おはようございます。
最初の2日間はグランピングで対話を15時間‥新年度のいいスタートが切れたヒミツキチ森学園のあおです。
さて、4月に入って子どもたちとの出会いから3日間のことは、よく「黄金の三日間」と呼ばれます。
黄金の3日間!?何それ?
まーくん
あお
この3日間で全てが決まるという学級にとって大事な三日間なんだ!
先生なら一度は聞いたことがある「黄金の3日間」ですが、ボクはそんなもの存在しないと思っています。
あお
っていうと、「知らないのによくよく言うな」って声があがりますが、「黄金の3日間ってじゃあどんなものなんですか?」って聞くと、誰も答えてくれません。
この3日間が大事なのは変わりませんが、全てが決まるわけではありません。
学級開きの最初の3日間、どんなことを大切にしていったらいいでしょうか。
- 身近な人の「黄金の3日間のやり方」に疑問を持っている。
- 違う学級開きの方法はないか探している。
あお
それでは早速みていきましょう!
目次
学級開き「黄金の3日間」は目減り型の学級経営
規律を尊重するクラスってありますよね?
- 子どもたちを「締める」
- 子どもたちを動かす
- 大きな声でしかる
こういう形で学級経営をする人は、いまだに多いのです。
あお
周りがそういう先生が多いんですけど、それって本当に正しいのですか?って声をよく聞きます。
近年、ちゃんとこのまずさを証明してくれる良書が出てきました。
ボクも最初はそうでした。
そう言うものだと思っていました。
ある時、ふとそのおかしさに気づきました。
規律を大事にする形の学級経営でいくと、
最初の3日間ってまるで王様ゲームのよう。先生がクラスの大きな権力であることを示す3日間になりがちなんです。
主導権を握っておけ、手綱を離すな…一番力があるのは先生だということを、何度も何度も植え付けます。これは、先生の側から見た主観でしかありません。
新年度の抱負を2日目に言わせたりとか、はい!のあと一言付け加える出席とか、ちょっと怖いんですね。
そうすりゃ見せかけ上は動くし、みんなもついてくるんでしょう。でもそれって本当にその子の心がついていっているんでしょうか?
疑問に思うこと、ツッコミどころが満載です。
ここに書いたのはほんの一例で、そう言う学級を作っている人の中にも、試行錯誤されて自分の型がある人もたくさんいらっしゃると思います。
ここではわかりやすく表現しているだけで、十人十色ってことね。
まーくん
もう少し理論的に見ていきましょう。
規律やルールで縛った学級については、ダニエルキムの組織の成功循環モデルで言うと、「行動の質」や「結果の質」からスタートしてしまっているんですよね。見た目や結果に最初からこだわる。言うことが通る3日間だからこだわれる。
すぐに解散するようなチームだったら、それでもいいのかもしれません。
でも、ボクらは1年間を共にするクラスというチームです。
行動の質や結果の質からスタートするとどうなるか。
これは「バッドサイクル」と言われている典型的な悪循環の例そのものです。
ここにこだわりスタートすることで、うまくいかない子たちとの「関係の質」がひび割れて、段々と子どもたちが脱落していきます。
そして「あぁ、先生が力持ってんのね、付き合わないといけないのね。」
っていう「思考の質」が低下。やがてそれは行動や結果に崩壊という形で現れています。
そんな、怖い学級経営したくないですな。。。
まーくん
これは、教育が「自分が受けてきた教育の再生産がされやすい場であること」が関係あると思うんです。先生も保護者も自分が受けてきた教育のイメージがある。だから、それが当たり前のように感じてしまう。
そこから20年近く経っていることを考え、自分の中で新しい教育観を構築していかなくてはなりません。常に先生もアップデートしていく必要があるんです。
学級開きは長い長い積み上げを開始する3日間に
確かに子どもはこの3日間は先生の言う通りに聞くことが多いと思います。
でもあくまで200日のうちの3日間です。200日積み上げるうちの最初の3日間にも丁寧さが必要です。
コツコツ積み上げていく型の学級経営に転換してみませんか?
