おはようございます。
本が読みたくてもなかなかその時間が作れないヒミツキチ森学園のあおです。朝にちゃんとブロックして読む時間をとる!
突然ですが、
あお
初めて6年生の担任をするそこのあなた!卒業文集の作り方、悩みませんか??
ボクは4度目の6年生になりますが、これまでも文集に悩むことは多かったです。
あお
一生に一度の卒業文集だから、ミスは許されない…[
みんな似たような文章になってしまった苦い経験もあったよね。。。
まーくん
「卒業を祝う会」みたいな行事のデザインは得意だったのですが、この卒業文集はなかなか難しかったのを覚えています。一生残りますしね。
そんなあなたに朗報です!!
ボクは最後に6年生を担任した時、市町村を代表する国語の先生と学年を組ませていただいていたので、学年で進めていた「卒業文集作り」を公開しておこうと思います。
- 初めての卒業担任で文集が不安すぎる先生
- 卒業文集への手応えが感じられない6年生担任の先生
- なぜかこの記事にたどりついてしまったまじめな小学6年生
「こういう風に卒業文集作りを進めるといいよ」という流れを示しますので、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
Voicyで補足!失敗談
目次
小学校における卒業文集とは?
卒業文集とは、卒業アルバムに載る、子どもたち一人ひとりが書く文章のことで、6年間の思い出や将来の夢を記すことが多いです。
- 文字数は800字前後の学校が多い。小さな学校だと1500字の場合も。
- 12月末〜2月ぐらいが締め切り。学校連携の写真屋さんにお願いするのが一般的。
- 国語の学習の集大成。誤字脱字はあってはいけない。
あお
先生としても気を遣う、一大イベントなのです。
卒業文集の書き方・指導① 文章の工夫を抜き出す
まずは教科書文を読み込みます。
本格的な随筆と、子どもが書く見本となるような随筆が載っていますので、その書き方や内容について抑えます。
自分が経験したことや、みたり聞いたりしたことの中から、忘れられないような印象深いことを取り上げ、それについて自分の思いや考えを書くことがあります。このような文章を「随筆」と言います。
教科書ではこのように触れています。
そのあと、見本の文章から「表現の工夫」を抜き出しておきます。今後、自分が書く卒業文集の際に、使えるようにするためです。
実際にやった時には次のようなことを、工夫として取り出しました。
- 会話文からのスタート
- 倒置法
- 体言止め
- ダッシュ
- 過去→現在→未来という視点
これらのことを、活用できるように掲示しておきました。
卒業文集の書き方・指導②ウェビングマップで構成を
続いて、ウェビングマップを使って、自分の成長を見つけることに移ります。
ウェビングマップの真ん中に来るのは「成長」です。
一番大切な事を話すんですが、
あお
書くものを決めるときに、「出来事」が先にあると、卒業文集づくりはうまくいきません!!
書くことベースで最初から考えると、後でしっぺ返しを喰らいます。
子どもにとっての体験の大小で書く文章が決まり、似たり寄ったりになってしまう可能性が高いです。また、記憶の差というのがあるので、小学校6年生の近い体験のみにフォーカスしてしまいます。
出来事じゃなきゃどうすりゃいいのさ?
まーくん
あお
書きたい出来事じゃなくて、「自分の成長」を先に考えてみよう。
「自分の成長したこと」を先に考え、「出来事」は後から考えるようにします。そうすることによって、自分の成長の掘り起こしにもつながりますし、様々な体験や経験を価値づけることができます。
中心に来る「成長」は最初は自分で発見できない子もいます。ですからウェビングマップで広げていくことで考えていくのです。マップの最初の中心は「出来事」が来てもOKです。
ツイートの子も体験が真ん中に来ていますよね。そこから広げていくことで、「自分から友達に関われるようになった」という成長を発見しています。
最初は横に広げていく拡散思考です。たくさんの思いついたことをウェビングマップに表現していきます。まずは時間を取ってみましょう。
十分に広がってきたら、次の2つを行いました。
- 友達と対話する
- 出来事をみんなで出し合い、自分のマップにつなげられないか検討する
信頼のおける友達に「自分の成長って?」「こう考えてみたんだけど、どう?」と聞きあいます。友達の視点がそこに入ってくるってすごく大切なこと。いろんな人とじっくりと聞き合います。
次に、出来事をみんなで出し合います。
みんなが出してくれた出来事が、自分のウェビングマップの成長につながらないか、検証します。
もしかしたら、自分の成長にはふさわしい出来事が他にあるかもしれないからね!
