おはようございます。
ヒミツキチ森学園のあおです。
今日は「教育実践をする上で大切にしたい4つのポイント」をお届けします。
あお
「教育実践」という言葉は論文などの研究に多く使われますが、ここでは、優れた先行実践を真似てみる方のニュアンスでお願いいたします。
つまり「やってみたい実践とどう向き合うか」です。
- 自分のやってみたいことが、生まれてきている先生
- 教育実践をやってみてるんだけど、上手くいかない先生
- 周りの方とのバランスに悩まれている先生
そんな方に届くといいなぁって思います。
目次
教育実践のスタートは、記録を読むことだけ?
新しい実践を、SNSなどで発見することも多いかと思います。
知ったとき、その実践の成果を読んだとき、ボクらは「うちの教室でもできないか?」と考えると思います。
そのワクワク感は非常に大切だと思っています。
ただ、本やブログで読んだだけで、実践を理解した気になってはいないでしょうか。
ボクは「実際にやってみると、上手くいかないんですけど、どうしたらいいですか?」という相談をたくさん受けてきました。
あお
実践を作った人に当たってください!と何度も言いました。
それはイメージが湧いていないからだと思うんです。
実践のイメージってどんな感じなの?
まーくん
あお
どういう状態が実践の理想的な姿かってことだよ。
ボクは新しい実践に取り組む際には、
- 最低でも実践家に会う機会をつくること、話を聞くこと
- できれば実践している教室の様子を見せてもらうこと
を心がけてきました。
「自主学習」に取り組む際には、著者のナオトさんとスカイプでいろいろ質問させていただきました。
「PA」に取り組む際には、KAIさんの教室にいったり、PAJの研修を受けたりしました。
「学びのカリキュラムマネジメント」を始めるときは、みゆき会の3人の講座を受けました。
最低でもこれくらいのことはやってから実践に臨んでいます。
今のヒミツキチ森学園でも、イエナプランを取り入れての実践なので、リヒテルズ直子さんと直接お話しできる機会をいただいています。
あお
多くの方がやっていることだと思われますが、最近軽く始めて、試行錯誤なしに実践を終える先生が多くて残念に感じたからです。気分を害したら、すみません!
教育実践の区切りは?新年度より、今小さな一歩を
圧倒的に多いのは、「来年度は〇〇をやりたい!」という力強い宣言です。それを1月ぐらいからつぶやいている人がいるのも見かけます。
新しい学年になってからという希望も確かにあるのだけど、ボクは今すぐ試してほしい!って思うのです。
【惹かれる実践を見つけた先生へ】
小さく始めること。
新年度じゃなく、今のクラスでやってみること。実践と振り返りをセットで行えば、どのくらいできそうかイメージがつく。イメージを持てるのは大きい。
イメージない実践は、パッチワーク。
残り2週間で、今のクラスでやってみよう!
— あお | 先生をアップデート (@aosenn) March 8, 2019
先ほど話したイメージを膨らませていくために、実践は4月からより、今のクラス、学年で行うのが一番だと思うからです。
今のクラスでだと、自分の話も通るだろうし、信頼も築けています。実践をスタートするハードルがとても低いのです。
4月はとっても忙しい。
その中で丁寧にスタートさせていくのは、なかなかの至難の技です。
でも3月に始めていれば、スタートのイメージもありますし、何よりノウハウも少し溜まっていて、4月に突入できます。
あお
丁寧に振り返って、4月からの実践につなげていってもらいたいです。
教育実践は、あれもこれもやらず、1つに絞ること
そして1年に1つが基本です。
ボクが尊敬するゴリさん(岩瀬直樹先生)も、「一点突破が基本」とよく話していました。
【新しい学級で複数の実践を考えている先生のあなたへ】
どれもやりたいだろうけれど、グッと我慢して、2個までに絞ってください。
基本は1年に1つずつ。
1つに絞れば、絶対に壁やマンネリにぶち当たります。
目の前にの子どもの実態に合わせて、それをどう突破するか、考え抜いてください。
— あお | 先生をアップデート (@aosenn) March 16, 2019
今やSNSでも、セミナーでも、たくさんの実践が溢れている時代。
どれもこれもやりたくなるのはよくわかります。
でも絞りましょう。
1つでやっていると、いろんな試行錯誤が生まれます。5個も6個もやってみようとすると、まずやるのに精一杯では?と心配になります。
こなすことと実践することは全く違います。
実践というのは、詳細な記録を取り、丁寧に振り返り、次の手を打っていきます。その実践に関して、たくさんの書籍を読むし、たくさんの人と交流します。
あお
これを一気に5、6個やれて、子どもを伸ばせるのだとしたら、そんな人に会ってみたいです。
ボクは、1つが精一杯でした。でも1つに絞っていたからこそ、できたこともたくさんあります。
「自主学習」では、親友であるトミーとともに1年間実践を共有しながら、新しいやり方を考えました。カレンダーと記録シートとの融合は、その時に生まれたものです。
やっぱり1つに絞るって大切だなぁって思います。
教育実践に、最初からバランスを求めないこと
これも非常に大事な概念です。
実践の際に、いきなりバランスを取ろうとしないこと。
実践の際には色々とハードルがあります。
目の前の学年に合わせてとか、普通の授業と織り交ぜてとか、アレンジをいきなり加えるのはやめましょう。
目の前の子達に合わせていくことは大事ですが、最初から全てのことにバランスを取ろうとしないことです。
ぶっ飛んだ実践でいいってこと?
