おはようございます。子どもたちとサッカーをし過ぎて20時に寝落ちしたヒミツキチ森学園のあおです。
シリーズ第4弾は、「個への関心がクラスをつくる」というお話をさせていただきたいと思います。
ん?個への関心?クラスという集団を作るのは、集団としての見方ではなくて?
まーくん
それが勘違いで、クラスをつくる、豊かにしていくのは、一人ひとりへの関心からスタートしていくってことをお話しできたらなぁと思います。
未だにボクができていない分野ですので、ボクの課題としてもお話ししたいと思います。
あお
15年やっていながら、お恥ずかしい限り!
目次
1対30じゃなくて、1対1を30回
みんなのオンライン職員室の講座で講師の方がお話しされていたのですが、日本の教育における先生:生徒の比率、いわゆる1:30というのは、世界の標準と比べて圧倒的に多いのです。
20人のクラスを二人の先生で見るというのが世界の標準だそう。
日本の先生の難しさが単純にここにあるんだね。
まーくん
ボクも集団としてどう動かすかを学んできた最初の3年ぐらいでしたが、すぐにそれではうまくいかないことがわかりました。
集団として見ると、一人ひとりがどう考えているか、どんな子か、どんな想いをもっているか、そういう視点が薄まっていくのを感じたからです。
しかしながらその後、個への関心が高まり、クラスは様々な違いを持った個人で成り立っていて、個にどれだけ寄り添えるかが大事だなぁとつくづく思うようになりました。
あお
一人ひとりに関心をもち、つながりを作っていくかの方がはるかに大事だと実感しました。
1対30で見ていたものを、1対1を30回行うようにする。全員と対話するんじゃなくて、一人ひとりと対話を地道に繰り返す。
この積み重ねが、クラスの雰囲気を作っていき、一人ひとりの子どもたちが集団の中で生き生きしだす。そうなると、集団で見ていた頃には起こらなかった大きな成果が出るようになりました。
もちろんある程度の集団に対するスキルや、個同士をつなぐための知識や経験は必要になります。集団としての見方やスキルが必要ないわけじゃありません。
ただ、そのやり方は恐ろしく地道で、例えばこんな感じです。
徹底してやらないと1日の中でできるわけではありません。
でも、今思い返しても、まだまだそれだけじゃ足りないんだよなぁと感じる今日この頃です。
何が足りないの??
まーくん
あお
このアプローチも、いわばおんなじことをみんなにしているわけで、そうじゃなくて、一人ひとり違ったアプローチがあるんじゃないかってことです。
求められるのは、徹底的な個への関心
ただ個への関心をどう持ち続け、どうクラスに生かしていったらいいか、その視点がボクには足りなくて…
そんな時、ゴリさんの本を読んで、納得できるものが非常に多かったんです。そして今の自分の課題とも本の内容が完全に合っていました。
ボクの実感値として「個に関心を持つことの不足」を一気に突きつけられた気がして…
当時、落ち込んだのを覚えています。
あお
まぁ、落ち込んでも、その後行動しか、ボクにはできないんです。
一人ひとりにどう関心を持てるか、そこを考えて実践していきました。
ゴリさんも本の中で書いていましたが、作家の時間や読書家の時間のように、子どもたちが自立的に学んでいける授業を行うことは1つの答えだと思います。
先生の徹底的な観察の時間を生むには、先生がグイグイ引っ張る授業を減らしていくかが鍵だと思うので、学習のデザインををもう一回マネジメントして捻出していく必要があります。
また、ボクの場合、子どもの中にどう入りこむかっていう視点を大事にしたいんです。
俯瞰的に子どもたちを見ることも、もちろん大事。でもそうじゃなくて、子どもと同じ目の高さで中に入り込むことも同じくらい大事。その視点って年齢を重ねると忘れがちになっちゃうんですよね。
あお
そう感じた時、つまらない大人になったなぁって…
経験を重ねるうちに、誰もが通ることなんじゃない?