まーくん
あお
そうそう、改めて考えてみると、出来事を違うもので書く子が出てくるんだよね。
卒業文集の書き方・指導③ ウェビングマップ 深堀り編
次は縦に深めていく思考です。今度は、前回のブレスト用のマインドマップで見えてきた「自分が成長したこと」を中心に置きます。
このとき使うツールは付箋です。その後の構成メモで、並び替えることができるようにするためです。ウェビングマップの位置も動かせるため、自由度を与えられるのが付箋の良さ。
自分にオープンクエスチョン(「というと?」など)をかけながら、付箋を貼っていきます。
セルフオープンクエスチョンができていると、拡散思考が飛躍的に伸びているはず!
最初に与えた視点は次の通りです。
- 具体的なエピソード
- 成長したわけ
- 心に残っている言葉
- 関わった人
これらの視点から、真ん中の成長を深めていきます。
20分ほどすると、B4のワークシートにウェビングマップがいっぱいになってくるはずです。そうしたら新たな視点を追加します。
- 未来への視点
- エピソードが過去の点で語られているか
- 自分の気持ち(感情)が入っているか
自分の成長は過去→現在の中で語られるはずです。それを結びで未来に動かしていくために、未来への視点を追加します。
「中学校では…」「成長するにつれて…」「将来の夢」どれかと結びつけるようにしておくことで、後々の選択肢が広がります。
「エピソードが過去の点」というのは、「仲直りできた」「いい記録が出た」という、どの部分のエピソードなのかわからないまま、終わっている子がいるためです。そうではなくて、「誰といつ仲直りしたのか。」「記録は何回なのか。」詳細なある一点でのエピソードを深く掘っておく必要があるのです。
ここできていない子多いんだよね。普段のジャーナルで、具体的なエピソードの層まで振り返りを深める習慣をつけておくのは大事!
まーくん
振り返りジャーナルはこちら!
具体的なエピソードは文章の魅力につながります。これを下書きしながら掘り出すのは難しいため、この段階でしっかりと掘り下げておきましょう。
気持ちや感情が付箋にない子がいるため、この視点も重要になります。その時の気持ちを「嬉しかった」「楽しかった」「すごいと思った」だけではなく、色々な表現で書き換えられるといいですね。
卒業文集の書き方・指導①〜③の構成を練るポイント
ボクはここに来るまでに一人ひとりが「これなら自分の文章が書ける」という手応えをつかんでいてほしいと思っています。
ウェビングマップを上手に使うと、この手応えに結びつくはずです。
そこまでには、友達とのたくさんの対話も必要になります。
先生と一対一ではなくて、自分の信頼できる友達との対話により、自分の成長を見つめ直してほしいのです。そうしてスッキリした状態でここまで来ると、あとは書いていくだけです。
あお
下書きを10枚ほどみてびっくりしたのですが、書きっぷりが今までの文集と違うんです。似たり寄ったりにならずに、その子らしさが出ている。これは嬉しいことです。
この部分については、じっくりと時間をかけましょう。深掘りできてなければ、後々時間が余計にかかることになります。週の中のバッファの時間などで、一人ひとりが納得できるまで進めていきましょう。
卒業文集の書き方・指導④ 下書きを書き進める
ここからは、下書きの用紙に書いていきます。
付箋の構成を参考にすると、書いていけるはずだよね。
まーくん
書けなくて悩む子は少なかったですね。終わりの部分までいけば、かなりの文字数を書いているので、そこは一緒に悩んであげられますし。
まずは一回書ききることを目標とします。
今回、全体を通じての下書きの回数は3回にしました。だいたいどの子も3回を目安に書きました。その際には、次のポイントを確認しながら書き進めました。
卒業文集の下書き1枚目 修正と校正をし合う
ここで子どもたちは、自分の文章を読み直すことを大切にします。普段からそうしていきたいのですが、なかなかその習慣はついていないのが現状です。
読み直しでポイントとなるのが、「修正」と「校正」です。
2つの使い分けは次の通りです。
- 修正…文章をより良くすること
- 校正…文章を読みやすくすること
次のように学級通信を使いながら、修正、校正を進めました。
こういう風に学級通信が使えるようになったということが、この年の進歩ですね。
さて、最初は自分自身で修正と校正。そのあと5人の友達に修正と校正をしてもらいます。下書き後の用紙には、5人の友達の名前が入る感じです。
自分の作品は、友達と一緒によりよくしていくんだという意識をもたせたいです。
そうして先生に提出します。ボクらも、卒業文集になるので、必死にチェックを入れていきます。ここが先生にとっても辛い場面ですが、楽しんで一緒によりよいくしていきましょう。直し過ぎないのもポイントです。
卒業文集の下書き2・3枚目 直しと向き合いながら完成へ
先生の直しをもらって、2枚目、3枚目に突入です。
表現についてはいくつか変えてほしいことがあります。それは単純な言葉を使いすぎないこと。
例えば、「楽しい」「すごい」といった言葉を、子どもたちはよく使いがちです。同じような言葉がいくつも並ぶ場合があるので、注意していかなくてはいけません。
「うれしかった」や「悲しかった」もいろいろな表現があります。そういったことも、黒板にこういうワークシートを貼って、自分自身で変換できるようにしていきます。
このあたりをふまえながら、友達や先生の修正箇所に気をつけて書いていきます。
ここでのポイントはあるかい??
