。
- 自分から声をかけあえる、助け合ったり、一人で全部をやらなかったり…そんなクラスにしたい。
- 共通点を見つけ合うクラスにしたい。お互いの共通点を探しながら、理解しあえるような…安心感のあるクラスにしたい。
- (迷路のようなカードを引いて)私はときには転んだり立ち止まったりしてもいいから、後ろは向かないで、迷わず進む自分になりたいからです。クラスとしては、迷ったら協力して、なるべく先生の力を借りずに、解決したいと思っています。
37通りの言葉が並んでいましたし、選んだカードに意味が生まれました。
中学年 学級目標のつくり方② 友達とすり合わせる
2回目は30分ほどの話し合いの時間をとりました。
この間ジャーナルに振り返った、ソロでの自分の考えについて、友達と対話する時間です。
言葉でやると「お互いを信頼する」「相手を尊重する」など一つにまとめようとしがちです。その場合、どちらかが残り、どちらかは「相手の言葉に意味を混ぜる」というような強引に進められてしまう場面もあるかと思います。
でもイラストは、両方の意味を1つのものに込めることができる。
対話して、お互いの思いを聴きながら、1枚のイラストにその気持ちを全部入れたり、まだ取られていないカードから新しいカードを引いたりしながら、進めていきました。
その際、
「最後まで一人でもいいよ。無理やり合わせないでね。」
ということも強調しました。子ども同士の対話の流れに任せるので、重要な言葉や考えが無理にまとめられないようにしたいからです。
「自由に動いていいよ」という形で話し合いが始まったのですが、どうしても最初は男女で固まってしまってました。いつもは声をかけずじっと見守るのですが、今回はいったん固まってしまうと、それに流れることもあったので、
あお
今回は男女でも積極的に話してね!
と伝えました。
これは失敗したと感じました。
例えば「グループ内でまずは4人で聴き合ってから他に行こう」などとした方がよかったなぁと思っています。
そんなこんなで12枚がそろいました。中には同じ意見もあるので、もう少し学級目標プロジェクトのメンバーと絞ることになったのです。
プロジェクトについてはこちらをどうぞ!
「この後はどうしたい?」
と子どもたちに相談しました。1枚の絵にまとまるのか、絵が数枚あるのか、そのあたりもじっくりと相談を重ねました。
学級目標のつくり方③ 対話でイラストを絞る
クラスでとった時間の3回目。
前回のカードを実行委員さんがグループ分けをして、みんなで話し合った結果、新しい絵を描くことが決まりました。
そして投票で3枚の絵が残りました。それらの絵を組み合わせて構図が決まり、材料のアイディアがはっきりとしてきます。
デザインとして和紙で作った一人一人の型(これは個性を示しているので、自分で飾り付けてOK)と中央の草木が飛び出したデザインに決まりました!!
中学年の 学級目標のつくり方④ ついに目標完成!
2017年度のクラス目標・学級目標はこのようになりました!
話し合いの末、子どもたちが相談しながらイラストに表現していきました。
- 外側の輪っかは「一人一人の個性」「考え」「気持ち」を大切にしながら、話し合い、助け合い、仲間を大切にシあえるクラスという「みんなのまとまり」をイメージしました。
- 中心のイラストは、その一人ひとりが、植物のように心の水を得て、安心して、成長していく様子を表しました。
選ばれたイラストを具現化したらこのような形になりました。
子どもたちが話し合い、決めたこと。ここに価値があるんです。
デザインについても、どこの誰かが作ったキレイなものではなくて、子どもたちの「納得解」で、全員でデザインしたものなので、できたときに本当に嬉しそうでした!
このデザインを中心になってした女の子…この子が飛躍的に伸びたのが、1月から3月にかけてです。おとなしかったこの子が、クラスの主役に躍り出たのです。
自分たちで作り上げる体験が子どもの自己肯定感を伸ばし、いつか花開くときがくる…
だからこそ個にアプローチしていく必要があるのだと思います。
また、真ん中にはビーイングを、運動会のものから引き継ぎました。
残すのは…
子どもたち一人ひとりが成長するために必要なもの
です。
この2つをちゃんと分けることが大切だね。
まーくん
あお
ビーイングは可変的。どんどんクラスとともに成長していくんだ。
「個人個人が日頃から、自分のためみんなのために大切にしたい言葉にシールを貼っておこう。」と言って可視化。
シールが多かったものを、透明な真ん中のイラストシートの奥に残しました。中の用紙がどんどんバージョンアップできるように、透明なシートにイラストを描きました。
外側の一人ひとりの後ろ姿は本当に個性的。大好きなキノコや恐竜をデザインした子もいるし、自分の好きな姿を飾り付けた子もいる…そうであってほしいんですね。
あお
このクラスも本当に個性豊か。その個性が花開いていくこと、3月にはその姿が見えました!