この図の通り、「関係の質」を高めることからスタートします。
わかっている、そりゃわかっているのだけれど。。。
それが難しいんじゃない??
まーくん
あお
わかっているつもりで全然やってない人が多いんだよ。
関係の質を上げること、本質的に理解しているでしょうか。
わかっているけど、行動に移していない人が圧倒的に多い。多くの先生はコミュニケーションを低く見積もり過ぎているんです。
関係の質を高めるには時間がかかります。1ヶ月じゃまだまだ足りません。コミュニケーションの量が思考の質に変化を及ぼすのは、3ヶ月先ぐらいかもしれません。半年かかるかもしれません。
あお
毎日積み上げるのが、簡単なようで、難しい。
だから短絡的なものに飛びついてしまうんです。
SNSはそういう実践で溢れているもんね。
まーくん
明日使える何かをSNSで見つけようとするのはやめましょう。
最初にコミュニケーションというコストを取ってでも、関係性に注力することは大きな力になります。
あお
では、どんなふうに進めていくかを次の章でお話しします。
黄金の3日間に代わる学級開きは?
「マージナルゲイン」という言葉があります。
1つひとつの成果は小さくても、それを重ねて改善していくことで、やがて大きな成果を生み出すことができる…という言葉です。
ボクは学級開きを
「学校は楽しいところだ!」
「自分自身を表現していいんだ」
と思ってもらえる3日間にしたいと思っています。
教室が少しでも安心できる場所になっていくような取り組みを積み上げていきます。
あお
1番のコツは、積み上げる何かを学級のシステムの中に入れることです。
具体的に見ていきましょう!
子どもの名前を覚える
これは黄金の3日間の本にも書かれていますよね。
ボクも必死で子どもの名前を覚えます。
「先生、すげー!」のためなんかではありません。
相手を尊重しているからです。まずは名前を覚えます。
だって、ほとんどの子どもたちはボクの名前は初日で覚えてくれます。
「えっと…〇〇さん?」
じゃかわいそうですよね。
名前覚えるの苦手な人は、写真をパシャリと撮っておくといいです。ボクも班や号車ごとに写真を撮っておいて、繰り返し顔と名前を一致させます。
ナイスアイディア!!
まーくん
あお
「名前が覚えるのが苦手だから」なんて言い訳を子どもの前でしないように。。。
2日目から相手の名前を呼びながら一声かけることを大事にしています。
学級開きに、先生と子どもの信頼の芽を育てる
いくつか毎年行っていることがあります。
例えばファンレター。
ファンレターについてはこちらを!
一人ひとりの良さを捉えて毎日2〜4通ずつのファンレターを送っていきます。1学級32名程度だとして、4名ずつ書いても、8日間あれば全員に行き渡りますね。最初のうちは、月2回を目標としていきます。
例えば、ハイタッチ!
始業式の時に、全員とハイタッチをすることはできます。
ハイタッチができる機会、つまり1対1で話す・関わる機会を多く持つことを、教室のシステムに入れていくのです。
あお
高学年の場合は、ハイタッチでなくてもいいですよねー。
1人1人との対話はこちら!
学級開きのこの時期は、たくさんのコミュニケーションをとります。教科書の名前が書けたら持ってきて見せてもらって、一声かけたりハイタッチをしたりします。
短いコミュニケーションをたくさん取る機会を多く作ります。
あお
くれぐれも全体で何とかしようとしたり、叱責で何とかしようとしたりはしないでくださいね。
学級開きは、子ども同士の信頼の芽を育てる
子ども同士での関わる場も少しずつ創っていきます。
例えば、読み聞かせ。
毎日読み聞かせを行った1年もありました!
毎日!?