まーくん
あお
1行書いたら、1行読み直しながら書くことかな。
習慣化していないとなかなかできないのですが、自分の書いた文章を1文単位で読み直しながら書いていきます。これができないと、やり直しが増えちゃうんですよ。
割と個人作業になってきますが、文章で迷った時は友達と相談しながら進めていました。どういう表現で書きたいか、また付箋の構成の入れ忘れがないか、確認しつつ書いていきます。
2枚目が書き終わると、自分で読み直して提出になります。
あお
この時、ホチキスで1枚目の下書きと一緒に提出してもらうと、ボクの読み直しやチェックする時に役に立ちますよ。
2枚目の直しをもらって訂正がある人は、3枚目に進みます。
卒業文集の書き方・指導⑤ 小学生の難関「清書」へ
ここからは、清書のことを書いていきたいと思います。
清書の前に保護者のチェックをお願いしてみました。この時の学年は、12月の個人面談期間にお願いしていましたので、それを待っての清書となりました。
水色の枠がコピーされると消えるfax用紙のようなものに書いていく学校がほとんどだと思います。
ちなみにこの用紙や清書用のペンは、卒業文集を印刷する業者が用意してくれると思います。融通が効くなら、ペンの種類についても相談してみましょう。
本校の業者はボールペンを持ってきています。でもかすれ過ぎて使い物になりません。自分の持っているものを貸したりしながら対応しています。
0.3mmほどのペンを用意してくれるところもありますので、書きやすさについては、相談してみてください。ボクはペンの方が書きやすいように感じました。スレによる滲みはありますが…。
さて清書はペンで一発勝負です。
1行ずつ読み直しながら書いていきます。前の学校までは、間違えたら紙を上から貼って書いていましたが、昨今は修正テープでも大丈夫なようです。ただ丁寧に書き、間違いを少なくしていきましょう。
ここ、小学生にとっては難関だね!!
まーくん
最後は子どもが読み直して、先生も読み直したら終了です。
あお
頑張ったね!!
小学生の卒業文集の書き方・指導 まとめ
もし作家の時間を経験している子たちならまた少し変わってくるはずです。
作家の時間では、1年中、修正や校正を行いながら、書いていくことになります。修正や校正のスキルもミニレッスン等で上がっていくのが作家の時間の魅力なので。
ヒミツキチ森学園でも作家の時間は続けています。
ボクとしても下書きをたくさん読むのは疲れますが、子どもたちにとっては「一生に一度の卒業文集」。より良いものを一緒に目指してきたいですね。
あお
最後まで、お読みいただきありがとうございました!
こういうプロジェクトを作る上で大切なのは、ビジョンとそれに対する打ち手です。
自分でそれを作ることを「先生の仕事をデザインする」と表現しているのですが、それについてまとめた本がこちらです。
ぜひ手に取ってみてください!
まーくん
失敗談から学んでみよう!
あお
それでは今日も良い一日を!
6年担任必見!卒業関連のまとめ記事はこちら!
3 件のコメント
これ、素敵!!!是非参考にさせていただきます!
追試させていただいております。
子どもたちが楽しく、自信を持ってかき進められています!!
ありがとうございます。
後半を心待ちにしております!楽しみです!
子どもたちが書き進められている姿、こちらも嬉しく思います。返信が遅くなり、すみません。コメントをいただいて後半を書く気が湧いてきて書き上げることができました。ありがとうございました。