おはようございます。
学園の室内サッカーで小指をぶつけて出血したヒミツキチ森学園のあおです。
今日は、学級の中に心理的安全性を高める毎日できる取り組み第2弾で「ファンレター・一筆箋」についてお話しします。
この実践は、教員生活の最後の方に4年間続けてきたものです。今もヒミツキチ森学園で進化させながら続けています。
あお
これからもずっと続けていく活動です!
この記事を読んで欲しい先生は…
- 子どもたちのステキなところを、もっと輝かせたい!
- 保護者とのコミュニケーションがもっと取れたらいいのにな…
- 自分自身も、子どもたちの良い部分がもっと見えるようになりたい!
それでは早速いってみましょう!
まーくん
目次
保護者への手紙「ファンレター・一筆箋」って?
元々は、ちょんせいこさんと、岩瀬直樹さんのこの本に「一筆箋」として書いてありました。
保護者へ子どもたちの良さを伝える一筆箋として、紹介していたのを知りました。
この本に書かれている目的はこちらです!
- 家庭への個別の連絡や情報共有をします
- 子どもの良かったことや温かい教室での様子を家庭に伝えます
- 子どもの心配なことについて、家庭に伝えます
初めて読んだ時に納得はしましたが、ボクはすぐにやることがありませんでした。
1日2枚でも大変じゃないか!?と思っていたからです。
ただ実際にやってみると、その効果が大きいことを知りました。
あお
それはボクが想像しているよりも大きな変化だったのです。
なぜ保護者への手紙を書き始めたのか
なぜ6年間、毎日、ファンレターを書き続けているのでしょうか。
最初の年、ボクは子どものファンであることを大切にしたかったからです。
その前年は、子どもとの関係が納得のいくものではありませんでした。異動初年度、それまでいた学校が単級だったこともあり、そのままの流れや空気感を持ち込んでしまったのが大きな原因の一つです。
詳しくはこちらで!
なんとかそれを変えようと、子どもたちとの距離感を見直し、少し(いやだいぶ。。。)近くなるようにしたいなぁと考えました。
ボク自身が子どもにプラスの視点を持って接すること、子どもたちのことをもっともっと知りたい!と思い続ける先生であること、それを総して「fanであること」としました。
そのために「fan letter」(ファンレター)の実践として取り組んだのです。
また、保護者と子どもと学校、3者のつながりを創りたいという想いもありました。
ボクはどうやら「つながり」をつくることに喜びを感じる人なんだと最近わかってきているんです。今までとは違ったつながりのつくり方。誰もがポジティブに関われるように…
あお
そんなことを願ってファンレターの取り組みをスタートしました。
保護者への手紙「ファンレター・一筆箋」はどう書くのか
丁寧に毎日の振り返りを続けていくこと、一人ひとりの気づきを貯めることがこの実践の元になります。
放課後、振り返りを書き記します。その中に、一人ひとりの児童のよかったことや、困ったこと、光っている姿などなども書いていきます。
今では、帰りの車の中で音声メモを取っています。そうやって毎日振り返りをすることがスタートなんですね。
それを元に、次の日の朝、ファンレターを書いていました。
いろいろ試した結果、子どもたちへの枚数は、一日4枚(4人に書く)に落ち着きました。
振り返りと、誰に書いたのかを記した名簿を見ながら、かたより過ぎないように4人分を選んで書きます。振り返りがしっかりしていれば、朝15分ほどで書くことができます。
あお
最後の2年間は、イレギュラーもありましたが、子どもといる学校の時間の中で書くことができるようになりました。
書いたファンレターはその日の朝、子どもたちが登校してボクのところに来る時に、内容を話しながら「お家の人に渡してね」と渡していました。その日にかけるようなら、帰りに渡していました。
こんなしずくの形のものを渡していたんだ。
まーくん
あお
その年は、この本をもとに、道徳でも心のバケツを扱っていたからね。
どうして毎日学級通信より効果があるの?
毎日学級通信をやっている先生も多いと思います。その実践を否定するわけではないのですが、いくつかの視点で一筆箋のほうが効果があると確信しています。
- 印刷代がかかる
- 全体へのアプローチは届かない子ども・親が一定数いる
- 毎日続くと景色になる
こんなの書くと怒られそう。。。
まーくん
あお
事実として思っているので、書いておきます。
印刷代については、今はGIGAツールで送るなどの別の方法があると思います。ただ、毎日もらうものは景色になりがちなんですよね。これは自分が親になったから言えること。ほとんど学校からのお便りに目を通しません。気が向いたら見ますが、こんな親もいると知ってほしいです。
何より全体に向けての発信に比重を置きすぎていることは気になります。
あお
ここは詳しく次の項目でお話しします!