まーくん
シンプルに休み時間一緒に遊んだり、ワイワイ話しているところに入っていったり…
最近、振り返りでもあげているんですね。
「中に入り込む」って感覚を大事にしていきたいです。
ナビゲータのための3STEPが教えてくれること
先日、神戸にあるラーンネットグローバルスクールの角谷俊樹さんをお呼びして、みん職内で講座を開きました。
その時、角さんがお話ししてくれたことの中に、ナビゲータの3STEPとラーンネットでまとめているものがありました。
- STEP
知る・感じる
一人一人の子どもにどういう特徴があるのかを観察や関わりの中で知り、感じる
評価しないこと
- 何が好き・得意か
- どういう表現をするのか
- どう人と関わるか
- どういう時にやる気が出るのか、なくすのか etc
- STEP
ゴールイメージをもつ
どうなってほしいのかのイメージをもち、本人と共有する
- 〇〇ができる
- 〇〇に積極的に取り組む
- 友達と仲良く
- こういう価値観を持って欲しい etc
- STEP
ナビゲートする
自分でできるようになってもらうために、様々な接し方を試みる
- 良い例を見せる
- 一緒に取り組む
- 必要ならば助ける
- 質問する
- フィードバックする
この順番が非常に大切だなぁと思っていて、個への関心が低いと、このSTEP1とSTEP2をすっ飛ばして、STEP3をやりがちなんですよね。いきなりナビゲートしちゃう。
あお先生、耳が痛いんじゃない。
まーくん
あお
はい、自覚しています。ボク未だにやりがちです。猛省の毎日です。
でも、まずは知る・感じるっていうことからなんですよね。
「どうしてそうやってみたの?」
と本人に聞くことも大切。
そうやって、相手のことを知って、じゃあ一緒になりたい姿・ビジョンを共有してから、ナビゲートしないと子どもたちは決して次の行動を自分からとっていけないですよね。
この徹底している姿勢こそが、ラーンネットの子どもたちの強さに繋がっているんだと思います。
3STEPとあるように、一つひとつのSTEPに間があることも実は大事。
子どもたちを理解せずに動かそうと、一瞬でナビゲート(コントロール)したい欲求が高まること…
どの先生も経験があるのではないでしょうか?
あお
反応と行動のあいだの間を持つことができるのは、人間に特有なものらしいのです。ボクらはきっともつことができますよね。
ボクにとってもここ、頑張りどころです。今日から意識していきたいです。
個への関心からクラスをつくるへ!
個への関心からスタートし、一人一人の居場所ができて安心が生まれてくると、いざ集団になって何かをする時にも力を発揮するようになります。
いきなり集団として求められているのか、安心感をベースに集団となっているのか、この2つには大きな違いがあるんですよね。
ボクは子ども同士のつながりを強くしつつ、こんなことを学級の中でしていました。
いまだに、ヒミツキチ森学園でも毎日ペアを作っていますよ。
「毎日、違う相手を知ろう!」って声かけしながら。
また、クラスとしての大きなビジョンを持つことはすごく重要。個→クラスへとつないでいく橋づくりは、先生の大事なスキルです。
一人ひとりの関心からスタートし、クラスに安心感が広がっていったら、次はそれを集団として高まるように、いろんな場面でガイドしていくのは先生の役割です。
「いつも集団化してなくていい。」
「一人ひとりがやりたいことをやる、クラスのために自分を犠牲にしない。」
「でも、いざって時はまとまることができる!そんなクラスだったらいいよね。」
口すっぱく言っていました。特に集団化を義務付けられるような体験をしてきた子たちだったら。
忘れちゃいけない「個への関心がクラスをつくる」
さていかがだったでしょうか。
「個への関心」をどう持ち続けるか、これはテーマというよりかは、大きな関心ごと。それについて、まだまだボクには足りない部分です。
- STEP
個への関心からスタートする
一人ひとりが何が好きで、得意で、どんな関わりをするのか、学習はどうか。
- STEP
一人ひとりとのつながりをどうデザインするか
学級の中につながりが生まれ、一人ひとりの居場所として機能する
- STEP
クラスとして一人ひとりをどう生かすか
個→集団として高めていくために、先生ができることは何か。
難しいのが、STEPと表現しましたが、この3つは同時進行で進めていかなくてはいけないということです。
ここが難しいところで、先生として学んでいくところなんだね!
まーくん
あお
ボクも発展途上です。これからも学んでいきます!
長文、お読みいただきありがとうございました。
あお
それでは今日も良い一日を!