イラストだけじゃ困る?目標✖️ビーイングの価値!
前期が終わろうとしている時期(10月)に、ビーイングの更新を行いました。
参考になるサイトはこちら!
「自分たちで自分たちの約束を作る」
これに近いイメージです。
「個人の成長のために、クラスで守る必要がある決まりごと、大切にしたこと」
です。
ずっと同じビーイングを貼りっぱなしではなく、新しく更新していきます。
9月の体験学習で出てきた気づきの言葉と、今までのビーイングを合わせて、
「自分が取っておきたい」「クラスとして必要」なものに1つずつシールを貼りました。シールが1枚でも貼られた言葉は大切にとって新しいビーイングに書くようにしました。
これが子どもたちが大切にして、残したいと思った言葉です。
真ん中の学級目標に、水が与えられ、成長していく感じ。植物のツタ自体も成長していくと面白いかな。
日常でどう生かしていくかが大切だと思っていて、それには次のようなアイディアがあります。
- 1時間の中でめあてにする。
- 子どもの良い行動と言葉をつなげる。
- 1つ取り出して、道徳で扱ってみる。
- 今日のめあてにする。
高学年 学級目標を問い直して作る
そもそもクラス目標って必要なのか?
高学年のクラスの話し合いもそこからスタートしました。
「いや、絶対必要でしょ!」
「でも、窮屈な気がしない?」
そんな本音の意見の中、進んでいきます。
ボクもこんな意見を出しました。
あお
ボク個人としては、一人一人を大切にしたいんだよね。クラスが先にあって、個が目立たないクラスじゃなくて、一人一人が際立つクラス…そういうの目指したいんだよね。
子どもたちとの話し合いはワイワイ続いていきます。
「1つの目標をみんなで、1年目指すのに意味はあるの?」
一人の意見をきっかけに、みんなも「うーん」と悩みます。
「今まで当たり前にあったものを見直す」ってすごく大切なことだと思うんですよね。でも学校の中でもなかなかそれがない。言われたからやる、昔からあるものだからやる。
こういう当たり前に従うことを教え続けたら、この変化の多い時代に対応できるでしょうか。
ボクは、当たり前を疑い、どうしたら良いか一緒に考える先生でありたいなって思うんです。
学級は、チームというか共同体なんですよね。普段はバラバラでもOK。
でも何かあるときは一緒に動く。
お互いの大事にしたいものがあって、それをうっすら知っていて、一人一人がそれに向かっている感じ。
この状態を自然だと思っています。
時には、大人から見たら不要なことにひたすら向かっている子もいる。それもOK。
子どもらしくいるってこういうこと。
先生の仕事はっていうと、
何か力をあわせる必要があった時に、
「オラー集まれー!」
って煽るんじゃなくて、
一つのことが決まったら、それにみんなが向かいやすいように、調整する役割。
どうでしょうか。
ボクはそんな肩の力が抜けた、でもなんか期待感を持たせるそんなクラスにしたいと思っています。
この年のクラスはまさにそんなクラスだって、保護者からも言われてたね。
まーくん
6年生になると、こういう話もできる。
話し合いの積み重ねではなく、対話の積み重ねが方向性を決定していくんです。
ちなみに、学習する学校の考え方では、共有ビジョンは次のように語られています。
文言などではなく、 「あなたとあなたの目の前にいる人が、互いに個人のビジョンを聞き合える関係性にある時、その間に生まれているもの」です。
そう、つまり目標(ビジョン)という言葉があるんじゃなくて、個人の願いと個人の願いの間に生まれているものが大事だということです。
学級目標・クラス目標のデザインが決定
そんな中、一人の子からこんな意見が上がりました。
「個人の目標をそこに飾ろう。でもそれだけじゃなんか目標って感じしないから、みんなの個人の目標を集めて、何かの形になるようにしよう!」
「おぉーーーーーーーそれいいね!!」
そこまでの話し合いがあったから、うまく納得できた瞬間でした。
それにしても子どもたちの発想は素晴らしい。ボクなんかの想像をはるかに超えていきます。
6年生の面白さってこういうところ。
個人目標を集めて何の集合体にするかを話し合いました。
いくつかの意見の中から、最終的に決まったのは…
未来へ羽ばたく鳥 でした。
一人一人の目標は羽根に書こうということになりました。
すごいアイディア!
