おはようございます。
ヒミツキチ森学園のあおです。
さて、今日は席替えについてです。
「小学校の先生は、どうやって席替えしていますか?」
親の立場で言うと気になりますし、先生の立場で言うと難しくて、悩む…
席替えってなかなか奥が深いんです。
席替えにずいぶん時間をかけていたもんね。
まーくん
あお
そうなんだよ、ボクが一番時間をかけて考えていたのが、この席替えという記録も残ってます。
たすくま(タスク管理アプリ)で記録を見てみると、平均45分ぐらいかけているのがわかりました。席替えって悩むんですよね。
最近では、席替えに対する先生が決める基準やその方法も変わってきましたので、学校事情の変化も含めてご紹介します。
- 席替えについて、どう決めていいか悩んでいる先生
- 新しい席替えについての考え方が知りたい先生
- 先生の席替え基準や、どういう方法があるのか知りたい方
あお
それでは早速いってみましょう!
目次
最近の席替えの傾向と、先生が決める基準は?
まずは最近の各学校の傾向から。
【良かったらアンケートにご協力ください。】
皆さんのクラスでは、席替えはどうしていますか??投票、RTお願いします!
— あお先生@小学校 (@aosenn) 2018年12月11日
今回Twitterでアンケートをとりましたが、上のような結果になりました。クジ引きが1位でしたが、同じくらい「先生が決める」というクラスも多いようです。
アンケートにご協力、ありがとうございました!!
まーくん
先生が配慮することとして、一般的に次のことが挙げられます。
- 視力が良くない子が後ろの席にはいないか。
- 学習が成立するか。
- グループ活動が成立するか。
- 固定された関係性にならないか。
視力については配慮が必要ですよね。黒板を板書して…というタイプの授業は、昔よりは減ってきているものの、まだまだノートに書くことも多いので、基本的に視力が良くない子は、前の席になります。
あお
その子たちもクジ引きができたり、毎回聞いたりするなどの配慮は必要ですね。
学習が成立するか、グループ活動が成立するかというところは、細かく配慮していました。
学習に集中できないほど騒いでしまわないか、グループ活動でシーンとならないか、この辺りはチャレンジする幅も残しつつ、特に4月〜7月は意識して決めていました。
クラスが成熟してくると、もう任せて良くなるんだね!
まーくん
固定された関係性にならないか、もすごく見ていました。席替えしては、
「あの子はこの子たちとどう関わっているかな?」
「あ、そんな姿見せるんだ!面白い組み合わせだな。」
そんな観察がぐっと増える席替え後1週目。ボクも楽しみでしたね。
クジ引き→先生が決めるというやり方のルール変更
ボクが子どもの頃は、クジ引きやお見合い形式が圧倒的に多かったと思います。その記憶しかありませんでした。そして先生を始めた14年前もそうでした。
2校目に異動した10年前ほどから、変わってきた印象です。普通にクジ引きで席替えをしていると、
え、先生が決めているんじゃないんですか?
同僚だった先生
あお
そんなわけないよね。それじゃ子どもが納得しないでしょ。
と驚いたのを覚えています。
しかしながら、それから間も無く、「席替えは先生で決めるもの」という謎のお達しが出されました。
理由は、「それが公平だから。」「先生が席をコントロールした方が、トラブルが少ないから。」
そんなものでした。
なんとも納得がいきません。
それって本当なの?
ずっと引っかかっていたんですね。
席替えにおいての決め方と席替え期間の傾向
上からの指示ならしょうがないので、先生が決める席替えをスタートしました。
基本的に、次のことをマイルールとしました。
- 4週間に1度、日直が一回りしたら、席替え。
- 席替えと給食・掃除当番表は連動している。
- 隣に来るのは、毎回違う子にしたい。
特に隣に来るのは毎回違う子にしたいというのはこだわっていたところです。
1ヶ月一緒に過ごす友達が、前の月も隣の子だったらどうでしょうか。その子とすごく合うならまだしも、あまり仲が悪いのにもう一月は辛いですよね。だから基本的に隣だけは、同じにならないよう、名簿でチェックしながら席替えをしていました。
前述の関係性が固定されないように、ボクが大切にしていた部分です。
ちなみにですが、席替えの座席表を打ち込むと、給食当番表が自動でできあがるように、Excelで作ったものを使用しています。これも人間関係の流動性を保つためです。
席替えで毎回席は変わるものの、「掃除や給食当番のメンバーは1年間一緒」といった考えの先生が、たまにいます。
あお
これだと人間関係が凝り固まってしまっていますよね。
うまくいっていない出席番号の組み合わせがずっと続く…子どもにとってこれほどまで辛いことはありません。もしそういう風にやっているとしたら、今すぐ変えてあげてください。
席替えと当番のメンバーはセットで変わっていくことで、座席のメンバーと共に1ヶ月近く過ごすことになります。
もちろん、当番や掃除は別の組み合わせで変えていくこともいいと思います。座席で険悪な時はちょっと距離を置いた方が、有効なこともあります。
ただ、そこまで決めている時間を考えると、連動型がいいのかなぁと思っているところです。
ちなみに期間についてもアンケートをとりました。
【良かったらアンケートにご協力ください。】
皆さんのクラスでは、席替えの期間はどのくらいですか?