ファンレター・一筆箋は親へ子どもへのギフト
ボクは学級通信も毎年50枚ほど書きました。(最盛期は150枚ほど書いていた時期もあります。色々考えて当時は週1回にしていました。)
学級通信は全員に当てて書いているもの。
それだけではなくて、もっと個に寄りそいたい。
1対35ではなく、1対1を35回という「個へのアプローチ」に、児童理解においても学習においても価値を見いだし、重点をおいています。
今のヒミツキチでもこれは変わらないね!
まーくん
ボクはファンレターは、学級通信とは別の角度からの強力なツールだと思っています。
学級通信もあるに越したことはないですし、すごい実践をされている方も知っています。ファンレターの内容が細かすぎることもあるので、全体像は学級通信で確認してほしいですし、反対に学級通信でお知らせした様子の詳細は、ファンレターで伝えられたらと思っています。
2つが相乗効果が出てくると、それはまたいい形で保護者に伝わると思っています。
子どもはもらう時に笑顔だもんね!
まーくん
あお
同じ笑顔で、保護者に渡してくれているといいな。
低学年の子などは、この一筆箋を受け取った時、とっても嬉しそうな顔をします。
そして家に持って帰った時に、お家の人にも渡しますよね。お家の人が読んで褒められたり、自分で嬉しい報告ができたり…そういうポジティブな面が生まれると思います。
お家の人が、その子のいいところを家庭でも見つけて、お返事をいただくこともありました。
ポジティブな循環が回っていくね!
まーくん
また高学年になると、直接渡すことって、先生にとっても勇気がいることです。
あお
続けていると「こういう人なんだ」「いいとこ見てくれるんだ」っていう信頼値がたまっていきます。間違いなく!
前提として、「お家の人に渡してね!」があるので、そう言って子どもたちに渡すことができます。直接あなたが素晴らしいというメッセージを受け取れる子もいますが、そうではない子もいます。
でも「お家の人に渡して」だと間接的に気軽に渡せますよね!
お家の人に渡すために受け取っているんだよ、って子ども側に言い訳を作るんです。
この言い訳を作るって高学年にとっては大事。
連絡帳袋にしまう前に、チラッと嬉しそうな表情を見せる子、素っ気無い態度でも家では嬉しそうに報告していた子…そんなエピソードもたくさん知っています(笑)
あお
確実に、ポジティブな連鎖反応を生みだしていました。
ファンレター・一筆箋で先生自身に起きた変化は?
一筆箋・ファンレターで、何よりも自分自身に変化がありました。子どもの良いところが見えるようになったんです。
これが一番大きな変化です。どこで書こうか、なかなか枚数が滞っている子には、その子にフォーカスを当てて一日を過ごすこともできました。
結局は自分が何に焦点を当てているか、どういう価値をもっているかが、子どもの見方になっていきますよね。
自分のアンテナが磨かれるというか。
でもさなかなか見つからない時はどうしてたの?
まーくん
低学年では、素直に、
「〇〇ちゃんのステキなところを一筆箋に描きたいんだけど、みんな見つけたら教えてね!」
とお願いしていました。
昼休みにはずらっと並んだ子どもたちが、その子のいいところをたっぷりと教えてくれました。
なーんか、ステキな時間だね!
まーくん
あお
一人でやらなくてもいい、子どもたちに助けてもらっていいんだと学んだよ。
保護者への手紙「一筆箋」の強い味方
polcaでボクも支援させていただきましたが、おにぎり夫妻が出している一筆箋がとっても素敵なんです。
ここでは「教育専用の一筆箋」を購入することができます。送料を入れても安く変えるので、購入しをおすすめします。ボクも教員最後の2年は、こちらで実践してきました。
「お世話になります」などの言葉が書いてあるだけでも、書くためのハードルが下がるんですよ。
一筆箋・ファンレターも自分自身の心の在り方とつながっていて、イライラしちゃう日にはなかなか子どもたちの良さって見つからないんです。だから、その書きやすさってところで、こういう型(一筆箋)があるのは、非常に助かりました!
子どもたちも初めてみた日、豪華になった!!って喜んでいたね。
まーくん
保護者への実践「ファンレター・一筆箋」実践の広がり
夏休みには全員への一筆箋も描きました。
こういう特別企画が楽しんですよね。他にも6年生が1年生に書いてみたり、保護者が我が子に書いてみたり…
色々な広がりが生まれるのが、この実践の良いところ。
あお
卒業式にも一筆箋渡せたなぁ。。
自宅で家族の横で書いていると、こんなものが届きました!
