おはようございます。
先生コンサルで若手の先生に伴走しながらも、家に帰ると寝る時間がずるずる後ろになり起床時間が迷走中のヒミツキチ森学園のあおです。この時期、サイクルが乱れがち(笑)
学級づくりや学年づくりを考える上で、参考にしている考え方はありますか?
ボクの場合は2つのモデルを参考にしていました。
1つは、タックマンのチームビルディングモデル。
コーチングなどでもこちらは語られることが多いですよね。チームビルディングの際のチームの状態を測る上で大切な要素です。
もう1つが、今回のダニエルキムの組織の循環モデルです。
こちらは、組織へのアプローチの仕方についてですので、非常に学級や職員室などに当てはめたときにわかりやすいモデルと言えるでしょう。
あお
ボクのクラスづくりの考え方はこのモデルからきていると言っても過言ではありません!
目次
ダニエルキムの組織の成功循環モデルって何?
このモデルは、マサチューセッツ工科大学のダニエルキム教授が提唱している「組織が動くときに4つの質がどう関係していくかを示した」モデルです。
④の「結果の質」から考えていくのが、バッドサイクル(悪循環)です。
- ④成果が上がらない (結果の質)
- ①対立、押し付け、命令する (関係の質)
- ②面白くない、受け身で聞くだけ(思考の質)
- ③自発的・積極的に行動しない (行動の質)
- ①関係が悪化する (関係の質)
よくあるよくある。
まーくん
あお
結果ばかり求めているとこうなりがちだよね!
それに対して、
- ①お互いに尊重し、一緒に考える (関係の質)
- ②気づきがある、面白い (思考の質)
- ③自分で考え、自発的に行動する (行動の質)
- ④成果が得られる (結果の質)
- ⑤信頼関係が高まる (関係の質)
と回っていくのが、グッドサイクル(好循環)です。
停滞している組織はバッドサイクルに入っていると言われています。それに対して、関係性にフォーカスを当てることで、組織はグッドサイクルに入ることができます。
最初に力を入れるべきなのは、関係の質ってことなんだね!
まーくん
小学校の事例で組織の成功循環モデルを考える
クラスに置き換えるとどうなるでしょうか。
うまくいかないときは、きっとバッドサイクルに入っていると思うんです。
朝会に間に合うように、時間通りに体育館に向かうを例に考えてみましょう。
あお
④の結果の質からスタートするとどうなるでしょうか。
子どもたちをきっとバンバンおいたてます。
朝、来てランドセルの準備ができていない子を叱ったり、並んでいる子のおしゃべりを叱ったり…
最悪な朝のスタートですよね。でも結果として並べていないことが、周りの先生に対する評価を気にするのか、先生はとにかく朝会に向かわせようとします。
- ④子どもたちが急がない(結果の質)
- ①遅れている子を指導する、叱る(関係の質)
- ②また叱られているボクたちと子どもたちが考える(思考の質)
- ③じっとしている、受け身でいる(行動の質)
- ①子どもたちの心は冷やされる、先生から離れていく(関係の質)
間違いなく①の関係性は崩れます。
あお
では、③の行動の質からスタートするとどうなるでしょうか。
③→④という短絡的な流れでも、やはり変わらないのではないでしょうか。行動を正そうと、体育館に向かわせることが第一になってしまうんです。
一緒にランドセルを片付けたり、並ばせるように声をかけたりしますが、なかなか朝の子どもたちの行動はゆっくりで思う通りに動いてくれません。そしてその結果イライラし、怒鳴ってしまう。(結果の質)
これも、あるある。
まーくん
そうすることで、子どもたちの心は徐々に離れていきます。
本当に近年、こういう教室が多くなってしまう気がしています。だから子どもたちの方も慣れてしまっている…そんな事態に陥っていることもしばしば。
あお
せめて②の思考の質からスタートしたいですね。
黒板に手順をしっかりと書く。
何分までに準備を済ませ、並ぶ。間に合わない場合は、先に並ぶ。
こういったことを書いておくと、子どもたちは③の行動の質が高まり、④の結果の質につながってくるんです。うまくできた子どもたちを認めてあげていき、①でクラス関係の質が良くなっていくのが、うまくいっている教室でしょうか。
さらに①からスタートしていくと…
まーくん
普段から先生と子どもたちの関係の質が良い、また子どもたち同士の関係の質が良いと、まず子どもたち同士で声をかけあいます。先生も笑顔でいるだけで、子どもたちは自分で気づき、動いていきます。
- ①日常的に良い関係性がある (関係の質)
- ②あぁ、友達がいってくれてるから、朝会に行かないと (思考の質)
- ③用意は中断して、すぐに並ぼう (行動の質)
- ④みんな揃って体育館に間に合う (結果の質)
- ①先生が認めて、自分たちでできたことに自信が生まれる(関係の質)
こういうサイクルが生まれるんです。
関係の質が高まっていると、自然にこんなことができるね。
まーくん
あお
うん、そこに力を入れていきたいんだ。
③の行動の質と④の結果の質からスタートは、押し付ける形になってしまう。
そして②の思考の質については、もっと自分で気付いたり、考えさせたりしたい。だからこそ関係の質にこだわっています。
これは学習においても同じだと思っています。
結果を求めると手法に目がいきがちで、子どもたち同士の関係性やその時の感情が置いてかれることが多い。
結果がどれだけ出ていたとしても、本当の意味で子どもたちの関係性が育っていない場合はあります。
運動会の応援練習。昨日6年生のギアがググッと入った。
関係の質が高まり(慣れと運動会が近づいたこと)、それによって思考の質(やってやるぞ!)が変わリ、行動の質に表れてきた。
最初から行動を求めるんじゃなくて、順に高まっていくことを待つこと。先生はそこを待つのが仕事。
— 青ちゃん@小学校の先生 (@aosenn) 2018年5月10日
この時は、運動会の応援の声が小さかったんだけど、「それをどうするか 」にフォーカスを当てずに、他の学年との関わりの機会を待ち、子どもたち同士の関係の質を上げていった。結果、誰もが自然と応援の声をしっかりと出すようになったんです。
そういう子どもの変化が「先生がどうしたか」ではなく生まれることが嬉しい。
関係の質を高めるために小学校の教室でできること
ボクは次のようなことで、子どもたち同士の関係の質を高めています。
子どもたちと先生の関係はこのように高めていきます。
いずれも長期的な方法になりますが、関係の質を高めるために行なっていることです。
あお
毎日の活動は地味ですよ、時間もかかりますし。
打ち上げ花火のような実践は効果が短いと思うんです。
それより、線香花火のような、地味だけど重ねることで人の心を動かす…そんな実践こそ、関係の質を高めていくものだと思っています。
じわりじわりと効くために愚直に繰り返していくこと。大事にしましょう。
組織の成功循環モデルの関係の質を高めることから、学級を考えてみてはいかがでしょうか??
あお
それでは今日も良い一日を!