まーくん
あお
図書館や図書室の本も借りながらね。いい本にたくさん出会いながら、読む楽しさも感じてほしんだ。
ボクは読み聞かせについては、「温もりがあること」を期待しているんです。
よく娘に読み聞かせをしています。お布団の中で一緒の絵本を読みながら、笑ったり、感動したり…そういう温もりが読み聞かせにはあるんです。
これは、1対1じゃなくても一緒だと思っています。
一緒に笑ったり、一緒に感動したりがクラスの中で波のように起こる。
そういう温もり大切にしたいです。
また、「共通の言語が生まれること」も価値としてはあります。
あお
あの絵本の時さ…こうだったの覚えてる?
うんうん!
子どもたち
なんて、クラスの中の共通言語として絵本が活躍してくれることを期待しています。
読んだ本について、ペアで話すのもいいですね。
ペア作りはこちらを!
また、PAやインプロによるアクティビティをたくさん取り入れていきます。
基本、PAには競争はありません。共創できるものがたくさんあります。
一緒に笑えたり、お互いの壁をすっと下げられたりする…そんな力がアクティビティにはあるとボクは信じています。
PAについてはこちらを!
信頼の芽を育てることが、教室が安心できる空間になることの一歩だと思います。
「自分を出していいんだ!」とみんなに思ってもらえるクラスを目指す取り組みは、従来の黄金の3日間とは全く違うものになるはずです。
初任者や経験の少ない先生は黄金の3日間に頼るのか?
こんな希望を抱く小学生を、最初から締める必要なんてないんです。
でもさ、初任者の先生とかは、いきなりそういう取り組みしづらくない?
まーくん
あお
そうなんです、初任者の先生は、自分のやりたいことよりも優先してほしいことがあるのは確かだよ。
色々と学んで教育の現場に入ってきた先生は、もしかしたら「自分のやってみたいこと」がはっきりとある先生がいるかもしれません。
でもそれを、いきなりやっていくのはやめましょう。
もちろん効果があるものも中にはあると思います。
しかし、学校の文化や目の前の子どもたちと言う、最初に感じてほしいものがたくさんあります。覚えなくてはいけないものもたくさんあります。
初任者として1年間教壇に立つことを最優先にしてください。
大事なことは学年の先生に聞くのが一番ですし、まず言われた通りにやってみることも大事です。やった上で、判断していけばいいんです。
勉強してきたことは無駄になっちゃうの?
まーくん
あお
違う違う、自分の中に持っておけばいいんだよ。
自分の中に知識として「こんな方法がある」ってことを持っておくのは大切です。つまづいた時の武器になります。
ボクは初任者でつまづいた時に、丸腰でした。教員採用試験のために一緒に学んでいた他校の先輩に、泣きそうになりながら「どうすればいいか」を必死に聞きました。
その先生が紹介してくれた本を始め、初任者の方に最適な本は記事としてまとめましたので、よかったらお読みください。
初任者に最適な本はこちら!
ボクが言っているのは、「規律やルールを作る必要がない」ではありません。学校の決まりやルール、学年で先生が作るルールと一緒にできることを挙げたつもりです。
あお
コミュニケーションや他者とつながることは人間の本質です。
先生と友達と、たくさんの活動や対話で、全体で動くより、子どもたち一人ひとりとつながる活動を入れていく…シンプルに言うとそうなります。
確かに、それなら誰でもできるよね。
まーくん
誰でもできることをどれだけできるか、それが大事なんです。
学年の先生たちと相談しながらスタートすることも大事です。
いい学年の先生が最初からいるんじゃないんです。いい学年は自分たちで創るんです。
一緒に考えていきましょう!
あお初の書籍は、全国の書店「教育書フェア」でも取り上げていただいています。
初任者の方でも、年数を経た方でも、見通しが持てるように、学級の1日から1年をまとめています。今日のような理論で、どうやって学級を作っていくかもしっかりと記しています。
あお
良かったら1年間の相棒に!
あお
それでは、今日も良い1日を!
学級開きに関する記事はこちら!
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