投票、RTお願いします!
— あお先生@小学校 (@aosenn) 2018年12月11日
その他としては、
日直が一回りしたら席替えしてます。
— shu-star (@shusay) 2018年12月11日
どうにもこうにも、授業に集中できない子がいたら随時。
「男女の位置とやり方」は、その都度状況に合わせて。
基本は日直一周。
日直は出席番号で一人ずつです。— Happy penguin(ハピペン) (@kn_penguin) 2018年12月11日
わたしは日直二回りしたら、席替えしてます。
— おっとっと (@GDM42cjLO0qOWLg) 2018年12月11日
日直が回ったらと言う解答も多かったですね。ちなみに1ヶ月で席替えをすると、日直が一周と少しだけ、周ることになります。
あお
アンケートへのご協力、本当にありがとうございました。
小学校の席替えにおいて先生の決め方・やり方
明確な基準というのは、各先生によって違います。ボクの場合、次のようなことを大事にしていました。
- なるべく多様な人との組み合わせになること
- 座席の前後もなるべく変わること
- グループでの学習に支障がない関係性は保つこと
先生によってはいつも特定の子の隣に相性がいい子に座ってもらう先生もいました。
基本的、ボクはその考えには、反対でした。
あの子は、〇〇さんが見ればいいよね!って認識を作ってしまうことにつながる可能性があるからです。
組み合わせは多様になるように、大体、年度の後半はくじ引き等で決めていたので、子どもたちから不満が聞かれたことはありませんでした。
班の組み合わせなど細かく見て、徹底的に変えていましたな。
まーくん
前に座った後の月は後ろの方に座る、でもそうすると大体組み合わせが一緒になっちゃうから、3分の1は残すなど、色々と考えていましたね。
自分の意見を相手に伝えるのが苦手な4人が集まってしまっては、学習が進まないこともあったので、基本的にグループの中には学習をリードする子や話題が弾む子がいるようには配慮しました。
あお
ま、座席に座ったままの授業ではなかったんですがね。。。
先生が決める席替えに強い味方「席替えメーカー」
最近出たサービスで、席替えメーカーというものがあります。
元中学校の先生が作ったアプリですが、これがよくできています。
- 座席数が自由自在
- 前の席を固定して、視力が悪い子に配慮
- 近づけたり離したりする条件もつけられる
- 今の席から全員移動がある
- 男女の席を固定もある
などなど、使い勝手が良く練られています。
とっても便利そう!
まーくん
あお
ボクが教員だった時に出てくれていたらなぁ。
1つ要望するとしたら、「今の座席が隣の人と離す」があるとさらに、嬉しいですね。
無料ですので、ぜひぜひ使ってみてください!
席替えの座席の形 隣と2組→アイランド型へ
ボクのクラスでは最初はこのような席にしています。
よくある後頭部凝視型(KAIさんのネーミングだった気がする)の座席です。基本的なことはこの段階で抑え、話が聞ける状態になったら、次の座席に移します。
いわゆる班の形である、アイランド型です。
中央には後ろの2班だけ下げることで、6年生でも全員が座るスペースができ、サークルが作りやすくなっています。
昨年度は2年生という学年や、クラスの状況もあって、まだこの形にはしていませんでした。
実際は秋にサークルベンチを置いて、アイランド型に10月からなりました。
過去3年間は、アイランド型に移す時期は、夏休み前後が中心でした。クラスの実態に合わせて、必要だと子どもたちが感じる時期に移していくようにしています。
この辺は経験によるさじ加減だね!