まーくん
あお
1年は忠実にやりきることって大事だと思うよ。
元の実践に忠実にやり切ってみてください。
例えば「学び合い」七年前、二年間がっつり取り組んだ。ホント毎日、毎時間ってぐらい。
そこまでやると、「これは僕にとってのゴールじゃないなぁ」と感じ、その先にある「学習の個別化」へのステップとして捉えることができた。
全員一緒の課題は今は違和感。だからクラス序盤のステップ。
— あお | 先生をアップデート (@aosenn) January 28, 2018
がっつり取り組んで、いろんな苦労もする。他の人に迷惑もかける。
そのあとだからこそ、バランスが取れると思うんですよ。
振り切って実践してみないとわからないことが多い。
- 自主学習でたくさんの保護者に「何をしたらいいか困っている」と言われた。
- 全時間社会を学び合いで通した1年があった。
- 作家の時間に振り切って取り組み続けた1年。年6回の文集発行し、書くことに没頭した。
たくさんの失敗があるとしても、また振り返って前に進みましょー。
ぐるぐる回る教育実践の循環はいいことなのか
最近気になっていることがこれですね。
15年間教員をつづけて最近わかったことなのですが、10年前にやっていた実践であっても、ごく最近注目される機会があるということです。
これはそれぞれの先生がその実践に出会うタイミングがあると思っているので、いいと思うのですが、実際には時代が前に進んでいかないんじゃないかということ。
どゆこと?
まーくん
実践ってある程度、出された直後にいろんな方がやってみるってことが生まれて、おそらく実践を追ってみた記録がなかなか現場の先生に見える形で蓄積していってないんじゃないかということです。
論文レベルでは残っているのだと思います。ただ、それが現場の先生まで届いてこない。
だから、実践をやろうとすると、一から始める必要があるし、新しく感じてしまうんじゃないかなぁと。
あお
悪いことではないと思うのですが、教育全体の底上げにはならないのではないかって思うんです。
良いものは、実践への取り組みとしてどんどん残されるべきだし、実践者の工夫や課題も含めて、次の世代にバトンを渡せたらなぁって思うんです。
次に先生になる方が、またイチからのスタートではなくて、何らかのステップを得られるように、そう願ってボクもこのブログを書いているんですが。。。
あお
個人の取り組みは微力ですし、そもそも研究の域までいっていない。反省だらけです。
何とか教育の全体を押し上げるシステムが生まれたらなぁって思うんです。
教育実践をする際のポイント
- イメージを湧かせるために、できることをやること
- 今から小さく始めること
- 1つに絞ること
- バランスを最初から取ろうとしないこと
いかがだったでしょうか。
新しい実践をやりたい!という気持ちは本当に大切です。すぐ試せることも教師の魅力だと思います。
【若い先生へ】
若い頃考えていた「先生」という職業の魅力って、「すぐに試せること」だった。
上司の許可なく、知り得たことをすぐに試すことができる。たくさんの失敗もあったけど得たことも大きい。
「もっと試せ」
「悩む前にやってみ」今の若手に言ってる言葉。子どもと一緒に試行しよう。
— あお | 先生をアップデート (@aosenn) March 16, 2019
でもその前にどう始めたらいいか、何に集中させて始めるか、考えてみてください。
あお
それでは今日も良い一日を!
ボクの実践を集めてみました!
手放せない本たちです!