まーくん
あお
先生としてもワクワクしました!
そして卒業を迎える時には、桜が満開になるように目標を進めていこう!ってみんなで約束したんです。
学校事情とぶつからないようにシンプルな言葉も決定
とは言え、行事ごとや卒業アルバム、PTAの卒業特別号などには、学級目標の言葉がしっかりと載っていることも考えると、「やはり言葉も必要かなぁ」と子どもたちに伝えました。
「そうだよね、作ろう、作ろう!!」
ノリノリで応えてくれる子どもたち。
30分ほどで一つにまとめることができました。
笑顔の桜 輝く未来へ step up!
ステキな学級目標の言葉が完成しました!
学校事情に合わせていくことも大切だよね。
まーくん
あお
異端はいつも叩かれるからね…
学級目標のエンジンは、ミッションとビーイング
学級目標として、昨年度作ったものとの違いを生みたいと考えていました。
先生の中では大切にされている
成長を視覚化して、子どもたちと共有したい
にはボクも賛成です。
学級目標を成長する何か、例えば「ひまわり」だったり、「海賊船の乗組員」だったり…
そういったものに設定することで、成長を可視化することができて、子どもたちとそれが祝えるのです。
そこにボクらは「ミッション」を取り入れることにしました。
ミッションはこの本に詳しく載っています!
達成できた分だけ桜に添えて目標を増やしていこうということになりました。
そして桜の幹の中には、行事で重ねてきた「個人の目標を達成するために、集団で大切にすること」を記入していきます。
最終的に、大切にしたいものは、白い桜で書いているもので、その桜をピンク色に卒業まで染めよう!という子どもたちのアイディアを採用しました。
個人の目標の達成が大事。同調圧力による集団の成長は常になくてもいい。
その個人の目標の間を緩やかに繋いでくれるのが「ビーイング」。これだけでもPAと出会えてよかったと思う。
いわゆる「ビーイング」というやつです。
ここまでの構想はすごくいいんですが…
問題点は、この桜を増やすこと自体が停滞してしまっていたことがありました。
ミッションを増やし、桜を増やすこと自体にいまいち価値を感じることができなかったようでした。低学年のビー玉貯金ぐらいのシンプルさが必要かもしれません。
あお
日常的に学級目標を無理なく走らせることが難しさでもあり、面白さでもあります。そこはまたチャレンジしていきます!
学級目標・クラス目標のデザイン例・アイディア
この年のビーイングは木の部分に書いてあります。何度も練り直して、洗練されていきました。
あお
他の年に作ったものも見ていきましょう。
なりたい姿が、溢れ出ていたクラス。5つの目標に集約し、メタファーは「きのこ」だったクラス。
卒業式で、「きのこ!」って叫んで笑いが起こってました(笑)
5年生の学級目標です。オーケストラのように一人一人の音を奏でる、メタファーは「オーケストリ」!
雲の中にその後ビーイングが飾られていくのでした。
立体型のメタファーに挑戦した6年生。
ボクは全くノータッチで形にしちゃうこの子達のデザインっぷりがすごかった。
表現力豊かだったな。
1年生ながら、ビーイングまでガッツリ作ったクラス。
学級目標・クラス目標 徹底攻略
あお
長文お読みいただきありがとうございました。
学級目標やクラス目標を「個人の目標の集合体」として捉えるということに関しては、ここ数年で手応えを感じました。
クラスで1つを唱えるのが目標でなくていい。
いつでも強く結び合っている必要はない。
当たり前を疑うって大事だね!
まーくん
学級目標×ビーイングについてはこちらに連載!
今日のような理論と実践を行き来しながら、1日の学級の様子、1年の学級の様子を濃厚にまとめたのが、下の書籍になります。
今日の記事を読んでいただき、「学級目標以外は?」と思った方は、ぜひ手に取ってみてください。
ぜひ手に取ってみてください!
まーくん
あお
それでは今日も良い1日を!
学級経営についてはこちらで!
こちらは音声で、2021年現在考えていることを発信中!