続けられない?ファンレター・一筆箋のコツ
ボクも改めて考えさせられるツイートをいただきました。
確かに出し続けるのは、大変そうだよね。
まーくん
あお
続けるためのコツがいくつかあるから紹介するよ。
ターゲットを決めるのは、有効な手段だと思います。
絞ってあげることで、その子の良さが見えてくるからです。でも、あまり気にせず書いています。記録だけは名簿につけているので、自分の偏りに気がついたときは、ターゲットを決めるなど、することもあります。
ボクの普段からの見る目も公平さが養われます。そんなことをファンレターの実践が教えてくれるんです。
先生だって忙しい時があります。そんな時は、毎日の枚数に偏りがあっていいと思います。
ボクは12月は、卒業文集、個人面談等で、出していませんでした。
翌日の朝に余裕があるときは、書くこともあります。あまり1日○枚にこだわらず、月に1回出せればいいや!という気持ちの方が楽に続けられると思います。
1日0枚の日もあれば、15枚書いた日もありました!
平均して月1枚が全員に渡ればいいと思っていました。
子どもたちも巻き込むと実践が広がっていきます。
例えばジャーナルで、「班の人の良かったところを具体的なエピソードで振り返ってみよう。」とかしてみる。そうするとその日の終わりにはたくさんの良さが集まるわけです。その中には自分が見えていなかったこともたくさんあります。そこからファンレターを書く。
また、午後のサークルでは、友達の良さやありがとうから昨年度はスタートしていました。それだけでも、たくさんのいいところが集まってきますよね。
さらには、子どもにファンレターを渡して、実際にやりとりしてもらうなんてことも考えます。たまには友達からのファンレターも嬉しいですよね。
いろんなことがこの実践と結びついて、相乗効果を生み出しそうです。
教育は、効率より効果。相乗効果が高いものを、創り出していきましょう。
ヒミツキチ森学園でのファンレター
ボクは今でもほぼ毎日、このファンレター実践に取り組んでいます。
ただだいぶ形が変わっていますので、簡単に紹介します。
ヒミツキチ森学園ではStoryparkというアプリで、ラーニングストーリーを作っています。
これは子どもたち一人ひとりの成長記録です。
詳しくはこちらで!
この中で成長ノートというのがあるのですが、その中で個人の成長しているポイントを先生の目線から、画像・動画付きで送っています。
最後
「ありがとう!」
で終わったペア読書。
一番「本に戻る」をしていたのが〇〇くんです。文章から考えることが著者に寄り添うことにもつながっていると感じていたよう。
ギヴァーという名作を読めたことも、自信になりましたよね。
昨年のペア読書があるから、今回のペア読書(ブッククラブ)があるんだと思います。学びが今につながっている様子がよく見えました。振り返りを聞きながら、そんなことを思いました。
本は一人で読むだけのものではない、そう感じてくれたら嬉しいですし、これが自発的に発生する関係性の中にいるので、そのしかけをこちらもワクワクしながら作っていきたいです。
振り返りは動画でどうぞ!
ここに動画で子どもたちの様子を入れて、共有します。
親からはコメントが届き、やりとりが生まれるものも。
2週に1回は全員に届くように送っています。
一筆箋がデジタルに変わって感じたことある??
まーくん
写真や動画を送れるのはいいですね。
また他のメンバー(ヒミツキチの大人)もこの文章を見られるので、子どもを見る眼差しの共有になります。
一筆箋の文章がより多面的になっていくのを感じます。
保護者への手紙「一筆箋・ファンレター」まとめ
一筆箋の良さっていろいろとあることが伝わったでしょうか。
- 子ども、親、先生の3者でポジティブな循環が起こる
- 言い訳を残すことで高学年の子にこそ効果がある
- 子どもを巻き込んで書く、他へと広がる実践がある
- デジタルになることでさらに広がる
まずは「おにぎりママさんのお店」で、一筆箋を買ってみてください。
買ってから考えるのが一番。
枠があるとやらなくちゃなぁが生まれ、そこがトリガーになって、毎日続けることができます。
毎日のことだとやらないと気持ち悪いもんね。
まーくん
そうです、毎日やっていくことこそ、教室に大きな変化が生まれます。
声かけと一筆箋は、先生からのアプローチとして最強の組み合わせだと思っているので、ぜひぜひやり続けてみてください。
一筆箋については理論も含めてこの書籍にも書いています!
ぜひ手に取ってみてください!
まーくん
あお
それでは今日も良い一日を!
つながりづくりはこちらもどうぞ!