まーくん
席替えの方法・やり方を変えるきっかけ
「座席は、本当に先生が決める必要があるんだろうか」と言う疑問は、ずっと消えることはありませんでした。
そもそも先生が関係性を完全に把握しているわけがない。
仲が悪くて離した子たちが、関係を修復する機会を奪っていないか。
先生が決めたじゃなくて、偶然決まったから、「ま、話してみるか」みたいなことも起こるのではないか。
あお
そんなモヤモヤがずっと残っていたんです。
同じ頃、いくつかのツイートや記事を読むことがありました。
席替えを完全くじ引きにすること。 – いわせんの仕事部屋 https://t.co/ipX3iYuaCW
— あお先生@小学校 (@aosenn) 2017年11月6日
ゴリさんのこの記事は、まさしくタイムリー!
昨年のこの時期に読んで、一つの解答を出してくれているようでした。
ボクもこんな記事を書いていました。
月一回の席替えについてゴリさんの記事を参考に、考えてみました!
#はてなブログ
席替えは先生が決めるもの? – 先生の働き方Design研究所https://t.co/ZQ2urKRO1n— あお先生@小学校 (@aosenn) 2017年11月11日
そしてこの頃、クジ引きの席替えを久しぶりにやってみました。
昨日は初めてのくじびきでの席がえ。この子たちなら大丈夫とあとは集団の力を信頼することに。
最初の席替えの後は、「しゃべりか」を使って、トークテーマありでのおしゃべりタイム。
ぐぐっと距離が近づいた感じで言いスタートでした。https://t.co/ZQ2urKRO1n
— あお先生@小学校 (@aosenn) 2017年11月27日
シャベリカを使うアイディアは、 KUWAMANさんの教室から。
シャベリカ-宇宙兄弟Edition-で席替えしたよ。 – ON THE BALL https://t.co/ubpzm0H6vs
— あお先生@小学校 (@aosenn) 2017年12月15日
クジ引きだから、生まれた関係性もあるなぁと、手応えをつかみました。
また、新たな班での関係性への期待を高めるために、先生にできることはたくさんあるんだなぁと実感しました。期待が高まっていると、相手のことがより知れたり、新しい人間関係にトライできたり、子どもにとって前向きな事が多いんだという事がわかりました。
週1回席替えというやり方・方法も!常識を疑え
数年前にはそれに加えて、毎週席替えを実施してみました。しかも、魔の11月に!
教室が荒れると言われる11月に実施です。理由はもちろんあります。
クジ引きで席が決まったとしても、毎週変わるなら、チャレンジできると思ったからです。少し苦手な子と一緒になったとしても、翌週はまた席替え。そんな短い期間でのトライ&エラーは、人間関係をより豊かなものにしてくれると思ったのです。
思考より試行!なんでも試すタイプのボクは、早速11月に実施。
1ヶ月試してみて子どもたちにジャーナルでアンケートをとりました。
@3no92Rein さんの実践を参考に、11月は毎週シャベリカを使った席替え。
子どもたちに振り返ってもらうと、
☑️話したことなかった子とも、仲良くなれる!
☑️月曜日、学校来るのが楽しみになった。
☑️苦手な子でも1週間で変わるって思うと、仲良くなれた。
効果はいろいろあるみたい。— あお先生@小学校 (@aosenn) 2018年11月19日
「月曜日に学校に来るのが楽しみになった」という意見には驚きました。あぁ、そういう効果があるのかと。
一人を除いて、この毎週席替えを続けていく意見だったので、12月以降も続けていました。
「配達物がどこに誰がいるかわからなくて配りづらい。」
「毎週席替えは月曜日の朝の時間が少なくなっちゃう。」
という意見もあったため、最終的には、2週間に1度というアイディアに落ち着きました。
クラスの席替えは、様々な要素に応じて
学年の実態や子どもたちの意見を取り入れながら、進めていくのがいいなぁと思いました。
ボクは、昨年度はこんな風にしてみようかなぁと思っていました。
- 4月から、先生が決めるのと席替えを交互にしてみる。
- 7月ぐらいに週1の席替え期間を設ける。
- 4月に思い切って毎週席替えでスタートしてみる。
結果的には、10月までは二人1組。1月からクジによる席替えを2週間に1回実施と、クラス会議で決まりました。
アイディアは尽きません。ただし、目の前の子どもたちに合わせることがもっとも大事です。
ちょうど土日に席替えについて議論が起こっていたので、だいぶ遅れて参加してみました。
年次や経験年数で変えるのではなく、あくまで目の前の子どもたちに合わせるのが一番だと思います。もちろん学年の先生方の理解も必要になりますし。
何が正解かはありませんし、絶対こうだということはありません。
目の前の子たちに合わせながら、今日も進めています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あお
それでは今日も良い一日を!
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